○鈴木(智)委員
ふじのくに県民クラブの鈴木智です。一問一答方式で大きく3点お尋ねしたいと思います。よろしくお願いします。
まず初めに、先ほども言及がありました平成28年度主要な施策の成果及び予算の執行実績についての説明書の1ページから3ページ。そもそも論で申しわけないのですが、1ページから3ページは主要施策の総括ですね。ほかの分科会でも何年か前に言ったことがあるんですけれども、これは本当に総括になっているのかとつくづく思うんです。単なる報告書に終わっていないかなと。具体的にどういうことかというと、つまりアウトプットはいっぱい書いてあるんですね。何々をした、何々をしたと。それに対してこれから何をしていくかと。アウトプットをして、アウトカムがどうなったのか、もちろん評価が出たものもあれば、評価が思ったほど出ていない。でも出たら出たで本当にどういった理由で出たのか。出なかったら出なかったでどういった理由で出なかったのか。そこは総論として書かれるべきだと思うんですけれども、実際書かれていないと思うんですね。
具体的に言いますと、例えば(1)、文末だけ言いますと推進した、行った。それに対して推進していく。(2)、推進した、整備した、努めた、育成した、推進する。若干評価らしいものが書かれているのは(3)です。ここは後で言及しますけれども。続いて(4)、推進した、行った、努める、取り組んだ、させていく。(5)、推進した、推進した、実施した、進めていくと。何々をしたということは書かれているんですけれども、それに対してどうだったのかは全然書かれていないんです。もちろん後段に行けば細かく書かれていますけれども、ここはあくまでも総論であったり、要約版だと思うんですね。ですからこの後に細かく出てくる評価はしっかり書かれるべきだと思うんですが、その点はいかがでしょうか。
○鈴木教育次長
主要施策の総括ということで御質問をいただきました。
9番委員御指摘のとおり、確かに事実関係を述べているということと、今後のことについてさらっと書いてあるということでございます。各課の項目を見ていただければ、成果指標の取り組み状況、達成度等で評価している部分はありますけれども、この部分については現状評価までに立ち入って書かれていないかなと私どもも反省しております。9番委員御指摘のとおりこれについては改善させていただきたいと思います。
○鈴木(智)委員
そこまで言いませんが、本当は書き直せと言いたいぐらいなんです。今鈴木次長もそうおっしゃっていただきましたので、例えば2のところに評価と課題と書いているわけですが、評価についてはほとんど載っていんないんですね。それで改善を強くお願いしたいと思います。
ちょっと細かい話に行きます。
私がよくやることなんですが、平成27年度といつも比較するんですが、結構おもしろい点が見えてきます。例えば2の(1)の子供と大人の読書活動推進云々とあるんですね。実は平成27年度は若干表現が変わっていますけども、ほぼ同じことが書かれています。ただ平成27年度は最後に一定の成果が得られたと書いてあるんですね。平成28年度は行ったで済んでいます。つまり平成27年度は成果が得られたと書いてあるんですけど、平成28年度は成果が得られたと書いてないのです。その違いは何なんでしょうか。
○山本社会教育課長
なかなかお答えがしづらいのですけれども、事業に関しましては同じように推進に努めているところでございまして、一定の成果を得られているんですが、この書きっぷりがよろしくなかったかと思いますので、そこは来年度以降に向けて検討させていただきたいと思います。
○鈴木(智)委員
もう1点追加していいですか。
説明書2ページの(3)家庭教育支援については云々とありまして気運を高めたとあります。平成27年度と比較すると1カ所しか変わっていないんです。「組織化、」と点にしていますけれど、平成27年度は「組織化や」と1文字だけ変わって表現は一緒なんですね。何でこうをしたのかと聞きたいのと、あともう1つ聞きたいのは家庭教育を地域全体で支援する気運を高めたとあります。この具体的な根拠、何か指標みたいなのはあるでしょうか。2点お尋ねします。
○山本社会教育課長
2つの御質問のうち、前については特段の理由はございません。同じでございます。
あと、家庭教育を地域全体で支援する気運を高めたことは、例えば学校サイドにおきましては、家庭教育支援員等を通じまして、学校の中で家庭教育を支援していくために、学級懇談会等で話し合いをするとき使う「つながるシート」を使って、家庭教育の気運を高めることを行ったりとか、あるいは企業を訪問いたしまして、父親には限りませんけれども、学校ではない別のルートから家庭教育の重要性等を広報いたしまして、地域全体で支援していく気運を高めたところでございます。
○鈴木(智)委員
結局同じなんですよね。アウトプットは確かにしたんですけれど、それに対してアウトカムがどうだったのか具体的に指標があるんですか。
○山本社会教育課長
今すぐぴったりした指標が出てこないんですけれども、例えば説明書70ページに総合計画指標がございまして、上から2つ目のところで、地域で子どもを育む活動に積極的に参加した人の割合がございます。これはある意味地域ぐるみで、地域全体で家庭教育等を支援していく、子供を育む活動に参加した人の割合ですので、関連する指標としてはこのあたりになるかと思います。
○鈴木(智)委員
それならそれで結構なんですけれども、来年の話になっちゃいますけれど、最初の主要施策の総括の部分は大変重要な部分だと思います。ここを読めば教育委員会がどういった取り組みを行って、静岡県の教育の状況がどうだったかわからなければいけないところだと思います。そこはしっかり書いていただくことをお願いして、次に移りたいと思います。
次は、いじめの問題に移りたいと思います。
