前静岡県議会議員すずきさとる新聞『すずしん』web版

決算特別委員会(危機管理部関係)議事録(平成24年11月13日)

○鈴木(智)委員
 民主党・ふじのくに県議団の鈴木智です。大きく4項目、質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず初めに、大規模地震対策等総合支援事業費補助金について伺いたいと思います。
 昨年度、私が所属しておりました総務委員会でも、当時お隣に座っていた髙田好浩議員らとともに、もっと使い勝手のいいものにしろとさんざん議論させていただいたわけでございます。昨年度は東日本大震災を受けまして補正を何度か組んで大幅に増額されたのが、この大規模地震対策等総合支援事業費補助金でございますが、この説明書48ページによれば、予算額27億円余のうち2割以上に当たる5億7000万円余が不用額となっております。
 早急に地震津波対策を行わなければならない状況において、この額はちょっと多過ぎではないのかなと思います。2割以上が不用額になっているということは、逆に言えば、仮にこれがきっちり100%いったとすれば、2割多く対策が実施できたということになるわけです。この説明書には不用額は市町事業確定に伴う減であるとあっさり書いてありますが、それにしても2割というのは非常に多いと思うものですから、もう少し詳しく説明いただきたいと思います。
 あわせて、本年度は2000万円という上限を撤廃したとありますが、平成23年度のような多額の不用額を受けて、本年度はどのように工夫されておるのか。あるいは確定したのは24年度が始まってからですから、来年度はどうしようとお考えなのか、あわせて教えていただきたいと思います。

 次に、東海地震の予知観測体制に関して伺いたいと思います。
 説明書13ページによれば、東海地震の予知観測体制は国等により年々充実され、平成24年4月1日現在で県内513カ所に観測機器が設置され、そのうち189カ所のデータは気象庁で常時監視、つまり24時間体制でチェックされているとあります。
 予知に関しても、昨年度の総務委員会あるいは本会議で議論させていただきましたけれども、御案内のとおり、予知につながる前兆現象というのはどのような形でいつごろあらわれるのか、正直全くわからないというのが実態だと思います。気象庁にデータが常時送られていて、とにかく数多く常時監視していれば、そのうちの1カ所、2カ所はひっかかるかもしれないわけですが、残念ながら残りの3分の2は常時監視されていないわけで、何か起きたら見に行くと、後からデータをとりに行くというような状況だと思うんですが、早急にその残りの部分についても何とか24時間体制でチェックできるようにすることが、さらなる予知の向上につながると思います。
 平成23年度におきましては、国等により年々充実されとあるものですから、具体的にどのような部分が強化充実されたのかお尋ねしたいと思いますし、特に昨年度の総務委員会で私、富士山周辺に設置されている地磁気計2台についても24時間体制でデータを監視すべきと提案しました。最近、富士山が噴火するというような記事も週刊誌に載ったりしますから、やはりそういった余計な不安を払拭するためにも、こういった地磁気計等につきましては、特に24時間体制でデータを監視すべきと思うんですが、その辺のところがどうなっているのか、あわせて伺いたいと思います。

 次に、消防学校について伺いたいと思います。
 本年1月、総務委員会で視察をいたしました。今回の説明書には消防学校はちらっと名前は出てくるんですが、その事業の中身とか執行状況が出てきてないものですから、昨年度の予算執行状況あるいは事業内容、成果について伺いたいと思います。

 それと、ことしの1月に総務委員会で視察をした際に明らかになったのが、東海地震等の大規模災害が起きたときに消防学校としてどう対応するのかというのが明確ではありませんでした。というのは、消防学校には研修を受けるために常時数十名から多いときには200人ぐらい、各市町の消防本部や消防団の方がいらっしゃっているわけですね。基本的にはそういった災害が起きれば、当然自分の部署あるいは自宅に帰るというのが基本だと思いますが、学校の場所が海からそんなに遠くないですから、東海地震のような大規模災害が起きた場合には、恐らく帰るどころじゃないというようなことが想定されるわけでございます。
 そうなった場合にどうするかというのが、この間の視察のときにははっきりしなかったものですから、早急に対応を検討するべきだと思うんですが、委員会では永江課長は検討するとおっしゃっていましたので、その後どうなっているのか、お尋ねしたいと思います。

 最後に、30ページの山岳避難防止対策協議会事業費助成について伺いたいと思います。
 30ページに81万円かけてと載っております。実は私、ことし2回ほど鹿被害調査を目的に南アルプスに登った際に気になったのですが、あそこは市や観光協会や国も県もと、いろんな事業主体がかかわっておるわけでございます。どこからどこまでが国で、どこからどこまでが市で、どこからどこまでが県というのが何かよくわからないなというところがあったものですから、この81万円は国とか県とか市とか観光協会、あるいは県においても多分他の部にもまたがる話だと思います。くらし・環境部あるいは文化・観光部ですね。いろいろな部とか多岐な事業主体にまたがるわけですけど、どのような分担をされていて、この81万円という事業費を使ったのか、その辺のところをもう少し詳しく伺いたいと思います。

