前静岡県議会議員すずきさとる新聞『すずしん』web版

厚生委員会議事録(平成27年3月2日)

○鈴木(智)委員
 ふじのくに県議団の鈴木智です。一問一答方式で大きく4項目について御質問しますので、よろしくお願いします。
 まず初めに、定番の危険ドラッグ対策について、簡単にお伺いしたいと思います。
 先ほども御説明いただきましたけれども、昨日から危険ドラッグ規制の条例が全面施行されまして、皆様方、そして地元の方々の御努力により、県内の危険ドラッグ店はなくなりましたけれども、静岡新聞等々の報道にもありましたけれど、インターネットによる通信販売、あるいはデリバリー販売により、残念ながらいまだに危険ドラッグを手に入れることが可能な状態にございます。
 そこで、まずお伺いしたいんですが、インターネットや電話等による販売の現状について、どのように把握されているのか、お聞かせください。

○杉井薬事課長
 インターネット販売につきましては、例えば今インターネットで合法ハーブと検索をしますと、たくさんのサイトが出てくる状況です。当然、静岡県民が入手できる状況になっていると認識をしております。
 それから、デリバリーについては、なかなか行政として把握できない部分があります。最近ですが、浜松市北区で、危険ドラッグを使い無免許運転により道路交通法違反で検挙と新聞報道がなされています。それもデリバリーで入手したんじゃないかということなんですけれども、行政としてどれぐらいデリバリーがあるかについては、把握ができていない状況でございます。

○鈴木(智)委員
 委員会資料の83ページに、平成26年12月19日から平成27年1月31日までの通報件数6件の中に、危険ドラッグを販売している店があるという通報があったということなんですけど、これは具体的にはどういった内容なんでしょうか。

○杉井薬事課長
 通報・相談の中には、具体的な店名を言って、これまであった合法ハーブ店という形ではなく、例えば、飲食店の一角で売っているのではないかという情報もいただいておりまして、それについては県警にすぐに情報提供をしまして、県警で調査中と聞いております。
 その他については、具体的な情報ではなく、西部地域で売っている人がいるのではないかという曖昧な情報も来ておりまして、そういったものについても、県警には情報提供をしております。

○鈴木(智)委員
 県内にありました6店舗の危険ドラッグ店は現時点では少なくとも確認されていないと思うんですが、インターネット等への対策は、これからますます重要になると思うんです。報道によりますと、危険ドラッグを全面規制する条例を制定した鳥取県が、サイバーパトロールを実施して、インターネット上で危険ドラッグを扱う店舗に対して、県内で販売しないよう要請する取り組みを始めたということで、30を超える店舗のうち、2月1日までに6店舗が応じる姿勢を示したということでございます。
 そして同じく規制条例を制定してサイバーパトロールを行っている京都府、兵庫県とも会議を開催して、連携をしているということです。当たり前の話ですが、インターネットには県境や国境がないわけですから、静岡県もぜひ鳥取県や京都府、兵庫県、ほかにも危険ドラッグ規制の条例を持っている県があるわけですから、そういったところと連携してサイバーパトロールを――国との連携も当たり前ですけれども――やっていく必要が今後あると思うんですけれど、特にサイバーパトロールの実施について、教えてください。

○杉井薬事課長
 県では来年度予算の中で、専用パソコンを設けてサイバーパトロールを行っていくこととしております。とにかく情報収集体制を強化して、県民が入手できる環境をなくしていきたいと思っています。その収集した情報に基づいて、インターネットで販売されている製品を対象とした買い上げ検査を行うこととしております。そして検査の結果、知事指定薬物等を含む違反薬物が検出された場合は、まずは県民への注意喚起を行うとともに、当該業者の拠点となっている都道府県と連携をして業者への警告、廃業の指導など厳しい態度で臨んで、静岡県内では売れない環境をつくってまいりたいと考えております。
 また、薬物の濫用の防止に関する条例の中に、県の責務として国、他の都道府県との連携もうたっております。各都道府県と情報共有しながら進めていくのは非常に重要だと考えております。

○鈴木(智)委員
 危険ドラッグ対策の対象が広がってしまうわけですけど、やっぱり地道な対策が必要だと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 次に、救急搬送支援システムについてお尋ねしたいと思います。
 これについては危機管理部にもかかわる話でございますので、健康福祉部で回答できる範囲でお答えしていただきたいと思います。
 先月、2月1日にTBS系列の番組「夢の扉+」で、“たらい回し”をなくせ!スーパー公務員の挑戦と題しまして、佐賀県の救急搬送支援システムの取り組みが紹介されていたものですから、これはいいなと思い今回御質問させていただきたいと思っています。
 佐賀県では、2011年4月に病院の受け入れ状況をウエブベースシステム99さがネットで見える化するとともに、全救急車にiPadを配備して搬送可能な病院をリアルタイムで検索できるシステムを導入し、その結果、ほかの都道府県が救急搬送の時間がだんだん延びる状況にあるにもかかわらず短縮することに成功した取り組みでございます。こういった取り組みは、報道によりますと全国都道府県にも広がりつつありまして、実際に「夢の扉+」では、群馬県がiPadではなくて、大型のスマートフォンを使って情報共有システムを導入しようという話が紹介されておりました。
 静岡県内では同様の救急搬送支援システムが駿豆、御殿場の2次救急医療圏で県から補助金を受けて進められているということなんですが、この駿豆、御殿場2次救急医療圏での実施状況と、その効果についてどのように把握されているのかお尋ねしたいと思います。

