○鈴木(智)委員
民主党・ふじのくに議員団の鈴木智です。大きく4つのテーマに関して御質問いたしますので、御回答のほどよろしくお願いいたします。
まず1つ目が、知事も冒頭の説明で言われておりました、合計特殊出生率2を目指す意味についてお尋ねしたいと思います。
これは、私、実はかなりこだわりを持っていまして、この委員会、実は私を含め、昨年度総務委員会に所属していた委員が3人おりますが、そこでも私、実は質疑はさせていただきましたので、その続きということなんですが、よろしくお願いします。
6月議会冒頭の説明の中で、川勝知事は、平成23年の本県の合計特殊出生率は1.49と前年を0.05ポイント下回り、危機感を抱いております。このため、県では合計特出生率2を目指し、全庁挙げて少子化対策に取り組み云々と述べていらっしゃいます。
そこで、確認したいんですが、この目標値を合計特殊出生率2とした理由は何なんでしょうか。
また、いつまでに合計特殊出生率2を達成するつもりなのか、さらには、この合計特殊出生率2を達成、あるいは上回っていくと、この静岡県の人口の推移がどのようになると推計しているのか、知事戦略局長でも結構ですし、情報統計局長でも結構ですし、御答弁をいただきたいと思います。
次に、地域外交のあり方について御質問をしたいと思います。
まず初めに、先ほども御説明ありました地域外交戦略会議のあり方について質問をいたします。
6月12日に開催されました地域外交戦略会議、私も傍聴させていただきました。当日は、今後の方針や施策について各担当から御説明があった後、対外関係協力員の三田剛史氏、対外関係推進員の磯山友幸氏、ふじのくに臨時代理大使の秋岡榮子氏、そして対外関係補佐官の東郷和彦氏が意見を述べられ、それを受けて川勝知事が総括的な意見を言われておりました。
その中で、知事は、これだけの内容のものを1時間という短時間の会議で済ませるべきなものか再検討ぐらい必要だよという趣旨のことをおっしゃったと思います。
また、なぜ地域外交が必要なのかいう説明の部分がこなれていないという発言もあったと思います。
こうした知事の意見は、その後、先ほど御説明のあった地域外交戦略基本方針に反映されているのか、伺いたいと思います。
また、先ほど申しましたとおり、臨時代理大使や補佐官らも意見をおっしゃっておりましたが、一方的に言った形で前回の会議が終わっていたと思います。そうした御意見を今後、どのように生かしていくのか、お尋ねしたいと思います。
次に、地域外交における重点地域としての東南アジアについてお尋ねをいたします。
先ほど御説明があったとおり、地域外交における重点国、地域として、中国、韓国、モンゴル、台湾、東南アジア、そして米国が位置づけられておりますが、なぜ東南アジアだけ国ではなく、地域になっているんでしょうか。
どの国まで対象にしているのか、その点をお尋ねしたいと思います。
先ほど、和田委員の質問されました事業概要40ページの予算額のところなんですけども、この資料によれば、東南アジアにおける今後のための予算が書かれておりません。予算が全くないということじゃないと思うんですが、なぜ抜けているのか、具体的な予算額は幾らなのか、教えていただきたいと思います。
そして、東南アジアの中で、最近、最後のフロンティアとして注目されているのがミャンマーでございます。多くの日本企業も関心を寄せていると聞いておりますが、県としては、ミャンマーとの関係促進についてどのように考えておるのか。そして私は、ちょっと勉強したことがあるのですけども、静岡県とミャンマーというのは、歴史的に深いつながりがあると思っておりまして、それを生かさない手はないと考えますが、県の認識をお伺いしたいと思います。
次に、地域外交を担う職員の育成についてお尋ねしたいと思います。
地域外交基本方針にも掲げられておりますが、地域外交を担う職員の育成というのは、これは大変重要な課題でございます。
特に、関係する地域とともに、現地との人脈を築いていくには、1年、2年でできる話ではありません。それなりの年月が当然必要だと思います。そして、お尋ねしたいんですが、現在の地域外交課職員の勤務年数、つまり地域外交に直接かかわっている平均年数はどれくらいか、また、地域外交のプロとして育成するには最低、どれくらいの勤務年数が必要であるとお考えなのか、お尋ねしたいと思います。
また、ネーティブ職員の活用という項目がありますが、これは先ほどの職員の育成とは別項目になっております。このネーティブ職員というのは、現在、3名おられる任期つき職員のことを指していると思いますが、これはあくまでも任期内の活用だけであって、先ほどの一般職の方というか、本職の方、常勤の方のような育成はしないということなんでしょうか。確認したいと思います。
また、任期つきですから、当然限度があるんだと思うんですが、最長どれくらいなのかお尋ねしたいと思います。