 それと、2回登ってきたわけですけれども、ところどころにここから何分でどこどこ小屋に着きますよ、どこどこ岳に着きますよという柱がありますね。これはくらし・環境部の所管かとは思いますが一応確認したいんですけど、というのは、施策展開表の19ページには、最近の登山ブームにより高どまりの傾向ということで79件遭難事故があったと載っています。やはり山に登る方にとって、もちろんベテランの方は大体わかっているし、当然下調べをしっかりして行かれると思いますからいいと思うんですが、高齢の方もいっぱいいらっしゃいますので、中には十分な下調べもしないまま行かれる方もいらっしゃると思うんですね。そういった方にとって、ここからあと何分でその小屋に着きますよという標示は非常に大事だし、場合によっては、それが間違っていれば命を落とすことにもつながりかねないと思うんですが、実際私が行ったときに、これは正しくないですよと指摘を幾つもいただきました。
 先ほどの説明書の中にも、立て看板の設置等に加えというふうにあるものですから、そういった標示物を適時チェックして、もちろん壊れていればそれを直すのは当たり前ですし、あと登山道が変われば当然所要時間も変わってくるわけです。その所要時間というのは命にかかわる情報ですので、しっかりと点検をすべきだと思うんですが、昨年度はどのように点検等をされたのか、聞きたいと思います。

 最後に、79件遭難事故があったということですが、この内訳は、単純に道からそれて遭難してしまったのか、中には滑落されてけがをしたり、残念ながら死亡された方もいらっしゃるかもしれませんが、その内訳についても聞きたいと思います。以上です。

○池田危機政策課長
 大規模地震対策等総合支援事業費補助金の不用残につきまして御説明いたします。
 昨年度は当初予算16億円、それから補正予算で10億円措置されて合計26億円、そのうち5億7000万円が不用残となってしまいました。これにつきましては特殊要因がございまして、1つは南海トラフの巨大地震に関する内閣府の発表が3月31日に出されました。このため津波高がはっきりしてから津波避難施設を整備しようという市町がございまして、事業費を翌年度に繰り越しました。
 それからもう1つ、国土交通省の交付金のほうへ振りかえた市町が幾つかございまして、これにつきましては、2月の補正予算の減額に間に合わなかったということでございます。大きくは、その2つの特殊要因によりまして5億7000万円余の不用残が出てしまったということになります。
 平成24年度につきましては、昨年の総額26億円を上回る27億円の当初予算を計上してございます。そのうち現在26億円まで申請が上がってきておりまして、ことしにつきましては不用残が少なくなるよう不用となる部分は2月補正で減額する方向で対応していきたいと考えております。以上です。

○滝田危機情報課長
 予知に関する観測の部分でございますけれど、例えばひずみ計につきましては、29カ所の機器のうち電話回線等によって遠隔で確認できる24カ所のデータが気象庁のほうに常時観測ということで送られているという状況でございます。
 それから、富士山の観測についてでございますけれど、観測機器が54カ所ございますけれど、そのうち気象庁に常時データが送られているものが28カ所という状況でございます。以上です。

○彦山総務課長
 消防学校の事業の中身でございます。
 消防学校につきましては、校長以下17人の職員で運営されておりまして、主な内容としましては、消防職員に対する教育、そして消防団員に対する教育、またその他の教育、訓練としまして民間の消防関係、例えば消防クラブ等の皆様に対する教育等を行っております。
 教育訓練の実績でございますが、平成23年度につきましては、消防職員初任教育、幹部教育等、合計572人の受講がございます。消防団員につきましても幹部、専科等ありますが219人の受講でございます。その他民間等の御利用が658人、計1,449人の受講となっております。
 予算的には、ちょっと見えにくい形になっていて申しわけございませんが、危機管理対策総合推進調整費の中で管理経費として計上しておりまして、消防学校教育費、消防学校維持管理費で、平成23年度当初予算ベースで1億4700万円計上しております。以上でございます。

○永江消防保安課長
 まず、非常時にというお話で調べてみました。静岡県消防学校東海地震等災害対策実施要領によりますと、やはり基本は、まず被災した場合には学校の中に災害対策本部を設置します。それから足が確保されている場合は、被災地、被災したところが自分の消防本部の管轄であれば、学生も教職員も自分の消防本部に戻るというのが大原則になっています。ただ委員おっしゃるとおり、では具体的に足があるのかと言われますと、やはり交通が遮断している場合は学校にとどまり、校長の指示に従うことになっています。ただし学生も職員も所属部隊に戻るというのが原則です。

