○鈴木(智)委員
民主党・ふじのくに県議団の鈴木智でございます。
大きく2項目で、質問数としては6問になると思いますが、お答えください。
まず、移住・定住の促進について伺いたいと思います。
説明資料では8ページ等々で御説明いただいているのですが、昨年度につきましては600万円余の予算を使ってやられたということです。平成22度はこの“住んでよし”ふじのくに定住促進事業費が192万円余りということで、一見3倍となったのかなと思ってよく見ましたら、去年の資料の下のところに、しずおか農山村交流定住促進事業費というのが434万円余りあるものですから、これは恐らく合体させたのかなと思うんですけど、そういった理解でよろしいのかどうか。そして一緒にしたことによって、どのような効果が平成23年度はあらわれたのか、まずお尋ねしたいと思います。
それと、昨年度の事業について8ページに説明があるわけでございますが、くるま座会議をやったとか、パートナーシップ推進会議をやられたとありますが、こういった会議の中で、どのような意見が出されて、そういった意見はどのように事業に反映されているのか、確認をしたいと思います。
3番目ですが、施策展開表のほうに移りますけれども、5ページに、平成23年度までの実績として累計157人が静岡県に移住・定住したとあります。この数字は当然ながら、県や市町が実施している移住ですとか定住の促進の取り組みを通じて実際に静岡県内に移住・定住した方の数字と思います。しかし、当然ながら、そうした取り組みを利用せずに静岡県に移住した方、転勤等の理由ではなくて例えば定年退職後に静岡県のどこどこに住みたいから移住したという方が県とか市町を通じ、直接やられた方もいらっしゃると思います。多分推計となるとは思いますが、これはどれくらいいたと考えられるのか、把握している範囲で教えていただきたいと思います。
また、この移住・定住には県内での移住・定住もあると思うのですね。例えば静岡市から伊豆のほうに移住または定住されると。そういった数字も私は把握する必要があるのかなと。というのは、入ってくる方もいらっしゃれば、残念ながら県から出ていく方もいらっしゃるわけで、何とかその県からの流出を防ぐためには、やはり県内の方が県内に移住・定住されることを促進することも重要かなと思います。県内における転勤とかは除いて、移住・定住についてどのように把握されているのか、伺いたいと思います。
それと今、流出の話をしましたが、当然他県でも同様の取り組みはされているわけでございますから、何とか移住・定住をふやすとともに流出を防ぐ必要もあるかと思います。実際に、残念ながら他県に転勤等ではなく転出して、いわゆる移住・定住された方はどれくらいいらっしゃると把握されておるのか、わかった範囲でお尋ねしたいと思います。
それから、施策展開表の数字を見ますと、累計ですから一見順調にふえているように見えます。しかしこれは累計ですから、平成22年度は43人から120人になったということで、77人ふえましたが、平成22年度から平成23年度は残念ながら37人しかふえていないということになります。推測するに、東日本大震災等々の影響があったのかなと思いますが、この数字の推移ですね。平成22年度は77人ですから、43人に比べれば3倍近くにふえたわけですけれども、平成23年度については残念ながら37人しかふえていません。そういった結果についての分析結果、総括の結果をどのように今、生かしておるのか、お聞きしたいと思います。
次に、説明書の43ページになります。観光案内所についてお伺いをしたいと思います。
説明によりますと、5カ所に観光案内所があるということですが、特に関心がありますのは、東京、大阪、名古屋にある観光案内所についてです。
この観光案内所の費用対効果についてどのように考えているのか、具体的には平成23年度にはどれくらいの方が来られて利用された結果、経済的効果は、これだけ観光客がふえましたよとか評価しているのか。
特に、その下に説明がございますが、東京の観光案内所については、昨年11月にリニューアルオープンしたとあります。私は永田町で仕事をしていたものですから、リニューアルオープンの前の案内所は行ったことがありますが、その後の案内所は行ったことはありません。リニューアルオープンしたわけですから効果があらわれているのだろうと思いますが、その効果は具体的に利用人数等でどのようにあらわれたのか、具体的な数字で教えていただきたいと思います。以上です。
○鈴木交流政策課長
私から、移住・定住関係についてお答えいたします。
まず事業ですが、委員御指摘のとおり、移住・定住関係事業としずおか農山村交流定住促進事業を合体いたしまして、事業を展開することといたしました。
その効果でございますが、特に移住・定住関係につきましては、相談の内容から見ますと、ゆとりある暮らしをしたいとか自然に囲まれて暮らしたいという方が多いので、農山村地域での要望が多いということもございます。都市と農山村との交流をまずきっかけにして、その地域を知ってもらう、それを移住・定住に結びつけるというような形で、セミナーやモニターツアーなどを開催することによって移住・定住に結びついていくというような形を狙っております。