次に、地域外交と関連して、県立大学国際関係学部との連携についてお尋ねしたいと思います。
地域外交の推進において、せっかくあるわけですから、県立大学国際関係学部の先生や留学生という大変貴重な資源を有効に活用すべきと考えますが、現時点では具体的にどのような連携、あるいは活用をされているのか、お尋ねします。
先日、平成25年度の国に対する静岡県の対策というのをいただきまして、その中には引き続きJICAグローバル大学院を創設というのが入っておりました。現状はどうなっているのか、お尋ねしたいと思います。
私は、県会議員になる前から申し続けておるんですが、新たに大学院をつくるよりは、県立大の国際関係学部の中にJICAと提携した修士課程、あるいは博士課程を創設するほうが効率的だし、有効的だと、そして現実的であると考えますが、その点につきましてお尋ねしたいと思います。
次に、地域外交における市町との連携についてお尋ねします。
新聞記事によりますと、先日、島田市長が台湾を訪ねまして、島田茶のPR等を行ったということでございます。この3月の台湾便の就航の際に、私も議員連盟で台湾を訪れた際も同様に島田市の方々がいらっしゃって、島田茶のPR等々をされておりました。そもそも県内の市町との地域外交における連携は日常的にどのように行っているのか、先ほどの説明ではよくわからないものですから、具体的に教えていただきたいと思います。例えば、定期的に担当者が集まって会議を行ったりしているのかどうか、お尋ねしたいと思います。
そして、皆さん御案内のとおり、今回の企画文化観光委員会には、駿河区、清水区、そして葵区と静岡市の3区からそれぞれ委員が選出というか、選ばれているものですから、ちょっとお伺いしたいんですが、地元静岡市との地域外交における連携についてお尋ねしたいと思います。
まず、来年1月に静岡市において、第24回国連軍縮会議が開催されます。これはもちろん国レベルの会議ではありますけども、せっかく各国からの代表者等が静岡に来られるわけですから、私は静岡市を当然サポートしながら、県としても地域関係の外交を展開すべきじゃないと考えておるんですが、県としてはどのようにかかわっていくんでしょうか。
そして、静岡市は、平成27年に開催予定の第3回国連防災会議も誘致しようと頑張っておられるということでございますが、県としては、どのように連携していくおつもりなのか、お尋ねします。
また、静岡市は、台湾の新北市、あるいは台中市との交流を進めておるということでございますが、県はどのようにかかわっているのか、あるいはこれからかかわっていくのか、お尋ねしたいと思います。
3番目、内陸のフロンティアを開く取り組みについてお尋ねしたいと思います。
これにつきましては、本会議でもさまざまな議員が御質問されました。基本的にはよくわからない部分と、あと内陸のフロンティアを開く取り組みを進めてしまうと、海岸部が取り残される、あるいは海岸部が、沿岸部が寂しくなってしまうから、その分についても配慮という御意見があったと思います。
ただ、私が思いますのは、今回の方針にも出ておりますが、この内陸フロンティアの推進につきましては、沿岸部中心の国土構造の転換というのが現状と課題の一つに取り上げておりますが、今回の内陸フロンティアを開く取り組みというのは、これは非常にそういった意味では大変タイムリーなものだと思っております。県としても例えば、この防災集団移転促進事業の特区と同様の特例措置の拡充というのを、これから国にお願いしていくのかなと思っておりますが、例えば知事も言及された沼津の内浦重須地区ですね。集団移転に取り組んでおるわけでございますが、こうした取り組みを私は進めるべきだと思いますが、これも集団移転ですから、なかなか地域の同意がまだ完全にはとれていないということで、私は地域だけではなくて、個人の移転についても支援する何らかの措置を検討すべきじゃないのかと思っておりますが、その個人の部分についてどのようにお考えがあるか、お尋ねしたいと思います。
最後に、節電の呼びかけについてお尋ねします。
先ほども御説明ありましたが、これから5%の節電の実現を目指して、県内の県民の方、あるいは企業に訴えていくということでございますが、正直、5%の節電と言われても、よくわからないんです。先日報道がありましたけども、昨年、無事に何とか乗り越えたために、ことしは節電に対する意識が薄れていると言われております。例えば具体的な写真が、確か新宿だったと思いますけど、去年の新宿の夜と現在の新宿の同じ場所の映像がありましたけれども、去年よりことしのほうが全然明るくなっているわけです。ですから、ともすると、ことしは節電に対する意識が薄れている可能性がありますから、私は、より具体的な呼びかけが必要と考えております。というのは、5%と言ってもよく勘違いしやすいですけど、総量で5%では必ずしもないわけです。大事なのはピーク時、簡単に言えば、13時から16時の間に何とか5%以上節電が必要だというのが基本的な意味だと考えております。逆に言えば、総量で5%節電できたとしても、夜や朝頑張って10%節電できたとしても、肝心な昼に全然節電ができなければ、下手をすると強制停電ということが起きてしまって、せっかくの節電の意味がなくなってしまうわけです。つまりは、夜や早朝は、無理してエアコン設定温度を上げる必要がないわけでございます。