 それから山岳の関係ですが、81万円を県が補助していますけれども、助成先は静岡市、御殿場市、富士宮市の各支部である静岡支部、東富士支部、富士宮支部、富士支部、山岳連盟等に助成金を支出しています。それぞれの支部は、登山情報のパンフレット作成や登山相談所の開設、標識、道路等の設置、山岳パトロールの実施などを行っています。

 それから、平成23年度の79件の遭難事故の内訳ですが、89人の方が事故に遭っておりまして、うち死亡が6人というような状況にあります。
 どのような原因かといいますと、やはり道迷いが22件と最多で、次に転倒というような形で、特に富士山では体力不足からの疲労や登山知識不足による高山病、照明具を携行せずに日没を迎えて救助要請するなど、事故者本人に起因する遭難事故が多いという状況にあります。

 標識の設置等は、基本的にはさっき言ったように支部等がやっていますが、県の観光政策課が外国人向けとか観光対策という形でも行っており、環境省も標識等の設置についていろいろな工夫をして整備しているという状況です。以上です。

○滝田危機情報課長
 平成23年度の観測点についてですけれど、県のほうで新たに設置したというところはございませんが、毎年度、国とか大学とか各種研究機関の観測点が少しずつふえているという状況でございます。以上です。

○鈴木(智)委員
 ありがとうございました。幾つか再質問します。
 まず大規模地震対策等総合支援事業費補助金については、本年度は既に27億円のうち26億円の応募があったということです。私が心配したのは、いわゆる事業はやってみないとわからないという部分がありますから、足りなくならないように多目に見積もったから、こういった不用残につながったのかなと思ったんです。先ほどの話ですと、そういった特殊事情があったわけですから、本年度は2割も残るようなことは絶対あり得ないということでよろしいか、再度確認したいと思います。

 それと、観測体制については、もちろんふやすことも重要だと思いますが、ただ先ほど話したとおり、特に予知につなげる場合には常時観測してないと、ただ置いただけでは何かあったときにどうだったんだろうとか、事後の調査には役立つんですが、ふだんつながっていないと結局予知には役立たない部分があるわけです。私が聞きたいのは、単純にふえた箇所数ではなくて、まだ3分の2近くが24時間体制になってないわけですから、1カ所でも2カ所でも――予算の関係がありますから、なかなかすぐには全部とはいかないでしょうけれども――富士山についてはこれだけ24時間体制になりましたと、今年度はこうなりますというところを聞きたかったので、再度確認をしたいと思います。

 それと消防学校については、1,449人が受講されたということですが、東日本大震災を受けまして、地震防災センターも非常に訪問者がふえておるということですから、恐らくこの消防学校についても需要はかなり高まっているのではないかと思うわけです。というのは、今回の東日本大震災では残念ながら、消防隊員の方が水門をあけようとしていて、あるいは誘導しようとして、あるいは助けようとして亡くなったという方がかなり多くいらしたわけですから、そういうことが起きないように、東日本大震災を受けて消防団員や消防職員の方にいろいろ教育といいますか、指導する必要があるのかなと思います。この1,449人というのは、そういった需要にしっかりと応えられた数なのか、あるいは実は2,000人、3,000人の応募があったんだけど、人員とかそういった関係でこうなってしまったのか確認したいと思います。

 あと、発災時には所属に帰るのが原則だとおっしゃっていますけど、あそこは道がすごく狭いですし、川も近くですし、大きな東海地震のようなものが起きたときには、多分なかなか通れるような状況にない、少なくとも伊豆から来た方が戻れる状況にはないと思うんですね。もちろん中には新人の方もいらっしゃるかもしれませんが、そういう人も我々素人に比べれば消防職員や消防団員ですから、100人、200人になるとかなりの戦力になるわけです。
 そういった場合に、県や静岡市の消防本部の指揮下に入っていただいて、そこでできることをやっていただくことが非常に大事だと思います。ただ、そのためには事前に協定みたいなものを結ばないといけないと思うものですから、委員会でもそこを早急にやってくださいと言ったんですけど、その点どうなのか、再度確認したいと思います。

 また、山岳遭難防止につきましては、残念ながら6人の方が亡くなったということですけど、特に南アルプスは当然1人では行けるようなところではありませんので、ある種自己責任で行かなくてはいけない部分も多々あるのかなと思います。ただ6人というのは非常に大きな数でございますので、何とかゼロに近づける必要があります。
 また、22人の方が道に迷ったということは、恐らく下調べが不十分だった、あるいは無理なスケジュールという、ここについては自己責任の部分が多々あると思いますし、実際に看板をつけるのはほかの部署かもしれませんが、やはり遭難者あるいは死亡者をなくすという意味では所管はこっちになるのかなと思いますから、そこについては、こちらからしっかりせいと言うべきだと思うんですが、これについてもう一度御確認をしたいと思います。以上です。

