前静岡県議会議員すずきさとる新聞『すずしん』web版

文教警察委員会議事録(教育委員会)(平成29年7月26日)

○鈴木(智)委員
 ふじのくに県民クラブの鈴木智でございます。
 大きく2つのテーマについて、分割質問方式でお尋ねしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 まず初めに、午前中にも議論がございました県立中央図書館についてお尋ねしたいと思います。
 まず初めに、文教警察委員会説明資料にもありますけれども、この4月から6月に県立中央図書館の長寿命化改修の可能性を検討するために調査されたということでございます。7月21日の静岡新聞によりますと、改修は大規模な工事を伴い費用が多額になることが明らかになったということですからお伺したいんですけれども、そもそも長寿命化とはどういうものかと。どうしても建て直すよりは長寿命化できるのであればしたほうがいいんじゃないかという雰囲気があるんですが、例えば車もエンジンが壊れてしまった場合、エンジンを総とっかえするよりも新しい車を買ったほうが安い場合もあったりします。同じことが長寿命化についても言えると思うんです。
 県立中央図書館における長寿命化については、例えばこのまま何もしなければ何年しか使えないけれども、長寿命化すればあと何年使える。ただそれには多額の費用になると新聞記事に書いてありますけれども、じゃあどれくらい費用がかかるのか。
 あるいは説明資料によりますと、改修したとしても現状の図書館機能が著しく損なわれるとありますけれども、どういうことなのか具体的に教えていただきたいと思います。

○山本社会教育課長
 県立中央図書館について御質問いただきました。大きく3点かと思います。
 まず長寿命化でございますけれども、県全体として平成24年度にファシリティマネジメントが導入され、長寿命化の取り扱いが進められているところでございますが、全体として約80年建物をもたせたいということで、現在48年たっておりますのであと30年もたせるための方法を今回考えました。
 それから、費用につきましては、この4月から6月に行った調査で2つの案が提示されておりまして、床の補強や補強壁の増設等だけの費用でございますけれども、概算で4億3000万円から5億5000万円との提示を受けております。その他設備、配管等の長寿命化の経費は入っていませんので、トータルで幾らになるかは計算してございません。
 それから3つ目、機能が著しく損なわれることとは具体的にどういうことかなんですけれども、これは補強壁をつくったり、あるいは外側を囲ったりする案が提示されているわけですけれども、補強壁を使うことによりまして館内の使い勝手が非常に悪くなったり、あるいは収蔵力が著しく落ちてしまう内容でございます。

○鈴木(智)委員
 次に、本題のひび割れについてお尋ねしたいんですが、説明資料15ページですね。私から言わせると非常にあっさりし過ぎているんじゃないかと。この問題については簡単な問題じゃないと考えております。言うまでもなく県立中央図書館の管轄は教育委員会ですけれども、所有しているのは我々県民、県民の施設でございます。故意じゃなかったにしても人為的な行為ですよね。つまりは設計当時の積載荷重の上限を超過することによってひび割れが発生しました。県民の資産がどれぐらいかはなかなか評価が難しいかもしれませんけれども、損なわれてしまったわけでございます。またひび割れによって一時休館、一部は再開しているようですけれども、利用者にとって不便を強いているわけでございます。
 後ほど聞きたいと思いますが、積載荷重を超過していたということは、もしかすると何らかの法律に違反していた状態がずっと続いていたのではないのかなと思っておりますし、平成13年度の耐震補強工事では積載荷重が超過していたことを認識していない中で耐震化をしていたとしたとすると、実は現時点で耐震補強工事が足らなかった可能性もあるのかなと思っております。そこで何点か伺いたいと思います。
 まず、このような事例を聞いたことはありませんけれども、積載荷重が超過していたがために床にひびが入った事例が県内あるいは他県であったのかどうか。

 2点目が、設計時の積載荷重を超過した図書ですね。つまり10万冊のところ20万冊置いておったわけでありますけれども、その原因は何だったのか。再発しないようにどのような対策が必要と考えているのか。

 そして3点目が、いつごろから設計時の積載荷重の上限を超過していたのか。

 4点目、先ほど言いましたけれども、もしかすると違法な状態にあるんじゃないかと思うんですけれども、その点について確認させてください。

 最後に耐震化工事ですね。平成13年度に耐震補強工事が行われたわけですけれども、積載荷重を超過していたことを認識しないまま計算し工事したとなると、想定される地震があったとしても建物自体は何とか壊れない工事がされていると思うんですが、積載荷重のことが入っていなかったとすると実はそこまでいってない可能性があると思うんですが、その5点についてお尋ねしたいと思います。