○竹内地域医療課長
 駿豆地域の救急医療情報システムについてお答えいたします。
 駿豆地域の救急医療情報システムにつきましては、国の平成22年度補正予算による、いわゆる第2次地域医療再生計画の中で現在取り組みが進められております。特に県東部地域では医師不足が厳しい状況の中で、現在ドクターバンク事業とあわせて救急医療情報システムが運営されているところでございますけれども、実際の体制としましては、沼津医師会を中心とした3医師会と、4市3町の行政並びに消防本部、あるいは2次救急医療機関等から構成された委員会を実施主体として行っております。現在のところ駿東地区4市3町の全ての救急車29台と、それから2次救急医療圏を中心とした18の医療機関で運用されている状況でございます。
 実際にシステムを構築して運用が始まっているわけですけれども、現時点でシステムの活用によって医療機関への搬送をした件数としては、平成25年の6月から平成26年の12月までに6,900件余りとなっております。実際に東部地域の病院ですと、2次救急の輪番病院でなかなか専門的な医療に対応できない場合に、ほかの圏域の病院が対応すると――そういうメリットの中でこのシステムが運用されているわけなんですが――そういう状況の中で実際に当番でない医療機関がシステムで受け入れたのが、406件あるというデータをいただいております。
 地域医療再生基金を活用した事業としては今年度までになっておりますけれど、来年度以降は地域の中で引き続き運用が図られると伺っております。

○鈴木(智)委員
 具体的にどれぐらい搬送時間が短縮したかというのは、多分これからかなと思うんですけど、先ほどの話ですと当番外の病院が半年ほどで406件受け入れたということですが、これはこのシステムを入れたことによる前向きな効果ということでよろしいんでしょうか。

○竹内地域医療課長
 この効果について、なかなか即座に評価は難しいところがあると思いますけれども、輪番でない病院が実際に受け入れ先としてすぐに見つかったという点で、救急の搬送時間短縮という点では一定の効果があると考えております。
 一方で、全県の状況について御説明を申し上げますと、静岡県は消防と医療機関、行政とが連携するメディカルコントロール体制ということで、救急の搬送についての協議会を設けてございます。もう既に長い間検討がなされているわけなんですけれども、昨年の1月から6月末までの直近の半年間、実際に救急の搬送件数は県内で6万4475件ございます。そういう中で、医療機関の受け入れの照会に30分以上を要した症例はわずか102件で、大体0.16%。また照会回数が6回以上必要だったケースはわずか126件、0.2%です。本県は初期、2次、3次と体系的な救急体制をとっているわけでございますけれども、駿東地区のシステムも1つの地域の実情に応じた工夫と考えており、他県では搬送回数が多かったり、たらい回しで亡くなったような不幸なケースもあると伺っておりますけれど、本県の場合は、先ほど申し上げた形で非常にスムーズな受け入れが進んでいると考えております。

○鈴木(智)委員
 一言で言えば、救急搬送支援システムを入れなくても大丈夫だということかもしれませんけど、ただ、以前いただいた数字によりますと、収容するまでの平均所要時間が平成21年には33.6分だったのが、平成25年では36.4分と2.8分延びていて、恐らくまだまだ続く傾向にあるのかなと。1秒、10秒でも短くすることが患者さんの命を救うことにつながるわけです。まだ具体的な数字は出てこないかもしれませんけど、この駿豆地区におきましては効果があらわれているわけですし、他県も既にこういった仕組みが導入されつつあるわけですから、静岡県もぜひこの駿豆地域だけではなくて、県全体で導入をまず検討すべきじゃないかと思うんですけど、その点はいかがでしょうか。

○竹内地域医療課長
 県全体の救急受け入れ搬送の検討につきましては、先ほど申し上げたメディカルコントロール協議会がございまして、原則として2次医療圏ごとに地域メディカルコントロール協議会が設置されております。そのような中で、7番委員から御指摘があったような搬送の時間、あるいは照会の時間、先ほど御説明申し上げた照会回数で多かった場合にはどのような問題点があるのかについて毎年検討を行っていただいておりまして、問題のあるケースについては県の協議会に上がるようになっております。今年度までに、県の協議会の中で搬送体制、あるいは照会などに問題があった事例はございませんでした。
 今回御紹介いただいたiPad、あるいはスマートフォンなどのIT、ICTを活用したツールも、このような搬送体制の1つの改善の方向とは考えております。ただ、これまでも当番病院で受け入れられない診療科をどうするかは、例えばほかの圏域でも非常に重要な課題になっております。1番目の病院でだめだったら2番目をどうするか、3番目をどうするか。さらに圏域を越えて救命救急センターですとか、ドクターヘリの運用をどうするかをあらかじめ各圏域でもかなり丁寧な議論がこれまでもされている中で、平均しますと先ほど7番委員の御指摘があった33分という数字になります。これは非常に長時間かかったケースに平均値がかなり引っ張られる傾向がありますので、初回、あるいは2回目の照会で受け入れられているという実態が非常に多くを占めておりますので、今7番委員に御指摘いただいたものも参考にしながら、また研究を進めていきたいと考えております。