ですから、逆に言えば、具体的に午後1時から4時だけは設定温度を上げたり、扇風機だけの使用にしてくださいと。つまりは言いかえれば、夜や朝、無理してエアコンをとめたり、設定温度を上げる必要はありませんから、何とか頑張って13時から16時については節電をお願いしますというような形のほうが、より伝わるかなと思うんですが、御所見を伺いたいと思います。以上です。
○佐藤企画課長
私のほうから合計特殊出生率についてお答えいたします。
こちらの2という目標でございます。現在、人口減少社会に入ったとか、それから少子高齢社会というふうに言われております。そういった中で、静岡県に活力をもたらすためには、ある程度の人口、現状の人口は維持できるというのが一番望ましいという考えのもとで、2という数字を設定させていただきました。
いつまでかということでございますけれども、これは総合計画の基本構想、平成22年に総合計画がでてきておりますけれども、10年先を見越した基本構想の中で、数値目標として2を掲げておりますので、おおむね10年ということで平成31年ごろをめどという形で、今考えております。こういう形で、なかなか厳しい目標ではございますけれども、少子高齢化、少子化対策を進めることによって、社会の活力、静岡県の活力を呼び起こそうと。そういうことによって、富国有徳の静岡県ができるというふうに考えております。
ちなみに、こちらについては、今、健康福祉部のほうで所管をしておりますけども、総合計画の中でつくられておりますので、このようなことでございます。以上であります。
○深谷地域外交局長
地域外交基本方針について、お答えをさせていただきます。そのあり方でございますけども、せんだって、6月12日に地域外交戦略会議を開催いたしました。そのときに8番委員には御出席をいただきました。ありがとうございました。
その会議において、知事からの意見がいろいろあったところでございまして、その後、知事とはこの会議で諮りました原案について、改めて協議をさせていただきまして、基本理念等について、内容を充実した形のもので修正をいたしまして、今回、正式に地域外交基本方針という形で提出をさせていただいたところでございます。
それから、対外関係補佐官、秋岡臨時大使等からも、幾つか大変貴重な御意見をいただいたわけでございまして、これにつきましても、これからこの地域外交基本方針に従って地域外交施策を進める中で、御意見を参考にし、その都度、必要に応じて御相談させていただくということで、適切な貴重なアドバイスがございますので、両方しっかり受けとめて進めていきたいというように思っているところであります。
それから、JICAグローバル大学院の創設の関係でございます。
こちらにつきましては、現在も創設に向けて取り組みを進めているところでございまして、これは国の協力というものが非常に必要な事業でございますので、大学を管轄しております文部科学省、それから独立行政法人JICAを管轄する外務省などに対しまして、要望という形で提案をしてきております。
また、新潟栄養福祉大学など、JICAとの連携によって大学院プログラムを開設したというような動きもございますので、御提案のように、現在の既存の大学院でのJICAの活用などにつきましても、引き続き関係機関への働きかけや調査研究を進めていきたいというふうに思っております。よろしくお願いします。
○後藤地域外交課長
まず、私から東南アジア、どうしてここだけ国ではなくて、地域となっているかという御質問でございましたけども、東南アジア地域に関しましては、非常に経済成長が著しく、本県としても経済の活力を取り込みたいということですが、東南アジアの中の一つ一つの国との交流の戦略というものがまだ私どものほうで決定と言いますか、まだ詰め切れていない部分がございます。ですから、今、ひとまとめに東南アジアということなんですが、対象としましては、ASEAN加盟の10カ国を想定しております。近い将来は、チャーター便の運航の状況でありますとか、県内企業の進出の状況等も見まして、その中の東南アジアの中の国ごとの優先順位づけをしていく必要があるなというふうに考えております。
委員御指摘のミャンマーにつきましても、日本企業の進出がここのところ著しいというような情報も得ております。ミャンマーとの関係促進につきましても、アンテナを高くしまして、必要に応じて交流を検討していきたいというふうに考えております。