○山本社会教育課長
 5点質問をいただきました。
 積載荷重によるひび割れの事例が他県であったかでございますが、他県の図書館でのこのような事例は現在のところ把握してございません。

 それから2点目、なぜ超過したのかでございますけれども、図書館の利用のされ方が建築当初とだんだん変わってきたのが大きな原因ではないかと考えております。建築当初はやはり閲覧室の中におきます図書数が現在ほど多くなくて、ある図書を見るのは当然なんですけれども、かなりの部分は書庫から出してきてもらって見ていただくという利用のされ方をかなりされていたと伺っております。それがだんだん図書館の使われ方が変わっていく中で、閲覧室にたくさん本を出して直接県民の皆様がごらんになって使うという利用のされ方に変化しまして、閲覧室の中の本がふえていったのが超過してしまった大きな原因かと考えてございます。

 それから3点目といたしまして、いつごろから超過の状態になったのかでございますけれども、はっきりわからないんですけれども、設計の荷重が1平方メートル当たり300キログラムになっていて、現状560キログラムぐらいの力がかかっているのではないかということが今回の4月から6月の調査でわかりました。したがいまして現在閲覧室に入っている図書で案分しますと、現在20万冊なんですけれども、560分の300で仮に計算してみますと大体10万7000冊ぐらいになります。この段階になったのがいつごろか時系列で追ってまいりますと、昭和63年ごろに閲覧室の本が10万冊を超えるようになりましたので、恐らくでございますけれどもこの前後に設計の上限を超えたのではないかと推定されます。ここはあくまでも推定でございますのではっきりしたことはわかりません。

 それから4点目、違法ではないかということですが、関係法令を承知しておりませんけれども、建築基準法に基づきますいわゆる12条点検がございまして、3年に一遍ずつ建物の状況を確認する検査がございますが、法定の検査はきっちりやっております。この中では把握されておりませんので、少なくとも手続についてはちゃんとしていたと思います。

 それからあともう1つは、平成13年度の工事の関係でございます。図書館につきましては資料棟、閲覧室の入っております資料棟という建物と会議室等がございますインフォメーション棟という2つの建物がございます。閲覧室が入っております資料棟に関しまして、平成13年度に応急の耐震補強工事を行ってございます。この工事が不完全だったのではないかという御指摘かと思いますけれども、この平成13年度の工事に関しましては平成8年度に行いました耐震診断の結果に基づいて計画されたものでございます。このときの床の積載荷重については、平成8年度の使用実態をもとに計算したということで、その段階では床の状況に問題がなかったということで、それをベースに耐震補強しましたので、平成13年度の工事については特に問題ないと思います。結果的にこの工事によりまして、避難する時間がちゃんと確保されておりますので、資料棟については安全な措置がされたと理解しております。

○鈴木(智)委員
 違法状態ではないかどうかはまだはっきりと言えないと思うんですね。
 順番を変えますけれども、経営管理部が200平方メートルを超える施設についてアセスメントを行って、3月にほぼ全施設公開しました。それで県立中央図書館と関連で県立美術館について確認したんですけれども、県立中央図書館のアセスメントシートによりますと、建築基準法第12条に基づく定期点検において違法状態と指摘されていまだ改善できない用件があると。3月時点の資料ですからまだ有効だと思うんですけれども、これとは別の件だと思うんですけどね、ここをまず確認したいのと、やはり建築基準法第12条に基づく定期点検はよくわかりませんが、例えば設計の荷重が300キログラムから560キログラムと認識した上で計算しているわけじゃないと思うんですよね。まだ違法状態であると言っているので確認したいんですけれども、たとえここで違法状態じゃなかったとしても、この300キログラムと560キログラムの違いについてはやはり問題があるといいますか、今すぐわからないにしてもあとで確認していただきたいと思うんです。経営管理部の資料では建築基準法第12条に基づく定期点検においていまだ違法状態にあると言っているんですけれども、ここを御説明ください。

○山本社会教育課長
 この件に関しましては、指摘されておりますのがいわゆる既存不適格と言われるところでございますけれども、建物3階の防火戸が4カ所ないとか、あるいは排煙設備について問題があるとかの指摘を12条点検でいただいている内容と考えてございます。