○鈴木(智)委員
 最近ではそのたらい回しの結果、残念ながらお亡くなりになったという報道がありませんので、幸いにして静岡県内では発生していないのかもしれません。ただ先ほど30分を超える件数がわずか0.数%ですけれどもあるということで、確率から言えば少ないのかもしれませんが、ただそういった場面に当たった御本人、あるいは御家族にとってみれば大変重大な話になりますので、ぜひ前向きに他県の先進事例を、あるいは他県に負けないような事例を取り入れていただくようお願いしたいと思います。

 では次に、子育て支援についてお尋ねしたいと思います。
 これも報道ベースで申しわけないんですけれども、将来の妊娠、出産に備えた卵子の凍結保存について伺いたいと思います。
 これは先日、割と大きく報道されていましたけれども、千葉県浦安市で来年度予算案に、将来の妊娠、出産に備えて卵子を凍結保存する方を支援するための費用を計上したことがございました。このことに関しまして、つい先日ですけれども、日本産科婦人科学会の専門委員会では、女性の健康へのリスクですとか、妊娠率は必ずしも高くないこと等々を問題視しまして、卵子の凍結保存は禁止しませんけれども自治体は推奨するべきでないという見解をまとめたとございました。
 私、全くの素人で申しわけないんですが、もし認識が間違っていれば御訂正いただきたいんですけれども、こうした卵子の凍結保存は、若いうちに卵子を排卵誘発剤を使ってとって冷凍保存するわけですから、これを進めてしまうとむしろ晩婚化につながる可能性もあるのかなと思いますし、これはなかなか議論するのは難しいんですけれども、最近よく日本人の夫婦間における性交渉の頻度の回数もかなり減っていると話もあります。
 要はこの凍結保存は、基本的には実際に子供を産む際には体外受精をして、それを子宮内に戻すということでございますから、人工授精をさらにふやす方向にもなるかと思います。もちろん人工授精そのものを否定するつもりはありませんし、そういったことをやらなくちゃいけない場面もあるのは重々承知をしておりますけれども、いろいろとほかの問題もあると個人的には危惧をしております。この点について、もし県のほうで何か御検討ですとか御見解があればお聞かせください。

○鈴木こども家庭課長
 卵子の凍結保存についてですが、私どもは新聞等で情報を得ているという段階でございます。特に先日の報道では産婦人科学会、それから平成25年度に日本生殖医学会等が医学的適応による未受精卵の卵子組織の凍結保存ガイドラインをつくりまして、それに基づいて医学の場面で対応していると思っております。
 ただ、7番委員の御指摘がありましたとおり、産婦人科学会からそういう手法を用いることによって、かえって出産の年齢が遅くなるとか、もっと遅くてもいいんだという思いが生じることがないわけではないとも考えております。私ども、産婦人科学会の医師といろいろ話をさせてもらったときにも、医師によっては、かなり取り扱い方、対応、考え方が違うので、行政としての方向性を決める段階ではないと考えております。

○鈴木(智)委員
 今お話がありましたとおり、日本生殖医学会はもちろん前向きに捉えているわけでありますし、行政では多分今のところ千葉県浦安市だけかと思いますが、こういった動きが広がっていく可能性もあります。個人的には今の段階では否定的でありますけれども、私の認識不足の部分も当然多々あろうかと思いますので、しっかり今のうちから御検討をして、何らかの見解をいずれ出していただきたいと思います。

 次に、合計特殊出生率と企業子宝率について伺いたいと思います。
 これは、私も何年も前からさんざん議論してきたんですけれども、平成29年度までに合計特殊出生率2を実現すると目標を掲げることについて、私はどちらかというと否定的な立場であります。そこでまず議論したいんですが、雑誌「中央公論」のことしの3月号で、増田寛也日本創成会議座長との対談の中で、増田座長とともに日本創成会議の人口減少問題検討分科会に参加した白波瀬佐和子東京大学教授が次のように語っているんです。「人口減少問題検討分科会では希望出生率1.8という数字を出しましたが、私は、それをすべきではないと思い、そこだけはどうしても譲れませんでした。公の立場として個人の選択には踏み込めないことを、我々自身も自覚する必要があると思うのです」と意見を言われていまして、私もこれについては全く同感なんですけど、こうした見解についてはどうお考えでしょうか。

○河森こども未来課長
 確かに出産に関することは非常に個人的なことでありまして、そこに行政が踏み込むことは大変難しい問題だと私どもも認識をしております。
 静岡県の合計特殊出生率2といいますのは、今までも説明をいたしておりますように、県民の皆さんにアンケートをとりますと、2人から3人の子供が欲しいというアンケート結果が返ってきております。決して2人の子供を産もうという具体的な強い目標ではなくて、合計特殊出生率2を達成できる社会をつくりたいという目標として掲げているものでございます。