次に、職員の育成についてですけれども、現在、地域外交課の職員の勤務年数は、平均で2.2年です。それでプロとして最低何年が必要なのかという御質問なんですが、一概に言えない部分もありまして、いろいろと役割分担があるわけです。ネーティブ職員的な働きをしている職員、それから庁内調整的な仕事の職員ということがありますので、一概には申し上げることはできません。
ネーティブ職員についてですけれども、現在3人おりまして、最長5年間という形の中での任用をしております。これにつきましては、本人の意向も更新の時期に聞きながら、本人にとって何が一番いいのかというようなことを最優先にして検討してまいりたいというふうに思っております。
次の県立大学の国際関係学部の活用ということですけれども、先般、5月に米国との交流の中で、去年、ロジャー・ウイリアムズ大学がまいりまして、そこが県内の大学と交流をしたいということの中で、その1つに県立大学も入っております。そのほか、県立大学は県下の大学の県立大学ネットワークの取りまとめ役をやっていただいておりますので、その地域外交の面では、いろんな面において、今後も活用していきたいというふうに考えております。
それから、市町との連携につきましてですけれども、日常的には、特にことしは浙江省友好30周年というようなこともございまして、市町の担当者には常にメール等でやり取りをしているところでございます。市町の中でも中国に関して言いますと、友好協定を結んでいるところ、それから、結ぶことを検討しているところ、そういうところを重点的に連絡調整を図っているところでございます。
次は、国連軍縮会議の県としてのかかわりということでございますけれども、昨年度、静岡市の担当課が地域外交課へまいりまして、補助金を一定額出していただきたいというようなお話しでしたが、全体的な事業計画がその時点ではっきりしていなかったということ。それから、過去に浜松市でも同じような会議をやっておりまして、その浜松市に関しては補助金を出していなかったというような事情もございまして、総合的に勘案しまして、県としては補助金は支出しないというような形でお答えをしております。
それで、国連軍縮会議のいろいろ会場等で、県の施設を使うようなことがあれば、最大限、協力をしますよというようなことも申しましたですけれども、現在のところ、会場使用等に関する協力依頼というのはございません。
平成27年度の国連防災会議につきましては、この会議につきましては、私どもとしては承知をしていません。
それから、静岡市が台湾の新北市と交流を始めるということでございます。観光交流分野での協定の締結を目指すというふうに聞いております。県としましても、今年度、当課に新たに配置しました台湾専任職員により現地との連絡調整等を通じた支援を行う予定でございます。
先ほどの東南アジアの点で、東南アジアの予算につきまして、東南アジア単独では、幾らというような予算では提示をしておりませんで、40ページの地域外交展開事業費の中で、地域外交戦略のところに950万円での交流団の派遣受け入れ、賓客招聘等というようなところがございます。東南アジアからそういった交流団等が来たり、派遣をするというような事態になりましたならば、ここの950万円の中の予算を使うということで予定しております。以上でございます。
○河森多文化共生課長
委員の御質問のうち、県立大学の国際関係学部の連携につきまして、多文化共生課のほうからも1点御説明を申し上げます。
地域外交の戦略の一つには、国内に住まわれている外国人の方との共生、日本人との共生という課題もございまして、その中で県立大学の国際関係学部には、多文化共生に関して指導を行っている先生がおられます。その先生との情報共有ですとか、連携ということをさせていただいておりまして、昨年度は静岡市の国際交流協会が開きました国際交流フェスティバルの中に県もフォーラムの場を設けさせていただきまして、県立大学の先生の講演をいただくというようなことでもかかわりをもたせていただいております。
それから、留学生についてですけれども、留学生にはふじのくに留学生親善大使という事業で、毎年20人の留学生を国際交流のかけ橋となっていただくという形で県から委嘱をしております。その中に毎年、県立大学からの留学生も手を挙げてくださっておりまして、ことしの人数は確認しておりませんけれども、毎年3人から4人の留学生が県立大学からもこれに参加してくださっているという状況にございます。以上でございます。
○長澤地域政策課長
内陸フロンティアを開く取り組みに関連しまして、防災集団移転促進事業、個人の支援の関係でお答えをいたします。
この防災集団移転促進事業につきましては、国の補助事業ということで、国土交通省の所管しております補助事業でございます。これにつきまして要件を満たして適用されますと、移転先の用地取得、あるいは造成費用などについて補助が受けられるということですけれども、原住地――移転する前の土地については、建築制限がかかりまして、災害危険区域に指定される。あるいは、住宅の建設の費用につきまして、やはり一部、個人負担が発生するという課題もあるということでございます。
