サイトアイコン 前静岡県議会議員すずきさとる新聞『すずしん』web版

人口減少対策特別委員会議事録(平成26年8月8日)

○鈴木(智)委員
 ふじのくに県議団の鈴木智でございます。
 私は主に企画広報部、健康福祉部のほうに、基本的なことについて質問したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず企画広報部なんですが、ただいま御説明がありましたこの有識者会議ですね、この点について何点か質問したいんですが、まずそもそもこの有識者会議での提言というのは、具体的にどのような内容を期待しているのか、あるいはその提言というものは、例えば総合計画よりさらに上に位置づけられるものかどうか、その辺のところをまず御説明ください。

○増田企画課長
 有識者会議の提言でございますが、大きく2つございまして、まずは人口減少を抑制していくという戦略、それからもう1つは、今後、人口減少が向こう数十年は続いていくということはある程度言われているところでございますので、そういったところに適応していくという適応戦略、その2つの観点から、短期、中長期両面から施策、戦略を構築し、提言をいただきたいと考えているところでございます。
 総合計画は長期の計画とはいいましても、これは4年間の計画でございます。人口減少につきましてはさらに長い、20年、30年先を見据えた長期的な視点も持った施策ということで構築してまいりたいと考えております。以上でございます。

○池谷委員長
 質問方式は一問一答方式でいいですか。

○鈴木(智)委員
 一問一答方式でお願いします。
 では、総合計画はあくまでも4年ですけれども、その提言は中長期、20年、30年の部分も含むということですから、ある種、総合計画の上に位置づけられるものなのかなと理解しますけれども、例えば、この有識者会議の委員にもなっています増田先生が、日本創成会議の提言書の中で、これは私、一般質問の中でも取り上げましたけれども、国もそうですが、地方のほうも20年、30年、戦略ですとかビジョンをつくるべきだというお話をされてましたけれども、この有識者会議の中で、そのビジョンも具体的に示されるということでよろしいのでしょうか。

○増田企画課長
 有識者会議の中では、これから何度か回数を重ねまして、年内を目途に短期、中長期の両面からの政策の提言をいただくということで考えているところでございます。この提言を踏まえまして、県としての先ほど言った抑制戦略、あるいは適応戦略という施策を県として構築していくということで進めてまいりたいと考えております。以上でございます。

○鈴木(智)委員
 もちろん提言の具体的な中身はこれからだと思うんですが、今の話を聞きますと、具体的な戦略ビジョンというのは、今回の提言を受けて、来年度以降、県のほうで作成すると、そういった考え方でよろしいんでしょうか。

○増田企画課長
 年内を目途に、有識者の方から提言をいただきました後に、これも年明け、可能な限り早いタイミングで県の施策を固め、つくり上げまして、年度内を目途にそれを受けて県民会議というものの立ち上げにつなげてまいりたいと考えております。しかしながら、今回、県の施策を取りまとめてまいりますが、国のほうも今、人口減少対策に本腰を入れて検討に着手したところでございまして、とりあえず年明け、しかるべきタイミングで県の施策は取りまとめますが、その後も新しい知見、あるいは新しい動きというものがどんどん出てくるものと考えておりますので、一度つくったからこれでもう完璧なもので終わりということにはならないだろうということは思っておりまして、来年度以降も県民会議を継続的に開催する中で、この施策の充実というものについては継続的に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。以上でございます。

○鈴木(智)委員
 もちろんこれは非常に大事な問題ですから、急がなくてはいけない部分もありつつも、ただ今の説明ですとか、あるいはこの今後の日程を見ますと、結局この有識者会議というのは3回しか行われないのですが、この3回でどれだけのものができるかというのは、私、非常にある種疑問を持っている部分があるんです。何で3回だけなのでしょうか。