○鈴木(智)委員
 同じ対談の中で、増田寛也日本創成会議座長が次のように述べているんです。「希望出生率1.8という数字にどのような根拠があるかと言えば、直近の出生動向基本調査の、夫婦の理想子供数が平均2.42人、予定子供数が平均2.07人。そこに独身女性の結婚希望率89.4%、理想子供数2.12人などの数字を踏まえて、出していった。でも、アンケートに答えるのと実際との違いは当然あるでしょうし、根拠というものは難しいと正直なところ思いました」と話をされております。
 今、河森こども未来課長が、意識調査をすると子供の希望する数が二、三人とお話しになっていましたけど、これもこの間議論しましたけれども、有効回答率が35%弱で、これは私の勝手な推測ですけれども、回答しなかった方たちの多くが、結婚ですとか出産に対する意識が回答した方たちよりも低い可能性があるわけです。ですから、そういった方も含めた場合、その二、三人という数が減る可能性もあると思っています。増田寛也日本創成会議座長も希望出生率1.8という数字がいわゆる根拠に欠けるのではないかと発言されていましたし、県の場合についてもアンケート結果については35%という大変低い有効回答率なわけですから、もう一度しっかり考え直す必要があると思うんですが、その点はいかがでしょうか。

○河森こども未来課長
 アンケート調査につきましては、前回の厚生委員会で御指摘をいただきまして、これからやり方については、次に実施しますときにはしっかりと考えて検討してまいりたいと思っております。
 ただ、いろいろなデータにつきましては、来年度、少子化突破戦略事業を立ち上げておりまして、その中で合計特殊出生率にかかわる数字、データ的なもの、あるいは地域で子育ての当事者、子育てにかかわっている団体の方たち、あるいは行政の方たちのお話を聞きながら、地域の状況や県民の皆さんの子供を持つことですとか育てることに関する状況を分析して、そしてそれを広く皆様に知らせて、そして結婚や出産、育児にいい影響などを広めていく事業に取り組んでまいりたいと思っております。国の交付金を財源としており、国に現在申請をしている段階でありますので、内容について詳細は詰め切れてはいないんですけれども、現状の数字の把握などにつきましても、きちんとやってまいりたいと考えております。

○鈴木(智)委員
 御案内のとおり、昨年12月に鬼頭宏先生が座長を務めます人口減少問題に関する有識者会議が、知事に対して提言書を出されました。当然目を通されていると思うんですが、その17ページに、生まないことを選択できることもダイバーシティのあらわれとして尊重されるべきであり、出生対策は女性へのプレッシャーにならないよう最大限配慮する必要があると述べられています。
 私もこれは全く同感ですが、具体的にその静岡県の合計特殊出生率2を必ずしも実現することじゃなくて、何とか希望の子供の数が生まれるようにという意思のあらわれという説明は以前からいただいておるんですけれども、ただ合計特殊出生率2の実現を目標と掲げている中で、こういった配慮をすることは難しいと思ってしまうんですけど、この提言書にありますようにいわゆる多様性。少なくとも結婚しない、結婚したけど子供を産まない選択をした女性が快適に過ごせる社会は当然必要だと思うんですけど、その点についてはどのような配慮を具体的にされているんでしょうか。

○河森こども未来課長
 当然、人々の生き方は尊重されるべきものでありますので、行政として必ず結婚すべし、子供を産むべしという施策は一切いたしておりません。
 私どもの業務におきましては、結婚したいと希望する人が結婚できるように、あるいは子供を産みたいと希望している人がその希望をかなえることができるように、そして子育てをしながら仕事をしたいとか自分のライフスタイルの中で子供を持つという希望をかなえるために、何かもし差しさわりのある部分があるのであれば、それを取り除いていくことが私ども行政の仕事だと思っております。

○鈴木(智)委員
 今までの議論の関連で企業子宝率について質問したいと思います。
 先日、企業子宝率が高い企業8社を県として表彰したという記事が出ておりました。今までの議論とかかわってくるんですけれども、その企業子宝率の高さを余りにも掲げ過ぎますと、例えばその会社内にいる独身女性、あるいは結婚しているけれども子供がいない、あるいは子供はいるけれども1人だけしかいない女性、さらにはLGBTと言われる性的マイノリティーの方々に対して、企業子宝率について表彰することはプレッシャーや不快感を与えることにつながらないかと危惧するわけですけれども、その点についてはいかがでしょうか。

○河森こども未来課長
 企業子宝率は、働きながら子供を産み育てることができる環境を持った会社であるということ、そういう会社の取り組みを皆さんに知っていただくのが目的の事業でございます。ですので、7番委員がおっしゃられましたように、もしかしたら会社の中で企業子宝率がクローズアップされていくことで、嫌だなと思う方がいらっしゃるとすれば、そこは事業の目的をきちんと御説明をして、これは子供を持つことを推奨している事業ではなく、あなたのお勤めしている会社が非常に子育てに優しい取り組みをしている会社なのだということを取り上げて、人々に知っていただくための事業なのだときちんと知っていただくような御説明を丹念にしてまいりたいと思っております。