こうした課題等も含めまして、高台移転を目指すに当たりましては、委員おっしゃいましたとおりに、地域住民の合意形成というのが第一でございます。県といたしましては、地域住民と向き合う市町に対しまして、必要な情報の提供ですとか、国等の関係機関との調整を行いまして、市町との取り組みを連携して行っていって、最終的に地域住民の皆様が納得できる結論を出せるように努力をしていきたいというふうに考えております。以上でございます。
○増田エネルギー政策課長
節電の呼びかけにつきまして、ピークカットについてしっかりとメッセージを送ったほうがよいという御指摘でございます。
御指摘のとおり、夏場につきましては、平日の13時から16時ごろ、特に電力がピークになるという状況でございます。
今回、国が全国に呼びかけている節電目標は、平日の9時から20時の電力の節電を呼びかけるというのが全国の共通の呼びかけになっております。これはなぜかと申しますと、今回は、全国的に電力需給が逼迫しておりまして、国全体で0.1%ぐらいの予備率という形になっております。したがいまして、夜間も含む揚水力発電も含めて電力需給をやっていくという形になっておりますから、夜についても極力節電を呼びかけるという形になってございます。
委員御指摘のとおり、昨年度は中部電力管内で見ましても、100万キロワットぐらいの節電がございました。そのうち、今年度は、定着節電として見込まれているのは、60万キロワットぐらいということで、意識が確かに薄れてきているというような御指摘もございます。県では、節電の関係を所管しております、くらし・環境部が中心になりまして、節電関連情報を一括して情報発信するホームページ、あるいは、節電省エネのユニークな取り組みを紹介する仕組みでありますとか、あるいは夏季の特に平日午後に営業している小売店と共同した節電避暑店のような、そういう取り組みでありますとか、いろいろ県民に呼びかけていきたいと思います。
また、本年度は中部電力も昨年度から行っている電気予報とか、そういう情報などもよりわかりやすく情報発信をする、またピーク時間を速やかにお知らせするというようなこともやっておりますので、関係機関と連携をとって適切な対応を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。
○大池委員長
質疑の途中でございますけれど、ここでしばらく休憩をいたします。
再開は午後1時半でございますので、よろしくお願いします。
( 休 憩 )
再開しますので、よろしくお願いします。
○鈴木(智)委員
午前中に引き続き、再質問したいと思います。
御答弁ありがとうございました。
まず、合計特殊出生率2の件なんですが、私の問題認識としては、別にこれについて細かい政策まで聞くつもりは毛頭ございません。ただ、企画広報部はまさに知事戦略局があるとおり、県の総合企画をつかさどる部署でございますので、しかも出生率、人口のこれからの推移というのは、県全体の政策にかかわる話ですので、これについては、正しいというとちょっと上からの話になってしまうかもしれませんが、やはり正しい認識が必要だと思いまして、質問させていただいております。
先ほどの御答弁の中で、10年先ですから、2020年ごろまでに出生率2を達成するよう、現在、目標を定めているということなんですが、10年後に2を達成したら、そのときの静岡県人口、その後2をずっと維持すれば人口減少はとまるのかどうか、お尋ねしたいと思います。
次に、地域外交のあり方についてなんですが、先ほど、地域外交戦略会議の方針については、若干修正があったということなんですが、そのときの原案が手元にあるので、どこがどう変わったのか、もし細かくいっぱいあるのでしたら、あとで資料でも結構ですけれど、主なところ、変更点を教えていただければと思います。
東南アジアの件なんですが、先ほどの話ですと、まだ戦略が詰め切れてない。実はどこに重点を置くかというのはまだ定まっていないということなんですけど、それならそれで、先ほど、対外関係推進員の話をさせていただきましたけど、今回、日本の方だけでなくて、シンガポールの方を2人対外関係推進員に委嘱されていると思うんですが、じゃあ何でこの方は2人ともシンガポール人なのかというのをお尋ねしたい。というのは、ASEANというのは10カ国ありまして、人口が6億人を超えるところですから、なかなかどれかに定めるのは難しいかなと思うんですけど、逆にさまざまな地域があるからこそ、絞りやすい地域は具体的には私はシンガポールかなと思っております。と申しますのは、御案内のとおり、東南アジアの駐在員事務所がシンガポールにございます。