具体的指標としては、説明書31ページから書かれています。私も小学校6年生と中学校3年生の娘がいますけれど、親として関心があるのは、まず子供たちの学力がどうなのか。2つ目には子供の安全、いじめも含めた安全がどうかは多分ほかの親御さんも同じような関心があると思うんですが、ただ先ほどの総括でもいじめの「い」の字も出てこないし、義務教育課のところの表現も随分あっさりしている気がするんですが、いじめの問題はそんなに重要な問題じゃないんでしょうか。
○宮﨑義務教育課長
いじめの問題につきましては、最重要、最重点項目の1つとして考えております。
○鈴木(智)委員
来年の話になりますけれど、総論になっておりますので、ぜひ書き込みいただきたいのと、つい先日文部科学省から――今掲載されているのは平成27年度ですけれど――平成28年度のいじめ認知件数は出ましたよね。それについてお尋ねしたいんですが、静岡新聞の報道によりますと全国的にもいじめ件数がふえたということでございますし、静岡県におきましてもふえたんですね。一方いじめの解消率は全国を下回ったといいますけれど、ただ比較しますと平成27年度上がっていますよね。その辺の分析をお尋ねしたいと思います。よろしくお願いします。
○宮﨑義務教育課長
いじめの解消の前に、いじめの認知件数ということで、できるだけ早期発見に努めておりまして、これまで少しでも早くいじめを認知しようと努めてまいりました。
そうしますと、いじめの内容が軽微なものからある程度の重いものまでさまざまございますので、いじめの解消率が上がる、下がるというのは一概に分析が難しいところがございまして、文部科学省でもいじめの解消率が上がることだけが目的ではないというか、そういった提言もされています。しかもいじめの解消率につきましては、ある程度継続的にいじめがないことを確認してから解消という言い方をしているものですから、いじめの解消率が多少、上がった、下がっただけではなかなか分析が難しいところでございます。
○鈴木(智)委員
私も本会議で取り上げたことがありますけれども、基本的に宮﨑義務教育課長と同じ認識です。例年京都府のいじめの認知件数が多いですけれど、京都府の学校が荒れているかというとそうとも限らないわけです。細かいいじめにまで気をつけて1つでも拾い上げようとすれば、むしろいじめの認知件数はふえるかもしれないし、逆にとことんいじめの解消に努めれば、解消率はむしろ下がるかもしれません。
そこでお願いしたいのが、例えば説明書32ページの真ん中。31ページにはいじめの解消率しか載っかっていない。32ページにはいじめの認知件数の増加についてはとあるんです。確かに解消率も認知件数もふえたり、減ったりと一概に言えないところがありますので、例えば同じ50%でも1万人の生徒に対して1万件起きているところの50%と、同じ1万人だけど10件だけしか起きていないところの50%では全然意味が違うと思うんです。
ですので、管理指標の中にはぜひいじめの認知件数も入れていただきたいと思うのですが、その点いかがでしょうか。
○宮﨑義務教育課長
管理指標としていじめの認知件数を入れることは可能でございますので、入れる方向で検討してまいりたいと思います。
○鈴木(智)委員
ぜひお願いします。
それと文部科学省の発表によりますと、児童生徒の自殺の状況が出ているんですね。平成28年度は244人ということで、平成に入ってからは過去最高でございます。全国で244人ですから、人口で割りますと静岡県にも数名いらっしゃるのかなと思うのですが、静岡県の場合は何人だったんでしょうか。
○宮﨑義務教育課長
児童生徒の自殺につきましては、特に個人のプライバシーということで、保護者の方も自殺ということを出さないでほしいということもございますので、今県として公表はしていない状況でございます。
○鈴木(智)委員
どこの学校とまでは言いませんけれども、人数ぐらいは出すべきなんじゃないですか。
○宮﨑義務教育課長
文部科学省からも県単位で何人ということは公表しないことになっておりますので、今そちらについては出していない状況でございます。
○鈴木(智)委員
また委員会でやりたいと思いますが、実際244人もいじめが原因で亡くなったということで、ほとんどは原因不明でわからないんですけれども、原因についても言えないということですね。
○宮﨑義務教育課長
今詳細については申し上げられない状況でございます。
○鈴木(智)委員
これは改めて委員会でやりたいと思いますので、ぜひ前向きな御対応をお願いしたいと思います。
最後に、コミュニティスクールについてお尋ねしたいと思います。最初に先ほどの全体の総括に戻りますけれど、さっきの(3)です。指定校数が増加しとあります。説明書70ページに出ているのはあくまでも学校支援地域本部で指定云々の話ではないと思うんですが、平成27年度から平成28年度にかけまして、いわゆるコミュニティスクール指定校がふえたという意味だと思うんですが、何校になったんでしょうか教えてください。
○宮﨑義務教育課長
平成28年度のコミュニティスクールは5市に64校でございます。平成29年度につきましては5市1町で74校になっております。
○鈴木(智)委員
ぜひそういった数字も載せていただきたいと思うんですね。というのは、本会議の討論でも述べましたけれど、先日法律が改正されて学校運営協議会の設置が努力義務になったんです。ただ静岡県の場合にはそこだけにこだわらず、学校支援地域本部も含めた感じになっていると思うんですけれど、どっちが細かくやっているかというと、学校支援地域本部よりはコミュニティスクールになっているところのほうがかなり地域との密着度も大きいかなと一般的に言えるかと思いますので、ぜひ学校支援地域本部だけではなくて載せていただきたいと思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。
○宮﨑義務教育課長
地方教育行政法が改正されましても努力義務になっておりますので、事あるたびに教育長会とも通じて、また各市町等にもお願いしてまいりたいと思います。
○鈴木(智)委員
残念ながら決算委員会ですから、ほかの問題も含めて全部議論できたわけではないですけれど、前向きな対応をお願いして議論を終わりたいと思います。ありがとうございました。