○鈴木(智)委員
大石さん、児玉さん、ありがとうございます。
お二方のような若い方が地域活性化のために御努力されていることは非常に頼もしく思いますし、ありがたく思います。
ただ私、婚活そのものはいいことだと思うんですが、正直言いまして、行政が税金を使って婚活に取り組むというのは、若干私、疑問を感じている部分があるもんですから、基本的な質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
まず最後の33ページのところなんですけれども、少子高齢化、確かにいろいろマイナスの問題が多いと思うんですが、少子高齢化というのはマイナス面ばかりだとお考えでしょうか。まずお答えください。
○児玉絵美氏
私はやはりマイナスだというふうに考えております。先ほど冒頭で御説明いたしました「こどもわくワーク」という取り組みなんかもやっているんですけれども、子供が少なくなって、そうしますと地域の中で、島田市の中で、そこで生きていこうとか、そこで働こうとかということというのは、子供が少なくなってきて、地方がどんどん疲弊していくと、どんどん都市部に集中していく可能性のほうが高いと思っております。こういう中規模の町では、もう本当に子供がどんどんいなくなって全国的に、取り合ってしまう。そうするとどんどん都市部に流れていってしまうよねということが考えられると思っておりますので、やはり日本全体ですけれども、それぞれの県ごとの特色を持って、その県で子供を産みたいよねというふうな形で少子高齢化の解決をやっていくというところは、とても重要なことだというふうに考えております。
○鈴木(智)委員
こういった問題が生じているのは確かに事実だと思うんですが、ただこの少子高齢化というのは残念ながら、今からどんなに頑張ったとしても、多分数十年はとまらない話なんですね。ではその間どうすればいいか。つまり、子供がふえない限り解決しないとありますけれども、しばらくはどんなに頑張っても子供はふえないわけです。というのは、釈迦に説法ですけれども、出生率が上がったところで若い方の人口がもう大幅に既に減ってしまっていますから。どんなに頑張っても、例えば直ちに、いわゆる人口置換水準の2.0になったとしても、子供の数は、若干ふえるかもしれませんけれども、ただ少なくとも人口減をカバーするほどまでには、残念ながら数十年はならないわけですね。この間、問題解決しないからしょうがないと考えるのか、その間、頑張るのか。その間どうするかというのは私、重要だと思うんですけれども、その点についてどうお考えでしょうか。
○大石歩真氏
そうですね。私たちも本当に50年、100年というものがかかっていくと思います。その50年後、100年後に向けて、問題解決というところに向けて取り組みはしていかなければならないというのが大前提だと思っております。
その間というものは、現時点という形になっていると思うんですけれども、まず50年、100年後に向けて、現時点の人たちはちゃんとその意識の共有というものができているんだろうか。50年後、100年後に向けて、その意識を共有させていくというものが大前提で、必要だというふうに考えています。現時点でのその構造をただしていくという点では、正直答えというものがわからないんですけれども、国際的な関係の中で、そういった海外の方々が日本にもすごくたくさんいますし、そういう方々が日本に根づいてもらうような形なのかなというふうに考えたりもします。我々が地域サイクルというところで見ていくと、外国人の方々が日本の地域というのを知っていくにも、10年、20年というのがかかっているんです。その10年、20年かけていく中で、その地域に対して、外国人の方々とかでもしっかりと愛着を持ってもらえるはずだし、10年、20年後には静岡の地域活動ですとか、静岡県民として一緒に取り組んでいけるような形になっていくと思うので、そういうことが解決策になっていくのかなというふうに思ってもいます。
○鈴木(智)委員
時間が限られていると思いますから、この点についてはぜひ一度改めてとことんお話し合いしたいなと思うんですが、あともう1点、この婚活の必要性として、例えばアンケートにもありますが、例えば出会いが少ない、要は異性の友達が少ないとあるんですが、これというのは例えば我々の世代、あるいはもっと前の世代と比べて出会いが減っている、あるいは異性の友達が減っているということなんですか。その点についてはどう分析されているんでしょうか。
○大石歩真氏
上の世代との年齢の比較というものは出してはいないものですから、何とも言えないんですけれども、肌感覚でもよければ、周りに参加者の方々と話していったりですとか、数字としては出していないんですが、そういった出会いの機会というものは今減っているというふうに感じます。単純な話なんですけれども、今のもっと下の世代、20代とか10代という子たちがいるじゃないですか。それこそ今の大学生の世代だったりとか。我々もNPOの事業なんかを通じて大学生なんかも会ったりはするんですけれども、今の子たちは合コンというものを余りしないんです。とりあえずビールもしないですし、飲み会というのも本当に少ないですし、草食系男子もそうです。なのでやっぱり年々そういった男女が出会うというところを目的とするような場というものは減ってきているのではないのかなというふうに感じています。