○増田企画課長
 有識者会議でございますが、ただいまの予定では3回でまとめ上げるという計画を持っているわけでございますが、年内に提言をいただきました後に、それを踏まえて県としての政策をできる限り、可能な限り早く構築したいということ、また当然必要なものについては、来年度予算というものにも反映はしていかなければならない。また県としての施策を構築した後に、年度内を目途に何とか県内の各界、各層の代表者で構成する県民会議を立ち上げまして、年度内を目途に推進体制を整えたいという思いからでございます。
 当然、人口減少というのが喫緊の対策でございますので、我々としてはスピード感を持って対応していかなければいけないという思いでそうした形をとっております。
 3回で本当にまとめられるのかという御指摘でございますが、大変お忙しい委員の先生方でありますので、鬼頭座長等ともその点に関しましては事前に十分、協議をしているところでございます。全員集まる回数はある程度効率的にやっていかなければいけないということの中で、会議の合間にも我々個別に先生方のところに足を頻繁に運びまして、個別の意見を十分汲み上げながら、こういった会議の効率的な運営ができるようにということで、この8月からどんどん進めていくということにしているところでございます。
 また、国におきましても、9月の内閣改造に合わせまして、地方創生本部というものを9月に立ち上げることを予定しておりまして、また国は有識者会議も立ち上げまして、その意見も聞きながら、12月を目途に長期ビジョン、長期戦略というものを年内目途につくり上げていくという流れもございますので、本県としましてもおくれをとることがないように、そういったスケジュール感を持って可能な限り前倒しで取り組んでまいりたいということでございます。以上でございます。

○鈴木(智)委員
 単純に回数が多ければいいというものではありませんが、ただこれはやはり、今年やって来年すぐ成果が出るものでもありませんので、じっくりやるべきところは当然あると思ってるんです。普通、こういう会議というのは、例えば政府もそうですけれども、多分3回で終わるということはなかなかないと思うんですね。実際前回、第1回目、私も傍聴いたしましたけれども、そのときも、10人の委員のうち3人の方が欠席をされておるわけです。増田先生を初めですね。もちろん会議が開かれてないときも、皆さんがやりとりされていると思うんですが、これは本当に県民全員に直接かかわる話ですから、なるべくオープンな形で、ですからこの会議の中だけでなく、会議を開催することによって県全体の議論を盛り上げていく必要があると思うものですから、3回というのはやっぱり少ないと思うんですけど、もう一度御説明をお願いします。

○増田企画課長
 ただいま3回で予定しているところでございますが、委員御指摘のとおり、回数が十分かどうかという議論もあると思いますが、我々としては十分その辺は我々汗かいて、事前の調整を重ねまして、当然県民の皆様がいらっしゃる会議の場では、非常に濃密な効率的な議論が戦わせられるようにということの中で、そこは可能な限り効率的な運営が図られるよう努めていきたいと考えているところでございます。
 また、冒頭申し上げましたとおり、今回3回やって1つの提言をまとめますが、これで終わりということではなく、来年度以降も県民会議を開催してまいりますので、必要に応じて有識者の方もお呼びしてまたいろいろ意見を聞くとか、そういうふうな工夫も重ねながら、施策についてさらなる充実が図られるよう努力してまいりたいと考えているところでございます。以上でございます。

○鈴木(智)委員
 第2回有識者会議は9月から10月の間ということですから、9月議会が開かれる前なのかなと思うんですけど、ただその前提として、8月、これからですよね。第2回人口減少問題対策会議、庁内の会議が開かれるということですから、もうこの段階である程度提言の骨子が出てくるということでよろしいんですか。

○増田企画課長
 第2回の有識者会議でございますが、提言の骨子についてお示しできるように、これから委員のほうと調整をしていきたいということで考えているところでございます。以上でございます。

○鈴木(智)委員
 私が聞いているのは、この庁内の第2回人口減少問題対策会議がこれから間もなく開かれると思うんですが、これに基づいて、多分第2回有識者会議をするということですから、もう間もなく、提言の骨子の骨子が出てくるのかなと思うのですけど、そういう理解でよろしいのですか。

○増田企画課長
 庁内の人口減少対策会議でございますが、これは有識者会議と両面で並行して動いているわけですが、有識者会議はあり方の政策提言を御議論いただくと。また庁内の副知事をトップとする会議、こちらが県としての政策を構築するということで、いわば並行して動いているところでございまして、当然有識者会議の知見もいただきながら練り上げていくということでございます。提言そのものについては、あくまで有識者会議でいただくものでございますので、その辺の議論と並行しながら、県としての施策が構築できるように取り組んでまいりたいと考えているところでございます。以上でございます。

○鈴木(智)委員
 御案内のとおり、県議会でも今、このように対策会議をやっておるんですけれども、先ほど委員長からも御説明があったとおり、我々の提言が年明けですか、まとまるんですけれども、我々の提言というのは、どのような形で反映されるんでしょうか。