それから、くるま座会議やパートナーシップ推進会議というものを開催いたしました。これによって私どもが認識できたことは、地域によって課題が違うんだなということでございます。特に賀茂地域、それから西部地域の特に中山間地につきましては、職業の問題が非常に大きいということでございます。特に就農希望の多いことから、経済産業部と協働しまして、新農業人フェアという全国の農業人フェアの中に出展させていただいて、移住・定住の声かけをさせていただいたということでございます。
それから、私どもでは今、累計で157人の移住・定住という数字を把握しております。この数字につきましては、委員御指摘のとおり、市町それから団体等が把握した人数ということでございますが、県内での転勤等を除いてそのほかの移住・定住者というのは、残念ながら私どもでは数字を把握しておりません。
県内での移動も大切だということでお話がありましたけれども、私どもで設置しました移住・定住相談センターでは確かに県内からの相談もございます。ちなみにその割合としましては、県外の割合が62%ですので、差し引くと30数%が県内からの御相談ということになります。そのときに、相談された方々に御希望の地域等があれば、そういうところの団体もしくは市町につないで、具体的な相談に乗っていただくというような形をさせてもらっております。
それから、平成23年度は実際に人数が結果としてふえてないということでございますが、これにつきましては平成22年度にふじのくに移住・定住促進戦略をつくりまして、それに基づいて事業をやってきました。特に市町で大きな取り組み、例えば家賃をただにしてモニターとして住んでもらうというような事業を取り組んでいるところでございます。そのような数字が反映されて、平成22年度の数字が伸びたという評価をしておりますが、継続的な事業を打っていく必要もあります。市町につきましては、県空き家バンク等を設置していただきたいということで、当初、昨年設置したときには2つの市町が空き家バンクを設置していましたけれども、今現在は8市町で空き家バンクが設置されておるということになりました。そのような取り組みを反映させていって、今後、移住・定住者の拡大に努めていきたいと考えております。以上です。
○植田観光振興課長
観光案内所の件です。
まず、利用者数ですけれども、平成23年度ベースで、東京観光案内所につきましては1日当たり85人、名古屋観光案内所では1日当たり228人、大阪観光案内所では1日当たり20人となっております。観光案内所は観光の御案内だけではなくて、在京とか名古屋、大阪の各報道機関、旅行会社などこういったところへの営業、セールスに行っております。実績としましては、例えば新聞掲載ですと東京の紙面に223回、名古屋の紙面で615回、大阪では98回、テレビでは東京観光案内所が18番組、名古屋は16番組、大阪は24番組ということで、観光案内を行うとともに、こういった報道へのセールスをしています。営業費につきましては、5つの案内所を全部合わせて約7000万円です。総合的な情報発信機関としてかなり高い費用対効果があると考えております。
また、東京観光案内所のリニューアルですけれども、実は形態を全く変えまして、リニューアル後は入ってきた方にパンフレットをとってもらうだけではなくて、お客様に座っていただいて観光を案内するということと、希望があればお茶を提供するという形に変えました。そういうことで、リニューアル前は85名ですが、リニューアル後の平均は1日当たり45.5人ということです。減ったのですが、当然、通過してパンフレットをとっている方はもっといらっしゃいます。ただそれはカウントしていません、しっかりと応対した方は45.5人となっております。以上です。
○鈴木(智)委員
ありがとうございました。
まず、この移住・定住についてですが簡単に言えば、事業をやればその事業を通じて移住する方がふえるわけです。逆に途中で事業をやめてしまうと減るということなのかなと思いますけれども、この移住・定住促進というのは、特に平成23年度以降は随分状況が変わってきているのかなと思うのですね。先ほど言った東日本大震災の問題もございますが、最近は東海地震やら南海トラフ大地震の話も出てきております。あるいは週刊誌で時々、富士山大噴火みたいなこともうわさをされておるわけでございますから、やはりそういったいわゆる風評的なもの等への対応もしていかないと、なかなか移住・定住者はふえていかないということでございます。この数字の意味というのは、単純に事業をふやせばふえる、やらなきゃふえないというところが大きいと思うものですから、逆に余り意味がないのかなと思っております。
というのは、先ほど言った風評被害もありますし、あるいはこれからどんどん人口が減っていく中で、どんなに頑張っても絶対数が減っているわけですから、頑張っても増えない。ただやみくもにふやそうとすると事業をふやして、それで何とか表向きの人数はふえるけれども、その分、予算もふえてしまったということではいけないと思います。ですから、先ほど説明がなかったのでもう一度、平成23年度は37人になってしまった要因と、先ほど言ったとおり、多分平成23年度以降は状況が平成22年度以前とかなり大きく変わっていると思うのですね。その辺の対応はどうされているのか、再度確認をしたいと思います。
それと観光案内所についてです。