○石橋委員長
 平成23年度の決算審査でありますので、24年度の予測等に関しては答弁する必要はございません。
 よって、消防学校のことに関して答弁をお願いします。

○彦山総務課長
 消防学校の需要ということでございますが、消防学校の教育につきましては、市町村が採用した消防吏員に対する教育ということで、採用計画とかそこら辺に基づいて受講設定をしてございます。そのほかの教育訓練ということで、やはり県民の防災意識の向上とか、そういった取り組みも今後必要になってくるかと思いますが、やはり場所がなかなか気軽に来れる場所ではございませんので、そこら辺の課題もあります。
 あと、例えば自主防が実際にポンプ訓練を実施していただくなど、そういうような需要があれば対応していきたいと考えております。以上です。

○鈴木(智)委員
 では平成24年度は結構ですが、23年度のところでまだお答えいただいてないんですけど、予知観測体制のところで、私が聞きたいのは、拠点数、観測点がふえたんじゃなくて、既にある観測点の中で常時接続というか、常時観測体制の箇所がふえているか、多分なかっただろうと思いますけど、そこを確認したいのが1点です。

 あと、消防学校のところで先ほど聞き忘れたんですけど、施策展開表18ページのところに緊急消防援助隊の受け入れ体制の検証とあるんですけど、これ確認ですが、清水の消防学校は受け入れの場所ではないですよね。そこだけちょっと聞かせてください。

○滝田危機情報課長
 常時観測点がどれだけふえたかというのは、済みません、ちょっと資料がございません。ほとんどの施設が県以外の機関が設置しているところになるものですから、御要望の点については、また各機関にお願いをしていきたいと考えております。以上です。

○永江消防保安課長
 言うまでもなく、消防学校は緊急消防援助隊の活動拠点になります。東日本大震災のときも各県の部隊が応援に行きましたけれども、西から来た部隊は県の消防学校にも宿泊しまして、そこで態勢を整えて出動するというような形をとっていました。これは他県の消防学校も同じように使われています。以上です。

○仁科危機管理部理事(消防安全対策担当)
 消防学校に在籍している学生が帰れなくなった場合の対応と、それから学生とはいえ消防の準専門家ということで、その対応について防災活動に従事することも可能じゃないかというような御意見がありましたけれども、今の仕組みですと、自分の本隊に帰宅が不可能な場合には、可能になるまで学校にとどまり、校長の指示に従うということです。そして出動が可能な場合かつ所属する消防本部から出動要請があった場合は、校長の許可を得た上で所属する消防本部に出動すると、こういう形になっております。
 そして、それまでの自分の本隊に戻ることが不可能な期間においては、消防学校においても消防学校長を本部長として災害対策本部を設置しますので、この消防学校の災害対策本部の業務に従事すると、こういう形になっております。以上です。

○鈴木(智)委員
 もう1回確認したいんですけど、今の消防学校の部分については、消防学校に災害対策本部が置かれるということなんですけど、ではどういうことをやるのか確認したいと思います。

 あと、緊急消防援助隊の受け入れ場所になるということで、東日本大震災のときにも応援隊の中継点になったということです。ただあそこは道が非常に狭い。我々が行ったときもバスががつんとやってしまいましたよね。そういうことならこの道を何とかするとか、そういうことをやっていかないと、ましてや地震が起きた後ですから、さらにアクセスが悪くなっているわけですね。そうにもかかわらず集まってくださいと言っても、アクセスができない、あるいはほかの救急車が通れないようになってしまうと、それは意味がなくなってしまうわけです。やはりとりあえずこの道を何とかするなり、将来的には移転するとか、消防学校も非常に古いですから、そこは要望にしておきますので、早急に御検討をよろしくお願いします。
 1点だけ、消防学校の対策本部についてお尋ねします。以上です。

○仁科危機管理部理事(消防安全対策担当)
 具体的には、校内あるいは学校周辺の警備です。それから学校施設の被災状況の点検、被災した場合には初期消火活動その他必要な応急対策、そして救助あるいは救急、これは校内に限りますけれども、校内の人命救助、負傷者の応急処置というものです。要するに校内の災害対応ということです。以上です。

○鈴木(智)委員
 じゃあ、校内で幸い何もなかったと、ただ校外でさまざまな方が……
(発言する者あり)
 それでは、校内では何もなかった場合、それだけ1点お願いします。

○仁科危機管理部理事
 その場合には、校長が対策本部長でありますから、校長がそのときの状況に応じて校内、校外必要な対応をとるということです。

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