○鈴木(智)委員
よく少子化の白書には書いてありますけれども、若者は出会いが減っているという話はよく出てくるんですが、私はそれはおかしいなと思っています。というのは、私、今、45歳ですけれども、学生のころはそれこそまだ携帯が出始めたころで、ましてやフェイスブックみたいなソーシャルネットワークはなかったですから、異性の友達をつくろうと思えば、手紙を渡すか、あるいは、親が出てこないことを祈って頑張って電話するわけです。今の方というのは、さっきおっしゃいましたfacebook、Line、mixiを通じれば、友達の友達とかにすぐに出会える手段をたくさん持ってるわけです。また先ほど学生の話がありましたけれども、私のころに比べれば女性の進学率が高まってますから、異性はその場にすぐいるはずなんです。しかも、若者が一番集まっているところというのは東京だと思うんですが、一番出生率が低いのが東京です。ですから出会いがないのではなくて、先ほどちらっとおっしゃってましたけれども、自分から――さっき合コンが少ないという話もありましたが――自分から積極的に異性の友達を求めようという姿勢がなくなってきていると。ですから、出会いに対して受け身、消極的になっているから、皆さんがやられている婚活に出ることでもう何か満足してしまう。だからそこをやはり変えていく何かをやっていかないと、なかなかこの問題というのは解決しないと思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。
○児玉絵美氏
今おっしゃるとおりでして、私どもNPO、先ほども事例で紹介したんですけれども、やはり親御さんからの応募があるとかというところが、本当に如実にあらわしていると思います。ソーシャルネットワークですとか、そういう出会いの場というのは、私どもの若いころに比べては非常に多いにもかかわらず、やはり性格的に非常に消極的な、―主に男性です―がNPOというような安心感のある婚活イベントに参加をしてくるという傾向は非常に高いというふうに考えられます。やはり私どもも婚活イベントを開催しているだけではだめで、今、委員もおっしゃったとおり、男性力、女性力というものを高めることを一緒に両輪でやっていかないと、参加しただけでは成果は得られないというふうに考えておりまして、今年度は牧之原市さんと一緒に、男子力、女子力を向上できるような講座と絡めた出会いの場の創出というものは行っていきますので、またそちらのほうの結果のほうもぜひお伝えできる機会があればというふうに思っております。
○池谷委員長
時間も限られているので。
○鈴木(智)委員
最後に1点だけ。
先ほど、前向きになれるロールモデルづくりとあるんですが、一番身近なモデルというのは多分両親であるはずなんです。ただ、その両親が残念ながら、私の両親もそうでしたけれども、仕事が忙しいのでなかなか子供の面倒を見ないと。そういうのを見てるものだから、やっぱり結婚に対する憧れだとか思いというのは多分薄れてくる部分もあるかと思うんです。
ですから私が、非常にいいなと思ったのは、このワーク・ライフ・バランスのこともやられているということなんですが、これはかなり企業さんにも理解はしていただけているんですか。そういったワーク・ライフ・バランスが崩れているからなかなか結婚に結びつかないんだよということだと思います。その辺だけ最後、ご意見をお願いします。
○大石歩真氏
ワーク・ライフ・バランスも日本を挙げての課題というふうにはなっていると思うんですけれども、企業側の意識というものは、静岡県内においてはまだやっぱり東京と比べて非常に低いです。それは静岡の会社の中で、製造業ですとか流通業というところも静岡県内というのは非常に多いものですから、そういうところはなかなかお休みをとるという感覚も難しいというふうに言えます。
少子化対策というところとワーク・ライフ・バランスを結合して考えていくというところに関しても、企業側としてはなかなか意識は低いとは思うんですけれども、ただ企業として唯一正式な理由として休みを進めていくよというのは、子供のことだとか、子供の通院だったり、子供の授業参観があるよ、子供と出かけるんだよというのがあると、企業さんというのは、会社としてもお休みを奨励するという形が見てとることができます。それは私たちも昨年も調査をしてそういった結果が出ているのですけれども、そういう意味で子供というところを核にして企業のワーク・ライフ・バランスと少子化対策というところをつなげていくという方法はあるのかなというふうに感じております。
○児玉絵美氏
補足させていただきます。
ワーク・ライフ・バランスも先ほどの婚活に参加するだけで終わってしまうよということと全く同じことが言えると思っておりまして、企業の訪問を50社ほどやっているんですけれども、その中で事業主の方がよくおっしゃるのは、若い独身の男性職員が休みをとってもやることがないので休まないという男性職員が多いという声も実際によく聞かれます。その辺もやはり、有給のそういう企業の仕組みをつくっただけではだめということで、やはり若い男女、男性なのかちょっとわからないですけれども、その辺の余暇の過ごし方のほうもきちんと調べた上で、そちらを出会いにつなげられるようなところを一緒にやっていくということが非常に効果的かなというふうに思っております。