○鈴木(智)委員
 それについてはどうされるんでしょうか。

○山本社会教育課長
 既存不適格でございますので、建てかえのときには直さなきゃいけないので、今後あり方を検討する中で抜本的な対策をしていかなければいけないと考えてございます。

○鈴木(智)委員
 現在、閲覧室にある20万冊のうち10万冊を持っていかないと、積載荷重超過は解消できないわけですけれども、じゃあ10万冊をどこに持っていくのかと。単純に考えれば閲覧室にある本ですから多分頻繁に見られる本ですよね。ですからそのまま閉架に持っていく、ただ多分10万冊も入れる場所もないでしょうし、かといってなるべく読まれない本をどこかに持っていく必要があるんでしょうが、そこは単純に持っていけばいい話ではないと思いますので、この10万冊の移動をどうしていくのかと。
 あと、もともと狭隘化ということで、中央図書館の収蔵能力が足らないと言われていますよね。84万5000冊が上限となっていますので、車庫を書庫に改造して、9万6000冊分の収蔵分を足さないと本年度中にいっぱいになってしまう事態が発生していますし、閲覧室に10万冊余計に設置した結果こうなっていますけれども、そもそも収蔵能力を過大評価したところがあると思うんですね。その点についてお尋ねしたいと思います。

○山本社会教育課長
 10番委員のおっしゃるとおり、10万冊の行き先はどこかでございますが、現在収蔵能力が84万5000冊でございます。既に昨年度末で82万冊の本がございますので、県立中央図書館の中だけで処理できない状況になっております。書庫が幾つかあるわけですけれども、比較的借りられる頻度が低い下の書庫の本を一旦外部に移しまして、できたスペースに閲覧室の本を移動する段取りを考えているところでございます。

○鈴木(智)委員
 それでも計画ですと、本年度中に84万5000冊に到達してしまいますので、9万6000冊ふやすために車庫を書庫に改造する計画は予定どおりやるということですか。

○山本社会教育課長
 計画をつくりましたのは昨年度の段階でございまして、県立中央図書館の中には収蔵能力をふやせるスペースがないということで、最後に残されたスペースの車庫を改造した場合に、9万6000冊程度ふえると計画したところでございます。今回の調査結果等を受けまして、根本的な対策も考えなければいけないと。それから、とりあえずいっぱいになった本をどこかで処理しなければいけないものですから、外部へ一時持っていかなければいけないということで、旧埋蔵文化財センターなども候補にしながら作業を進めているところでございますが、一時的に本を逃がす形でスペースを生み出すことも1つの案かと思います。したがいまして現在のところでは、来年度すぐに車庫を書庫に改造するか決めておりません。

○鈴木(智)委員
 いずれにしましても、予想していなかった事態が発生したわけですから、東静岡の文化力の拠点における図書館機能の検討につきまして改めて検討すると。私もこれまで中央図書館整備の検討に関する有識者会議を何度か傍聴しましたけれども、基本的には分館ですかね。2館体制をほぼ前提として議論されていたと思うんですが、けさも議論ありましたように1館だけの整備も視野に入れると。つまりあらゆる選択肢を検討するということなんですが、2点伺いたいと思います。
 あらゆる選択肢ですから、もちろん東静岡に全部持っていく方法もあるでしょうし、逆もあるのかなと思うんですね。つまりは現在の敷地に建てかえる選択肢もあってもいいのかなと思うんですが、そこも含めて検討するんでしょうか。

 あともう1点、秋までにですけれども、ただ秋と言いましてももう7月が終わろうとしています。そんなに時間がないですよね。この春までに中央図書館整備の検討に関する有識者会議で何度か議論されて一定の結論が出たと思います。前提がかわったわけですから、この有識者会議でも改めて検討するのかどうか。
 あと、遅くとも12月議会の文教警察委員会の場で報告いただけるということでよろしいんでしょうか。そこについてお答えいただきたいと思います。

○山本社会教育課長
 今後の方針でございますけれども、10番委員おっしゃるように、これまで機能分化を前提にしまして、谷田と今度整備をされます東静岡の2館で考えておりましたけれども、調査結果を受けましてあらゆる可能性を考えるということでございます。当然ながら谷田での整備も1つの選択肢になりまして、そこも検討していくことになります。