○鈴木(智)委員
 もちろん、私も子育てや出産がしやすい企業にすることには大賛成でありますけれども、合計特殊出生率を掲げ過ぎますと、そうではない選択をされている方が肩身の狭い思いをする可能性があると思うので、そこはしっかり調査をしていただいて、もし何らかの訂正が必要であればしていただきたいと思うんですが、私はむしろ中心に置くべきは合計特殊出生率云々よりも、例えば結婚、出産の選択の有無にかかわらず重要であると思うのが、ワーク・ライフ・バランスだと思うんです。
 例えば、結婚していない独身の方でも、やっぱり自分の個人の趣味をいろいろしたいというと当然時間が必要になるわけですし、結婚して子供を産む際には、男性だろうが女性であろうがしっかり産休がとれる、育休がとれる、あるいは時短として働ける。そういった意味も含めてトータルでワーク・ライフ・バランスを推進することが重要な話なわけです。
 それは経済産業部の所管かもしれませんので、健康福祉部でお答えできる範囲で結構なんですが、一言で言えば独身でも、結婚して出産しても、家庭と仕事が十分に両立できる社会を実現することこそが、このダイバーシティにつながるんだと思うんですけど、その点はいかがでしょうか。

○河森こども未来課長
 7番委員の御意見には、私も大変同感でございます。ワーク・ライフ・バランスをきちんと達成できる企業が非常に望ましいことでありますし、この企業子宝率の調査をやっていく中で、各企業に訪問させていただいております。そして、どんな取り組みをしているのか聞かせていただいているんですけど、この企業訪問には経済産業部、あるいは経営管理部など、全庁的に少子化対策にかかわっている関連の部局には一緒に参加をしていただいています。そういった中で聞かせていただいているさまざまな事例は、必ずしも子育てだけに優しいことではなくて、普通の人たちの生活、例えば介護の必要な方にとっても、また御自身が病気、例えば通院するときにも優しいことにつながっているわけです。ですので、私のところでは企業子宝率という形で子育て支援ということをクローズアップしてお示しをしていますけれども、その会社にお勤めの方はきっとワーク・ライフ・バランスもきちんとできる会社だろうと思っております。ですので、今御意見をいただきましたけれども、そういった部分も含めてまた紹介できる形にできればと思っております。

○鈴木(智)委員
 河森こども未来課長がおっしゃったことは私もそのとおりだと思います。これから介護――先ほども議論がありましたけれども――需要は高まっているけど、なかなかその施設が足りない、あるいはその介護をする人材が少ないということで、働きながら介護を続ける体制をこれからますます充実させていく中で、行政でやる部分もありますけれども、介護が必要だから時短でやらせていただく、あるいは週休3日、4日にしていただくなど企業でワーク・ライフ・バランスを推進することが、結果的に合計特殊出生率を上げることに恐らくつながりますし、介護を行政に頼らず自分らでやることにも恐らくつながると思いますので、そこはトータルの面でやっていただければなと思いますので、ぜひよろしくお願いします。

 次に、長期の地方人口ビジョン作成に向けた調査等々について伺いたいと思います。
 2月17日に開催されました静岡県まち・ひと・しごと創生本部会議の資料をいただいて見たんですけれども、ことしの10月に2060年までの長期期間を対象とした地方人口ビジョンを作成することとしています。この地方人口ビジョンでは、人口の現状分析と人口の将来展望について記載することとなっておりまして、現状分析は具体的に人口変化が地域の将来に与える影響の分析、考察。人口の将来展望では、目指すべき方向性の仮定値を置き、人口等展望ということを書くようになっております。これはなかなか大変な作業だと思うんですけど、10月ですからあと半年ぐらいしかないんですけれども、当然のことながら、今後合計特殊出生率がどうなっていくかシナリオを書いていくことと思います。そこは非常に重要なこととなると思うので伺いたいと思います。
 これも以前指摘させていただきましたけれども、よく合計特殊出生率2の話をすると出てくるのが、例えば裾野市ですとか長泉町は1.8程度の合計特殊出生率を記録しているということです。ほかも頑張れば大丈夫ではないかという話になりがちなんですが、これも以前お願いをしましたけれども、なぜ長泉町とか裾野市の合計特殊出生率が高いのかをより緻密に分析することが、これから皆様が書かれます根拠のある地方人口ビジョン作成につながると思うんですが、その点はいかがでしょうか。

○河森こども未来課長
 長泉町ですとか裾野市の取り組みにつきましては、それぞれ個別に取り組み状況を調べまして、どういった取り組みをしているのかについては、一応把握しています。2つの市町は立地や交通の便がいいですとか、企業の数が多いですとか、子育ての環境以外にもかなり有利な環境にあると思います。
 ただ、同じような環境にありましても、必ずしもそれが合計特殊出生率に反映されているかというと、そうではないところもございまして、県内35市町につきまして、一体どういったことが合計特殊出生率に影響しているのか分析が必要だと思っておりますが、今はいろいろデータを調べているところまででありまして、分析がまだ十分にできていない状況にございます。ですので、先ほど少し御紹介いたしましたけれども、来年度は少子化突破事業の中で、分析も含めて取り組んでまいりたいと思っております。