そして先ほど申しましたとおり、今回、対外関係推進員をシンガポールの方お二方にお願いしたわけでございます。シンガポールは御案内のとおり、人口は静岡県とほぼ似たような感じではございますが、逆にそういった都市国家だからこそ、各国との交流が非常に盛んでございます。ましてや、シンガポール、御案内のとおり、いわゆる多民族国家でございます。中国系もいれば、インド系もいる。マレーシア系もいる。さまざまな背景を持った方がいらっしゃるわけですから、シンガポールと交流を深めることが、すぐにさまざまな地域、さまざまな文化の方との交流にもつながるわけですから、逆にまだ定まっていないのであればまずはシンガポールに定めてやってみるのはいかがかなと思うんですが、その点についてお尋ねしたいと思います。
先ほどのミャンマーの件については、これはまだ具体的にどうこうするというのは決まっていないという認識でいいのかどうか。それと、私は先ほど静岡県とミャンマーは、歴史的に深いつながりがあると申しましたが、その点について御答弁がないのですが、課長、もう一度、静岡県とミャンマーと関係についてどう御認識されているのか、確認をしたいと思っております。
それと、人材の件でございますが、プロとして育成するにはどれくらいかわからんと、確かにそのとおりだと思うんですけど、最低限これくらいは必要だとか、そういったものは必要だと思うんです。川勝知事になってから、異動の期間がこれまでよりも延びたかと思うんですが、特に地域外交については、海外の人を相手にするわけですから、県内の人を相手にするのとは全然違うと思うんです。だから他の部署以上に地域外交課の職員については、任期を長くする必要があると考えますが、その点についてお尋ねをしたいと思います。
それから、ネーティブ職員の任期つきの職員の方、最長5年ということでした。その後については、その方の意向を踏まえてということなんですが、その方が望むのであれば、10年でも、20年でもいていただけるものなのか。むしろ私は、いていただくべきだと思うんですが、その点について確認をしたいと思います。
国際関係学部については、了解いたしました。
市町についても、随時メール等でやっているということですが、先ほどの静岡市との関係については、防災会議についてはまだ承知していないということだったんですが、少なくとも軍縮会議については、補助金は要請があったが却下したということです。ハードについては特に要請がないということなんですが、国連軍縮会議でしたら、国レベルではありますけれども、世界各国からいろんな方が、またその方に伴ってマスコミ等々、あるいはその他、もしかすると利害関係者も来るかもしれないので、まずはどういった方が来るのかを外務省に問い合わせて、静岡県のためになるという方が来るのであれば、せっかく静岡に来ていただくんですから、その方と面談するなり、意見交換する場を持つべきだと思うんですが、その点について確認をしたいと思います。
内陸フロンティアについて、集団移転については確かにそのとおりだと思うんです。私は個人についてもやっていくべきだと思います。ただ、これは私が理解するには、国にはそういった制度がないので、これは県独自のスキームだと思うんですが、例えば、私の地元もそうなんですけれど、やっぱり怖いから内陸フロンティアの内陸地域に移転したいと、こういった理由がある方については、例えば固定資産税を減免するとか、何らかの県独自のスキームがあってもいいのかなと思うんですけど、その点について、御所見をいただきたいと思います。
節電については、なるべくわかりやすくお願いしていただければと思います。以上です。
○佐藤企画課長
人口減少の関係についてお答えいたします。
先ほど、合計特殊出生率2という話をさせていただきました。亡くなる方、生まれる方があり、人口をある程度維持するためには、社会的には2.08という数字が望ましいと言われておりますが、総合計画の中では2という数字を掲げさせていただいております。
それ以外に、人口増減の要因といたしまして、社会増減がございます。いわゆる転入転出ということがございますので、人口の減少がどうなるかというお話になりますと、もちろん2という数字を加減させていただいて、いわゆる生まれる方をある程度ふやして、人口の減少をとめるということもございますし、総合計画全体では、静岡県を魅力あるところにしまして、外から入ってくる方、転出よりも転入の方をふやすということを考えておりますので、そういった中でなるべく10年後、人口が減らないように総合計画の施策を総動員して努めていきたいというふうに考えております。以上でございます。
○深谷地域外交局長
地域外交のあり方について、どういう点を修正したかという主な変更点でございます。こちらにつきましては、地域外交戦略会議の段階におきまして、知事等からいただきました意見を踏まえ、特に地域外交基本方針を定める背景、基本理念につきまして、知事等と協議して、また知事等の御指示をいただきまして、修正したところでございます。