○増田企画課長
 先ほど申し上げましたとおり、今年何らかの形をまずは早期にまとめたいということでまとめ上げますが、これで終わりということにはならないと考えておりまして、国のほうの新たな動き、県議会の特別委員会からの御提言、そういったものもいろいろいただけるものと考えていますので、来年度以降も継続してどんどん充実に努めていくという形で反映をしてまいりたいと考えております。以上でございます。

○鈴木(智)委員
 ちょっとこの県民会議についてお尋ねしたいのですが、これを見ますと3月に設立ということですから、これはパブリックコメントの大きい版ではなくて、来年度以降、その県民、オール静岡でやっていくということだと理解しているんですが、このメンバーというのは例えば具体的にどういった方を予定しているんでしょうか。

○増田企画課長
 県民会議でございますが、年度内には立ち上げたいと考えているところでございます。具体的な会議の持ち方、あるいはメンバーというのはこれから議論して固めてまいりたいと考えているわけでございます。これは私のイメージでございますが、あくまでも人口減少対策は、県だけではいけません問題でして、経済界の方、あるいは労働界の方、あるいは教育界の方、当然市町の皆様というのも地域レベルでいろいろ深刻な問題がございます。そういった形の各界、各層の代表の方で構成してまいりたいと考えてございます。具体的なメンバーについては今後精査してまいりたいと考えております。以上でございます。

○鈴木(智)委員
 我々ちょうど年度明けぐらいに選挙を迎えるわけですけれども、例えば我々議員も私は入るべきなのかなと思っているんですが、その点はいかがでしょうか。

○増田企画課長
 メンバー構成については、先ほど言った各界の代表者ということの中で、有識者のような方も入っていただいたほうがいいのか、あるいは今、御提言いただいた議員の先生方というような視点もあろうかと思います。御意見を踏まえまして、今後検討する中で精査をさせていただければと存じます。以上でございます。

○鈴木(智)委員
 冒頭申し上げましたけれども、もちろん急がなくてはいけない部分もありますが、こればっかりはやっぱりもう何十年というスパンで取り組まなくてはいけない問題でありますので、ぜひじっくりやるべきところはじっくりやっていただきたいと思います。
 次に、健康福祉部のほうに幾つか質問したいと思いますが、そもそも論で恐縮なんですが、ただいま理事のほうから、基本的には少子化対策、子育て支援策について御説明ありましたけれども、そもそも少子化対策の目的というのはどのようにお考えですか。

○堀内健康福祉部理事
 少子化対策の目的という御質問でございましたが、今回このような人口減少の委員会が持たれているということは、人口が減少していくということに対して対応しようということだと思われます。その人口が減少していく対応策といたしましては、社会減、それから自然減両方からの対応が必要だと思われますが、そのうち少子化対策は自然減に対する対応だというふうに考えております。ですので、何らかの人口を維持していくことが必要だということで、少子化対策というものがあるのではないかと思っております。以上です。

○鈴木(智)委員
 ちょうど7月22日の有識者会議で、委員の中川先生がおっしゃっていたんですが、私、ここ一度、立ち返って、そもそも人口を、減ってはいけない理由、あるいはこれからできれば多くしなければいけない理由、あるいは何のためにするのかと、確認する必要があると思うんですが、その辺の議論はされているんでしょうか。

○増田企画課長
 今、御指摘いただきましたように、前回の有識者会議の中で、中川委員のほうからそういった議論もあるよという御指摘を受けたところでございます。
 今、我が国が置かれております人口減少の状況は、人口急減かつ超高齢化社会ということでございまして、今後、今の試算ですと、2060年には何もしなければ8000万人余になると、さらに2100年には5000万人を切ると、かなりのスピードで進んでいくということが、急減ということが言われているわけでございます。
 もう一方で、2060年には高齢化率が40%を上回るという超高齢化ということがあるということでございます。これは日本全体の問題でございまして、地方に目を向けますと、大都市への人口集中ということが続いておりますので、地方と大都市の格差、あるいはさらに集落に目を向けますと、もう既に40%を超えている高齢化率のところもあるというところでございます。当然、国のほうもこれから2020年を目途に、今の流れを変えるということで施策を投入して、50年後を目途に1億人程度の人口を目指すというふうなことも言っておりますが、今の段階ですと、女性の構成比とかを見てもある程度止められない部分があると思うのですが、やはりその辺は可能な限り緩和していくように努めていかないと、地域の生活の場でありますとか、そういったことにも脅かすような、これは甚大なる問題であると思いますので、そこは県としても全力を挙げて取り組んでいく必要があると思っています。
 また一方で、これまでの高度成長期につくられたさまざまな制度、仕組み、社会、そういったものについてはある程度変革をやっていかなければいけないような年でもありますので、そういったものも含めた適応戦略というものも両面から検討してまいりたいと考えております。以上でございます。