○鈴木(智)委員
 この分析については、私も専門家ではありませんのでどういった方法がふさわしいかわかりませんけれど、これはこの間も指摘しました。裾野市、長泉町をコーホート分析しますと、これから結婚、出産しようという世代の人たちが、どうも他の市町から流入している可能性が高いことになっております。ですからこの間も指摘しましたけど、裾野市、あるいは長泉町のやっていることを、例えば他の市町がやったからといって、合計特殊出生率が上がることにはつながらない。企業立地とか、政策はまねできても、立地条件等はまねできない部分もありますから、同じような政策をしたからといって、他の市町が裾野市や長泉町のようになるとは限りません。
 あと、そもそも長泉町や裾野市の合計特殊出生率が高い理由の1つは、先ほど申し上げましたけれども、もともと結婚や出産に意識が高くて、企業立地やさまざまな子育て支援を見た結果、長泉町、裾野市に引っ越したほうが理想的な子育てができるから他の市町から流入している可能性があるわけです。そこをしっかり分析していただきたいと思います。というのは、各市町が同じことをやったとしても、結果的には静岡県をならすとプラスマイナスゼロだったという可能性も当然あり得るわけですから、しっかりと分析をしていただきたいと思います。

 そして同じくこの人口減少問題に関する有識者会議の資料に出てくるんですけれども――皆さんお手元にはないかもしれませんが――41ページに年齢別合計特殊出生率の推移がございます。平成10年が全体では1.4だったのが、平成25年は1.53になっているということで、おもしろいと思ったのは、これは各5歳階級別に出ているんです。トータルでは上がっていますけど、例えば15歳から24歳については――これはまさにいわゆる晩婚化を象徴しているわけですけれども――15歳から19歳は平成15年から25年の変化幅がマイナス0.0084、20歳から24歳についてはマイナス0.0286と15歳から24歳については全体では上がっていますけれども、合計特殊出生率は下がっています。
 そして、もう1つ注目すべきポイントは、この15歳から49歳までで合計特殊出生率の一番高いところ、つまり出産のピークがどこかというと、平成10年から20年までは25歳から29歳までが最も合計特殊出生率が高い値になっています。ただ直近の平成25年になりますと、25歳から29歳より5歳上がりまして、30歳から34歳が出生のピークとなっているわけであります。
 これも素人考えで申しわけないんですけれども、この傾向が続くとなると、もしかすると何年かすると出生のピークがもう5歳上がって、35歳から39歳になる可能性もないわけではない。しかも15歳から24歳はだんだん合計特殊出生率は上がっていますから、今現在では幸いにも合計特殊出生率が上がっていますけど、もしかするとこの傾向がそのまま続くと、これは素人考えですからしっかり分析していただきたいんですけれども、どこかをピークにまた合計特殊出生率が下がる可能性があるんじゃないか。というのは、最近合計特殊出生率が上がっている理由の1つとしては、いわゆる団塊世代ジュニアの方が40代を目前にして、駆け込み出産をしている影響もあるように聞いていますので、やっぱり分析する必要があると思うんですが、その点はいかがでしょうか。

○河森こども未来課長
 確かに現在、各年齢階級別の合計特殊出生率と出生数も、30歳から34歳が一番ピークになっておりまして、ただ、その下の年齢は人口そのものも少なくなっておりますので、今後それが回復して若い年代にピークを持っていくのは、なかなか難しいことだろうと思っております。そしてまた、現在医療技術などの進歩によりまして、30代後半から40代の出生数の部分で40歳以上で非常に出生数も伸びている状況がございます。ですので、全体に子供を産む年齢の高齢化は事実としてございます。
 ただ、これにつきまして歯どめがかかるかどうかなかなか難しいところではありますけれども、とにかく若い方たちに、体は老化いたしますので、老化する前にやはり出産の適齢期が体にはあると思いますから、そのことについて正しい知識を持っていただくことが非常に重要なことだと思っております。今年度、高校生と大学生向けに、そういった知識を持っていただく事業を展開しましたけれども、若い世代に正しい知識を持って、自分の人生をどのような形で設計していくのか考えていただくことが非常に重要なことではないかと思っておりまして、来年度もそういったことも含めた事業に取り組んでまいる考えでおります。

○鈴木(智)委員
 先ほどの卵子凍結保存にもかかわる話ですが、おっしゃるとおり、やはりなるべく若いうちに産んでいただいくのが母子とも健康面でもいいわけですから、そこはぜひお願いします。あと繰り返し申し上げますけど、残り半年で地方人口ビジョンをまとめることになっているわけです。これは大変な作業だと思いますので、ぜひ専門家の方にも入っていただいて、きっちりとした――もちろんこれだという1つの方向性は多分決められないと思いますが――幾つかのシナリオを描いていただいて、より根拠のある地方人口ビジョンを書いていただきたいと思います。