 それから、時期的なものですけれども、秋ぐらいまでというのは1つの目安でございまして、調査結果等々も踏まえながら今後検討しなければいけないと思いますが、12月議会までには報告ができるように努力させていただきたいと思います。検討過程の中で有識者には何らかの形で御意見等も伺う必要があるのかなと検討している段階です。

○鈴木(智)委員
 ですから、谷田の敷地での建てかえも含めて検討すべきだと思うんですが、ただ気になるのが先ほど言ったアセスメントシート――県立美術館でございますけれども――この土地の中に、実は6,000平方メートルの国有地等が含まれているんですね。現行法では6,000平方メートルの土地を整理、取得等しなければ、建てかえあるいは増築等ができない、静岡市から建築確認を受けることができないとなっているんですけれども、6,000平方メートルをどう調整あるいは処理していくのか、あるいは処理するにはどれくらい費用とか期間がかかるのか教えてください。

○山本社会教育課長
 美術館だけではなく、図書館の敷地についても建築基準法ですとか都市計画法などさまざまな規制がかかっております。それから底地に国有地が入ってございます。仮に現地で建てかえとなりますと、測量した上で買う感じの整理が必要になります。

○鈴木(智)委員
 私も余りよくわかってないんですけれども、多分測量とか必要だと思いますし、取得となるとお金がかかる話ですけれども、概算で結構ですので見積もりみたいなものはあるのでしょうか。

○山本社会教育課長
 少し前の試算ですから、現在どうかはわかりませんけれども、測量あるいは購入等々にかかる費用がおおむね2億円を超えると出ております。

○鈴木(智)委員
 わかりました。
 いずれにいたしましても、東静岡に整備される予定の文化力の拠点については、もちろん部局を超えて議論することだと思うんですが、東静岡に全て移転する選択肢については、駿河区民ではありますけれども慎重に考えるべきという立場でございます。東静岡に持っていきますと、確かに便利なところではありますけれども、市立図書館との役割分担ですとか、すみ分けが非常に曖昧になってしまうのかなと。つまり二重行政が発生する可能性が高いものですから、そこはやっぱりクリアしていかないとなかなか全部持っていくのは難しいかなと思っています。

 そこで提案なんですが、先ほど申し上げました有識者会議で御意見を聞くなり、あるいは検討してもらうことだと思うんですが、その中に浜松市の図書館の関係者がいますけれども、静岡市の図書館の関係者はいらっしゃらないんですよね。ですから、ぜひ静岡市の図書館の関係者を入れた上で全館を東静岡に移転するかどうか検討すべきだと思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。

○山本社会教育課長
 東静岡に図書館を整備すると二重行政にならないかという御指摘かと思いますけれども、文部科学省の図書館の設置及び運営上の望ましい基準がございまして、県立図書館、市町立図書館の役割がある程度整理されております。たしか東静岡地区の近隣には図書館はなかったと思いますので、バッティングもないと考えております。
 それからあと、有識者会議の中に浜松市立図書館の館長が入っていますが、これは県内市町立図書館の代表者という形で入っていただいています。当然ながら静岡市の図書館とはいろんな面で連携しなければいけない点もございますので、通常から館長同士が意見交換等させていただいていますので、これをさらに強めていく形で対応ができると考えます。

○鈴木(智)委員
 確かにあの地域には静岡市立図書館はございません。若干離れたところにありますので、あの地域にしてみれば県立図書館という形でも図書館ができれば非常に便利なんですけれども、ただ気をつけないといけないと思うんですね。
 例えば、全国の都道府県立図書館で全国一の利用者、貸し出し数を誇っているのが岡山県立図書館でございます。たしか2位だったと思いますけれども、同じように上位に位置しているのが山梨県立図書館でございます。岡山県立図書館につきましては去年図書館に関する質問をしたこともありましたので、実際に見させていただきました。山梨県立図書館はまだ見ていないんですけれども、これから見に行きたいとは思っておりますが、やはり参考になるわけですよね。いずれの図書館も新しく移転とか建て直しをして、利用者数、貸し出し数が非常にふえたところでございます。ただ私が見た印象だと、周りにないからといってもやっぱり市町立図書館との共存の仕方は非常に難しいなと。はっきり言えば岡山県につきましてはアイデンティティーを失っている部分がないわけじゃないなと思っています。
 既に教育委員会でも両図書館を視察されたと伺っていますけれども、どのように評価されているか。あるいは県立中央図書館をこれから改めて検討される中で、岡山県あるいは山梨県の図書館のような姿を目指すべきと考えているのか、その点についてお尋ねしたいと思います。