中身的には、主にグローバル化の進展の中で、交流単位が国家だけではなく、地域が直接世界等を相手にしていくという背景をしっかりあらわすということで、本県もいまや対外関係の一つの交流単位になっているということなどをはっきりと背景の中にうたい込むとともに、理念においては、内政と外交の一体化、対外的に静岡県の存在を高めていく、そういった幾つかの追加の御指示等をいただきましたので、それを踏まえまして、基本理念の中で、特に(3)対内政策と対外政策の一体的経営とか、富国有徳のふじのくにの実現と対外的発揚などを加えるなど、背景、基本理念について中心的に変更いたしました。以上でございます。
○後藤地域外交課長
東南アジアの件につきまして、お答えをしたいと思います。
まず、シンガポールに在住の方を対外関係推進員として2名委嘱をしております。シンガポールにつきましては、東南アジア全域のヒト、モノ、情報が集まる地域だというようなことで、駐在員事務所も構えております。そのシンガポール国内におきまして、本県から進出する企業への支援でありますとか、県産品の販路拡大でありますとか、観光誘客等の取り組みを進めております。
今後は、対外関係推進員のアドバイスもいただきまして、シンガポールだけではなくて、東南アジア各国において、先ほど私が申し上げた3点を県としての施策がどの程度できるか、これを検討しながら進めていきたいというふうに考えております。
それから、ミャンマーと本県との歴史的なつながりということでございますけれども、申しわけありません。ちょっと私、不勉強でございまして、その辺の把握をしておりません。速やかに勉強したいというふうに考えております。
それから、職員の話でございますけれども、地域外交に携わる一般職員につきましても、キャリア・ディベロップメント・プログラムの中で、本人が希望し、適性があるという職員につきましては、できるだけ長く在籍するような措置をとっていきたいというふうに思っております。
任期つき職員も同じでございまして、5年間という期間はありますけれども、本人の希望によりまして、我々と同じ一般職への登用と言いますか、そういったものを検討しているところでございます。
それから、静岡の軍縮会議につきまして、先ほどの午前中の答弁の中で、県として却下したというような表現で答弁したかもしれませんけれども、市のほうから補助金の要請がございまして、我々のほうも検討しました。そのときに申し上げましたのは、静岡市民に対するメリット、それから県民に対するメリットを考えて軍縮会議の周辺にある市民参加事業を組み立てて、検討してもらいたいというようなお話をしました。しかし、そういった事業の組み立てができないというようなことで、最終的には静岡市のほうから補助金については取り下げがあったという経緯がございました。
それで、委員御指摘のとおり、この軍縮会議に参加される海外の要人について、静岡市のほうへ問い合わせをしまして、県としてこれは地域外交上、面談等をする必要があるという方につきましては、連絡等をとりまして、その面談等についてのセッティングをしていきたいというふうに考えております。以上でございます。
○長澤地域政策課長
高台移転への個人への支援の関係でございますけれども、今現在、これをということは思っているわけではありませんけども、これにつきましては、内陸のフロンティアを開く取り組みの中で、全体構造を今、検討しているところでございますので、その中で減災・防災対策としてどのようなスキームが描けるかということの中で、検討してまいりたいと考えています。以上でございます。
○鈴木(智)委員
あと2点だけお尋ねしたいと思います。
合計特殊出生率の件ですけれども、2.0を10年後に達成し、その他社会的増減についてもさまざまな施策を動員すれば、平成32年ごろには、何とか現状ぐらいの人口は維持できると。その後も2.0を維持できればずっと維持できるというお考えなのかどうか、済みません、しつこいようですけれども、確認をしたいと思います。
それと、地域外交ですが、まず任期のほうですけれども、5年間終わった後の本人が希望して、それなりにふさわしいということであれば、一般職員への登用もあり得るということでよろしいですか。再確認です。