なかなか比較は難しいと思いますが、少なくとも東京、大阪、名古屋では、名古屋圏が一番人口が少ないと思います。名古屋ではそこそこいて大阪では20人、東京では85人ということで、リニューアルオープンの効果も、この人数的にはまだ出てきていないということですけれども、どうしてこのような差が出てくるのか。もう一度具体的に評価といいますか、総括というか、教えていただきたいと思います。以上です。
○鈴木交流政策課長
御質問のありました移住・定住の人数の関係ですが、先ほどの委員の御指摘のとおり、東日本大震災以降、相談内容というものが多少変わってきたなというふうに私どもも認識しております。従来は団塊の世代を中心に人を呼び込もうというような動きが全国でございましたけれども、大震災以降はきずなを求めるというか、自然を求めるというような若者世代がおります。私どもも相談を受けている中で30代、40代が2割ぐらいございます。そういった方々もターゲットとしてということになろうかと思います。特に職業の問題が大きくございます。先ほども言いましたとおり、農業等がやりたいという方が多いので、私どもも経済産業部と一緒になって相談体制を築いていくというようなことも取り組んでいるところでございます。
人数につきましては、これが適当な指標かどうか、なかなかわかりませんが、市町で取り組んでいただく、団体で取り組んでいただく人数ということで、県としてはそのような取り組みを支援していくということで取り組んでいるところでございます。
37人になってしまったというのは、事業展開がそれだけ減ったということも一面はあろうかと思いますが、静岡の魅力を知っていただいて、その結果として来ていただいた人もいるわけでございます。事業というよりはむしろ空き家バンクとか、市町の相談体制、それから受け入れ体制がやはりまだまだ全国に比べて追いついていない面もあるんじゃないかということもございまして、このような結果となったと評価をしております。
したがいまして、今後市町、それから団体の取り組みを一層支援していきまして、受け入れ体制の整備ということを応援していきたいと考えております。以上です。
○植田観光振興課長
まず、数字のとり方ですけれども、名古屋の観光案内所につきましては、非常に立地がいいところであります。栄の中心地のちょうどエスカレーターをおりたところの正面にございます。そういうところで、たくさんの方の目に入ってたくさんの方においでいただいています。
東京観光案内所につきましては、少し外れにあることは事実です。ただ、それも有楽町の駅前にありますので、通過人員は非常にあることはあります。パンフレットは従来もとっていただいたのですが、そういった立地条件に合わせた形態として、じっくりと静岡県の観光案内をできる体制にして、またお茶も味わっていただく形に変えました。
そういうことで、人数のとり方もありまして、カウント自体は少なくなっているのですが、たくさんの方に情報発信できる名古屋観光案内所と、旅行に興味のある方にじっくりと観光案内をする東京ということで行っております。
また、大阪観光案内所はオフィス街にあります。基本的には所長が1人おりますけれども、こちらは基本的には大阪の旅行会社を回るという機能で、観光案内につきましては県事務所もありますので、そちらに手伝っていただきながら実施しているということで、件数が少なくなっているということでございます。以上です。
○鈴木(智)委員
1件要望と1件質問にしたいと思いますが、この定住・移住については、例えば各市町によっては新しく来る方については土地をただであげますよとか、そういったお金をどんどんつぎ込めば、ある程度は促進は可能だと思います。しかし、先ほど言いましたけれども、人口がどんどん減っていく中で、伊藤元重先生が以前静岡新聞の記事で言われていましたが、これはゼロサムゲームになってしまうんですね。かけた県はいいけど、ほかの県が減ると。そのほかの県で予算がついたら今度はこっちが減ると。結果的にお互い費用対効果がどんどんなくなってしまうということですから、そういった点も含めてしっかりと検討していただきたい。これは要望で結構です。
観光案内所について、名古屋は立地がいいということです。東京についてですが、私は東京交通会館へは何回も行っています。確かに有楽町の駅前にありますけど、北海道どさんこプラザの場所と比べればずっと中の方ですよね。もちろん立地のいいところに行けば、その分、家賃が上がっちゃいますから、そう単純にはいかないと思うのですが、昨年11月にリニューアルオープンするときに移転をまず考えたのかどうか。というのは、家賃が倍になるかもしれないけど、その分利用者が3倍、4倍になれば、単純に言えば費用対効果はむしろ上がるということになります。そういったことを検討したけど、残念ながら単に場所は変えずにリニューアルオープンをしたのかどうか、その点だけ再度確認したいと思います。
○植田観光振興課長
もちろん、移転については検討しました。周りについて同じようなオフィスを借りたら幾らくらいするかというのも調べました。ここには平成12年ごろからいるのですけれども、それほど家賃が上がっていません。いいところに行くとそれこそ家賃は3倍などというふうになります。そういったところで費用対効果を算定しまして、なるべくゆっくりと説明できる形態に変えたということです。