○鈴木(智)委員
 言い方を変えますけれども、私は少子化対策の目的というのは2つ考えられるのかなと思っています。
 1つは、子供を産みたくても産むことがだんだん難しくなっている、あるいは産んでも育てるのが難しい状況になっているから、それを改善するためにやるという目的もあるんだろうと思います。
 あともう1つは、多分今の議論になると思うのですが、子供が減ると社会的にいろいろ大変だから子供をふやしてもらう。2つの目的があると思うのですが、これはどちらでしょうか。

○堀内健康福祉部理事
 今、8番委員御指摘のとおり、両方の面があるというふうに私も認識しております。以上です。

○鈴木(智)委員
 本当に2つの面であるのであればいいと思うんですが。というのは、前者の目的というのは、これは人口が減ろうがふえようが、当然やらなくてはいけない話なんですね。ただ、後者の目的は、人口の減少が止まる、あるいはふえ過ぎるようなことになると困る場合には、やる必要がなくなってくるんですね。ですからそこを1回整理したいと思うんですけれども。
 厚生委員会でも議論になりましたけれども、そもそもその2017年度までに2.0を今、目標に掲げていますけれども、この意義はどちらなのでしょうか。

○堀内健康福祉部理事
 出生の目標値が2というふうに捉えられているところがあろうかと思いますが、今出ている合計特殊出生率2というのは、そもそも静岡県総合計画の基本構想が、平成23年2月につくられました時に、基本理念のふじのくにの豊かさの実現、その基本理念の1つを実現するための指標として幾つかのものが載っておりまして、例えば静岡県が住み良いところと思っている人の割合を80%というようなことと並びまして、合計特殊出生率2というものを指標として掲げているものでございます。
 ですので、これをそのまま合計特殊出生率2を目指しているということではないんですが、豊かな静岡県、ふじのくにを目指していく上で必要な指標だというふうに認識はしております。以上です。

○鈴木(智)委員
 きょうの資料の最終ページに、誰もが安心して希望する人数の子供を産み育てることができる環境整備とありますが、これを言われるのが、実際希望する数が2~3人だからということで2.0を置いているということなのですが、例えば、出生率2を達成しましたと。今度聞いてみたら、子供を3~4人欲しいと。そういった場合、出生率3を目指すという話にもなりかねないと思うのですが、その辺はいかがでしょうか。

○堀内健康福祉部理事
 過去の事例までは調べることができなかったのですが、1977年の合計特殊出生率が1.80ということで、今よりかなり高い状況でした。この時の出生動向基本調査ですが、理想の子供数2.61、そして2010年、平成22年、合計特殊出生率が1.39の時の理想の子供数が2.42ということで、余り過去にさかのぼれなかったというのはありますけれども、理想の子供数の過去のいろいろな資料を見ましても、5人、6人を理想としていたという事例はなかったように思われます。以上です。

○池谷委員長
 8番委員、もう少し調査目的に沿った形で、整理をして質問をしてください。

○吉川委員
 6月11日の委員会で、私、欠席したのですけれども、読ませていただきまして、結論は人口減少をいかに抑制しようかというその方途について、議論にしていこうということでしょう。だから、人口が減少すれば、国力が低下するとか、そういう議論が一方にあるわけでしょう。国力が低下する、福祉水準を保てないとか、そういう議論をしようというわけではないでしょう。私はそういうふうに理解したのですけれども、本当はそこの議論をしなければならないのですね。人口が減少すれば国力が低下するというのは本当なのかとか、福祉水準を保てないのかとか。例えば、明治のころは4000万人だったのですよ。大正のころは5000万人。昭和24年で8000万人ぐらいなのですね。そういう人口の推移がきて、その時代、時代の国力を維持してきたと、私は思ってるのです。
 ですから、きょう、1億2000万人が1億人を割ったら、果たして日本の国力が維持できるか、できないかといったような議論をここでしようというのではないでしょう。
 人口減少をいかに抑制しようか。だから、今、8番委員が少子化の目的は何だということで聞いたわけでしょう。要するに少子化の目的は、早く言うと国力を維持しなければならないということなのでしょう。その議論をしようというのではないのでしょう。私はそう理解しているのですけれど。