それと、ミャンマーについては、ぜひ課長、知っておいていただきたいんですけど、実は非常に深いつながりがございます。ぜひこの本を読んでいただきたいんです。なぜかというと、今、アウン・サン・スー・チーさんが国連に行ったり、ノーベル平和賞受賞の演説を20年ぶりにやったりとか、あるいは出身だったオックスフォードに行ったりしていますが、アウン・サン・スー・チーさんの父であるアウン・サン将軍というのは、それこそ当時のビルマの独立をかち取った非常に国全体で尊敬されている方でいらっしゃいます。アウン・サン将軍をお助けしたのが浜松出身の鈴木啓司さんという方、日本陸軍の方で、当時ビルマはイギリスの植民地でしたから、アウン・サンさんは、何とかイギリスから独立したいといろんなところを当たっていたんです。それを聞きつけて、アウン・サンさんを引き込んだのが日本陸軍でございまして、その中心者が鈴木啓司さんという方で、浜松の出身でございます。浜松出身の方なんですけど、その方はかなりアウン・サンさんの思いに引き込まれて、軍のトップは認めていないようなこともやっていくと認めてしまったものですから、かなり御自身が御苦労されました。例えば、浜松の小松旅館というのが当時あったらしいですが、泊めてあげたりだとかしていたわけです。実際に日本がビルマと、当時のイギリスと戦争を開始して、ビルマに侵攻して、その結果、かいらいではありましたけども、ビルマが独立を果たします。その後、鈴木啓司さんは、任を解かれて日本に戻ってきて、その後御案内のとおり、またイギリスがビルマに来て、日本から奪還するわけですけども、そのとき、アウン・サンさんは、日本の軍のトップが自分たちの思うとおりにやってくれなかったものだから、最終的にはイギリス側について、それで最終的には独立を勝ち取るわけです。その際、日本軍が撤退する際に、南機関とおっしゃっていたんですけど、南機関には手を出すなと言って、無事に日本に帰れた。そして、この鈴木さんという方は戦犯になるんですけども、アウン・サン将軍は、自分が受けた恩恵があるものですから、恩赦をしたと。要は戦犯から解放させてあげたという経緯があるわけです。ですから、そういったことを記念して、アウン・サン・スー・チーさんも京都大学に留学されていましたけど、お父さんの足跡を訪ねようと浜松に来て、舘山寺の山のところに碑があるんですけども、そういった碑を見に行ったりしています。そういった非常に深いつながりがあるところですから、ミャンマーと静岡の関係は、逆に言えばちょっとしたきっかけで深まることができると思うんです。ですから、その点をぜひお願いしたいと思いますが、これは要望で結構ですので、お願いいたします。以上です。
○出野知事戦略監兼企画広報部長
合計特殊出生率2.0の関係でお答えいたします。
人口減少社会になって、現実のものとなってきたわけですけれども、静岡県――ふじのくにが活性化していくためには、人口減少というのは何としても避けなければならない。こういった中で、先ほど企画課長がお答えしましたように、自然増に関しましては、出生率2.0を目標に頑張っていきたい。あわせまして、社会増、これは総合計画の中にもございますけれども、まず、静岡県の魅力を全国に発信すると。それによって交流人口を拡大する。交流人口が拡大することによって、静岡県の魅力が一層認知されて、それが移住・定住につながっていくと、こういった方式を今、とっているわけでございます。移住定住につきましても、文化・観光部のほうで現在、モデル的な事業等も行っておりますけれども、交流人口の拡大、それが移住・定住人口の増につながって、片方では少子化対策で自然増もいくと。こういった中で、静岡県――ふじのくにの活性化を総合計画の中で着実に進めることによって、活性化をこれからも努めていきたいということで、両輪として自然増、社会増を含めて人口増をねらっているというふうに御理解いただければと思います。
○後藤地域外交課長
任期つき職員の一般職員への登用、身分切りかえの件についてでございますけれども、過去、技術の職員でも例があるということでございますので、本人の意向も確認した上で、検討してまいりたいというふうに考えております。以上でございます。
○鈴木(智)委員
最後に、あと1点だけ、先ほど人口減を何とか食いとめるというお話をいただきましたけど、静岡県総合計画の参考資料にも入っています。有名な国立社会保障人口問題研究所の推計によりますと、平成32年ですから、あと8年後なんですけども、その推計では、静岡県は362万3000人まで減少するということになっています。平成19年のものですから、若干古いですから、最新のものを見れば、上方、あるいは下方の修正があるかもしれませんが、この推計によると、平成17年に比べて17万人減という推計になっているんですが、先ほどの部長のお話ですと、17万人という減少は、出生率を上げるとともに、社会的な移動を何とか確保できれば、まだ十分この達成が目標であると認識しているということでよろしいのかどうか、そこだけ最後、1点お願いします。
○出野知事戦略監兼企画広報部長
そういうことで理解していただければ結構です。17万人の減がどこまで食いとめられるかは、現時点では何ともわかりませんけれども、出生率2.0と合わせて、社会増。ふじのくにの魅力を全国に発信する、あるいは世界に発信することによって、社会増をふやしていくという中で、何とか食いとめていきたいというふうに考えておるというふうに御理解をいただければと思います。