○山本社会教育課長
 10番委員がおっしゃっています岡山県立図書館については、全国的にも県立図書館の中では非常に来館者とかも多く、ある意味評価が高い図書館ではございますが、先ほどコメントされたかと思いますけれども、市町立図書館との役割分担の中で県立図書館のあり方としてはどうかというところも事実でございます。また山梨県立図書館は甲府駅前にございまして、立地をかえたことにより入館者が5倍になった図書館でございます。この図書館も非常にいい図書館だとは思いますけれども、市立図書館とのすみ分けの中で我々が目指す図書館と同じかどうかは検討していかなきゃいけないのかなと考えてございます。

○鈴木(智)委員
 もちろんここで結論を出す話じゃないと思いますが、ぜひ慎重な検討をしていただきたいと思います。

 次に、先ほども議論がありましたけれども、防災教育、特に避難所運営に関してお尋ねしたいと思います。私も学校の危機管理マニュアルを見させていただきましたけれども、災害発災時は当然のことながら、子供たち、そして教職員の方々の命を守ることが最優先です。かなり細かくマニュアルにも入っていますけれども、これに加えて必要だと思いますのが災害発災、直前から直後の話ですよね。ただもちろん場合によりますけれども、発災直後の生徒がまだ残っているうちから避難所運営が始まる可能性があります。もちろん避難所運営は基本的に市町、あるいは地元の自治会が所管というか、責任を持つんでしょうけれども、例えば先生方がいる間になった場合、当然のことながら先生たちも私が所管じゃないとは多分言わないと思うんですね。
 ですので、まずは自治体との連携は非常に重要だと思いますし、あとぜひやっていただきたいのが、避難所運営ゲーム――HUGですね。これは静岡県地震防災センターの職員が考案されたものでございますけれども、こういったものを通じた効果が2つあると思ってます。
 小学生では難しいという話も聞いていますが、小学6年生でやっている事例も他県にあるようでございますので、小学6年生から中学生、高校生にぜひやっていただきたいと思います。もしかすると生徒たちが避難所に行かざるを得ない状況になるかもしれません。そこに先生たちが加わっていただければ、避難所運営はこういうことなんだと。もちろん実際とは当然異なってくるとは思いますけれども、ある程度こんなことが起こるんだ、あんなことが起こるんだとあらかじめ知っておくことは重要だと思います。まずは自治体との協定の状況をある程度把握されているのかどうか。

 あと、教育委員会としても避難所運営ゲームを積極的に進めるべきだと思いますけれども、その点についてお考えを伺いたいと思います。

○福永教育委員会事務局理事兼健康体育課長
 避難所運営についてでございます。
 10番委員御指摘のとおり、都市部でも避難所の運営につきましては当然市町の責任ではございますけれども、熊本県のように、例えば学校の先生が避難してきた方たちに相当責められた事例もございます。そういったものを見かねて、生徒たちがみずから避難所運営に取り組むという事例もございました。
 そういった部分で、先ほどの7番委員にもお話ししましたように、避難所運営に学校としてどう取り組んでいくかは重要であると同時に、既に幾つかの学校でもHUG――避難所運営ゲームでございますが――の取り組みはしているところです。今後このマニュアルの中にもそういったものを反映させていく必要があると考えております。またマニュアルについては常に見直ししていかなければいけないと考えておるところでございます。
 地域におかれましては、やはり避難所での中高生の活躍を期待しているところもございますから、10番委員御指摘の取り組みは今後も充実していきたいと考えています。

○鈴木(智)委員
 これで最後にしますけれども、今危機管理部では避難所運営マニュアルの改訂作業をしているところですので、来年度ですかね、新しいものができますので、ぜひ各学校にも配って先生方にも目を通していただきたいと思います。
 先ほど熊本県の事例がありましたが、報道によりますと、事前にHUGをやっていた熊本県のある小学校が実際に避難所になったときに非常に役立った話もあるわけです。既に何校か実施されているわけでございますけれども、避難所運営マニュアルも新しくなりますので、ぜひ積極的な対応もお願いしたいと思います。以上で終わります。

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