 それと、今回いただいた主要事業概要をぱらぱら見ていたんですけれども、成果指標がいろいろ出ているんですが、いわゆる少子化対策が幾つかありますけど、その成果指標が専ら自分が住んでいるまちが子供を産み、育てやすいところと感じている人の割合だけになっているんです。1つ疑問なのが、平成29年度までに合計特殊出生率2を目標に掲げているのに、その出生率の上がった、下がったがなぜ成果指標に入っていないのかという疑問が1点。
 あともう1点、これをずっと見ていて気づいたんですけど、自分が住んでいるまちが子供を産み、育てやすいところと感じる割合が成果指標のあちこちで使われているんですが、たまたまですかね。主要事業概要26ページには、平成26年見込みの速報値53.3%と書かれているんです。ほかはこれが書かれていないんですけど、この意味がちょっとよくわからないんですが、まずそれを教えていただきたい。
 速報値ですから若干修正されるかもしれませんけど、平成25年度の実績は57.2%ですから、これは下がっていることになるんです。ということはどういうことかというと、その下に自己評価で、活動指標は成果指標進捗へ寄与しているかとあり、寄与はしていると思いますけど、少なくともこの速報値が正しいとなると、前年に比べれば下がっている。もちろんこれはさまざまな事業の結果ですから、どれ1つとはなかなか特定はできないと思うんですけど、少なくともこの速報値が正しいのであれば、残念ながら下がっているという話になります。ここだけ速報値が出ている理由等についてお伺いしたいんですけれども、御説明をお願いします。

○河森こども未来課長
 申しわけございません。主要事業概要の26ページだけ速報を記入したのは、理由というのはございませんで、ここだけ担当が記入してしまったということです。
 この平成26年度の速報値とは、平成26年度に実施いたしました県政世論調査の結果の数字が53.3%でございまして、その数字を記載してございます。この自分の住んでいるまちが子供を産み、育てやすいところと感じている人の割合は、合計特殊出生率2とともに総合計画の指標として使っているものでございまして、いずれもが目標となるべきものですけれども、主要事業概要につきましては、それぞれの事業の特性に応じ、指標を使っております。

○鈴木(智)委員
 この速報値は間違いない数字だということなんですけど、下がっている点についてはどのようにお考えでしょうか。

○河森こども未来課長
 どうして下がったかという分析、なかなか難しくてできてはおりません。ただ、私どもこの状況をきちんと受けとめまして、この数字を上げていくべく業務に取り組んでまいりたいと思っております。

○鈴木(智)委員
 もちろん、さまざまな事業の結果ですから、どれがというピンポイントで分析はできないと思います。ただ子供の育てやすい静岡県をつくることが、人口減少をとめるには重要な話になってくると思いますので、ぜひここはしっかりと分析をしていただいて、地方人口ビジョンに反映させていただきたいと思いますのでよろしくお願いします。

 それでは、残りの時間を使って自殺対策について何点かお尋ねしたいと思います。
 これも今までに何度か御質問してきた、いわゆる富士モデルについてでございます。これをなぜ何度も何度も確認するかといいますと、富士モデルは、国がかなり大々的に宣伝をした事業だったはずなんですけど、それが知らぬ間に消えてしまった印象を持っています。
 そこで改めて確認したいんですけれども、富士モデルの位置づけは今、県においてどうなっているんでしょうか。例えばモデル事業としては終了したと。ただ、効果があったので別の形として何らかの事業に継続されているのか、あるいはいろいろ問題があったので富士モデル事業は完全にはなくなったけれども、例えばゲートキーパー等々、別の事業で行っているということなのか。そこをちょっとはっきりさせていただく必要があるかと思いますけど、その点についてまずお答えください。

○小林精神保健福祉室長
 富士モデルについては平成18年度から取り組んできたところですけれども、富士モデルという形で表に事業名としては出してはいません。テレビのCMとかを使った睡眠キャンペーンについてはもう既に終わっておりますけれども、一般医から精神科医への紹介システムは今のところ継続して行っているところであります。
 この富士モデルの効果の検証につきましては、今現在、久留米大学にお願いをして、その結果についてまとめているところでございます。富士モデルに関して、自殺対策として明確に自殺者数の減とか自殺予防に効果があったかについては、この富士モデルだけを取り出して、それが原因で自殺の増減にどのぐらいの効果があったかは、明確に申し上げられないのが今の状況であります。
 ただ、睡眠に対して、不眠と鬱は関係性が深いことがありますので、睡眠の重要性については引き続きいろんな形で訴えているところであります。先ほど申しましたように、システムについては継続してデータをとっているところであります。

○鈴木(智)委員
 その検証につきましては、昨年の決算特別委員会厚生分科会でも質問させていただきまして、そのときの答弁ですと平成25年度中にまとめる予定でしたけれども、久留米大学から1年延長してくれということで平成26年度中にまとめると。平成26年度が間もなく終わりますから、まとまるんだろうと思いますけど、その考えでよろしいですか。

○小林精神保健福祉室長
 平成26年度も3月に入っておりますので、なるべく早い段階でまとめていただくことをお願いしています。

○鈴木(智)委員
 先月2月14日に、平成26年度静岡県かかりつけ医うつ病対応力向上研修が浜松市で行われまして、先ほど御紹介のあった久留米大学の方が、この富士モデルの検証結果の中間報告をされたと伺っているんですけど、それはどういった中身だったんでしょうか。