○池谷委員長
 それでいいと思います。
 
○吉川委員
 ですから、8番委員の議論の方向性がおかしいのではないのかなということで。

○池谷委員長
 それでは、議事進行します。

○鈴木(智)委員
 とはいっても、「非婚の原因を調査し」とあるわけですから、そこにも僕はかかわる問題だと思って議論しているのですが、私ばかり時間を使ってもしょうがないので。
 最後に1点だけ、長泉町がよく取り上げられますね。例えば2012年、出生率が1.99ということで。前年が1.8程度でしたから、0.2上がったのだから、長泉町のように他の地域も頑張れば、静岡県全体の出生率が上がるのではないかという話もあるんですけれども、その点、長泉町の出生率が高い背景については、どのように分析されていますでしょうか。

○河森こども未来課長
 長泉町、現在県内の市町の中で一番高い合計特殊出生率、1.82という数字を保っております。長泉町におきましては、さまざまな子育て支援の取り組みを行っておりまして、特に例えばチャイルドシートの購入に支援をするですとか、あるいは認可外保育施設の保育料を助成するといった、非常に子育て世帯の経済に対して直接的に働きかけをするような取り組みをしていると。それから、もちろん働くところが近くにあるということ、それから子育て支援拠点というような、そういった子供を育てる方たちに優しい施設を用意しているということ、こういった取り組みが実を結んでいるのではないかと思うのですけれども、ただ子供を育てる環境に対する取り組みというのは、ほかの市町でもかなり頑張ってやっております。ですので、子供を育てる環境ということ以外に働きやすい環境ですとか、文化だとか、そういったことを身近に感じられる環境といったような住みやすさといったものの総合的な結果ではないかというふうに思っております。以上でございます。

○鈴木(智)委員
 この議論は多分、この委員会でもふさわしい議論かなと思うのですけれども、私、実は先日、コーホート分析というのを習ったものですから、ちょっと分析したのですけれども、長泉町のコーホート分析みたいなのはされたことがありますでしょうか。

○河森こども未来課長
 そういった分析はやっておりません。

○鈴木(智)委員
 では、ぜひやっていただきたいのですが、例えば以前からずっと長泉町に住んでいる若者が、長泉町の政策を受けて結婚や出産や子育てに目覚めたと。その結果、例えば今の高い出生率が実現できているということであれば、単純に言えば、似たような政策を他の自治体がやれば、それが全体的に長泉町のように高まるという話になると思うのですが、コーホート分析すると、必ずしもそうじゃないのだろうと僕は思ってるのですね。というのは、調べましたら、長泉町、2005年から2010年にかけてなんですが、子育ての早い世代ですね。25歳から34歳の方の流入がかなり多いです。どういうことかというと、恐らく長泉町の政策、もちろん働きやすい、あるいは三島からも近いですから、東京にも通勤できると、そういった部分もあると思うのですが、ですから長泉町のいろんな施策を見て、ああここだったら子育てしやすいなということで、もともと結婚し、子育てをしたいという、もともとそういった考えがあった方が近隣、ここはぜひ分析してほしいんですけれども、近隣から長泉町に集まった結果、高い出生率を実現しているのかなと思うのですね。ということは、どういうことかというと、ですから長泉町の施策をそのままやったとしても、もし一部の地域であれば、周りからそういう人が集まるだけの話なので、恐らくその子育て世代の移動が起きるだけの話であって、多分全体の出生率が上がることにはつながらないのだろうと、そういった側面もあるかなと思うんですけれども、そこは分析する必要があると思うのですが、いかがでしょうか。

○堀内健康福祉部理事
 8番委員の御指摘のとおり、私も必ずしも長泉町の子育て支援策だけであそこの合計特殊出生率が上がったというふうには認識しておりません。まだコーホート分析まではしておりませんけれども、そもそもの長泉町の立地とか、あと企業の立地ですね。それとか病院等の立地、さまざまな要因があって、そしてそこに若い世代が移ってきた。その結果だと思っておりますので、今後、御意見を参考にさせていただきながら調査をしてまいりたいと思います。以上です。

○鈴木(智)委員
 これで最後にしますけれども、先ほどの企画課の話に戻ってしまいますけれども、結局、急がなくてはいけない部分も当然ありますが、やはりいま一度立ち返って分析等々しないと、方向性が実は間違ったところにいく、あるいは間違ってはいないけれども非効率的な部分にいく可能性があるものですから、そこはじっくりやっていただきたいと思います。以上です。ありがとうございました。

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