○小林精神保健福祉室長
 これにつきましては、鬱病の要因に関する研究を行っていただいておりまして、どういう要因があるのか分析を内科の診療所の患者の方々と内科の診療所に協力をいただいて、どういう要因で鬱になったのかを調べていただいておりまして、不眠についても分析をして今それをまとめていただいている状況です。

○鈴木(智)委員
 では、それも踏まえた検証結果が間もなくまとまって、来年度のいつごろ発表されるんですか。

○小林精神保健福祉室長
 明確にいつまでとは現段階では申し上げられませんけれども、なるべく早くまとめて報告をしたいと考えております。

○鈴木(智)委員
 あと、この検証結果は久留米大学の方がやっているということですけど、その中に内村直尚医師も入っているんですか。

○小林精神保健福祉室長
 内村医師にも入っていただいています。

○鈴木(智)委員
 今回のこの検証結果は当然客観的でなければいけないと思うんですが、ただ内村医師は製薬会社から講師謝金ですとか監修料で1000万円を超える金額を受け取っていると指摘されておりますけど、この点については確認されておりますでしょうか。

○小林精神保健福祉室長
 そのようなお話も伺ってはおりますけれども、それが自殺対策に影響するとは考えておりません。

○鈴木(智)委員
 なぜこんなことを言うかといいますと、富士モデルの問題の1つとして言われているのが、結局鬱だからかかりつけ医から直ちに精神科医の方を紹介していただいて、そこからすぐに多剤投与が長期間続く。つまりはさまざまな種類の薬をたくさん投与した結果、それがかえって自殺を防ぐよりは自殺につながっているケースがあるんじゃないかという疑問点が幾つか上がってきているわけです。その中で、癒着とは言いませんけど、製薬会社とつながりの深い方がこの検証結果に入ることは、やや客観性に欠けると思うんですけど、全く問題ないということでよろしいですね。

○小林精神保健福祉室長
 その点に関して、製薬会社からお金をいただいているということで、その研究成果がゆがめられることはないと考えております。

○鈴木(智)委員
 間もなく時間ですので、最後に1点だけお尋ねしたいんですけど、今も若干申し上げました、向精神薬、抗鬱病薬、あるいは睡眠薬等々の副作用が薬によってはかなり強いものがあると。色んな種類の薬が投与されてたり、あるいはいろんな種類のものが大量に投与された結果、先ほども若干申し上げましたけれども自殺につながっている可能性があるケースがあると。それが病院だけではなくて児童養護施設等々でも――先日もどこかの新聞に出ていたと思いますが――行われているという調査結果も出ております。ですから、これは同じような話が静岡県内でもあるかと思うんですけど、こういった多剤処方の問題、長期処方の問題、あるいはそれに伴う副作用等々の問題について、県はどのように把握をしているのか。あるいはどのように指導をされているのか、最後にお尋ねしたいと思います。

○小林精神保健福祉室長
 いわゆる向精神薬等につきましては、当然副作用等もあり、我が国の場合多剤投与が問題とされていることはありまして、国で平成22年に、向精神薬等の過量服薬を背景とする自殺についてという、各都道府県に対して管下の医療機関に過量服薬について注意するよう通知が出ておりまして、県はこの通知を各医療機関に周知をしたところであります。国もこれを受けまして、精神病薬のさまざまな減量法のガイドラインを出して、なるべく多剤投与にならない、それから薬物療法だけに頼らない、薬物療法以外の療法もとるように進めてきております。もう既に注意は喚起したところでありますけれども、必要に応じて薬だけに頼らない形での精神療法につきましても、普及啓発をしたいと考えております。

○鈴木(智)委員
 では注意喚起もしているし、その効果は出てきている。つまりは投与量も薬の種類もだんだん減っているということでよろしいのかということと、あと児童養護施設でも使われる場合が多いというのを聞いてびっくりしたんですけど、児童養護施設でもそういった状況は改善されているということでよろしいですか。

○小林精神保健福祉室長
 今現在、国から通知が出されて以降、どのように投与が減っているかについて具体的なデータを持っておりませんので、その部分についてはここでお答えすることが現状ではできない状況です。
 また、児童養護施設の状況については、当室では把握をしておりませんので、ちょっとお答えができないというところです。

○鈴木(智)委員
 児童養護施設担当の方、いかがでしょうか。

○鈴木こども家庭課長
 児童養護施設に入っているお子さんが精神科に通院をしている状況は、私どもも認識しております。ドクターの助言等がないと、なかなかやっていけない状況になっていると伺っておりますが、特に薬の量が多いことで、大きな問題になったことは伺っておりません。ただ、常時お医者さんが施設にいるわけじゃないものですから、服薬管理は、職員としてはなかなか大変だと話は伺っているところでございます。

○鈴木(智)委員
 これで終わりにしますが、後ほどで結構ですので、病院と児童養護施設を含めて投与の状況ですとか、またデータをいただきたいと思います。
 ありがとうございました。終わります。

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