○鈴木(智)委員
ふじのくに県民クラブの鈴木智でございます。一問一答方式で大きく4点お尋ねしたいと思います。よろしくお願いいたします。
1点目が、今もいじめの問題が議論されましたけれども、LINEによるいじめ相談でございます。
これはたしか議会事務局政策調査課でつくっていただいた資料に入っていたものだと思うんですが、それによりますと長野県では9月の2週間、LINEを活用して中高生を対象にいじめ、自殺相談を試行実験し、2週間で547件の相談があったと。2016年度の年間電話相談件数259件の倍以上だったんですね。ですから長野県教育委員会では本格的に導入したいということですけれども、ここではいじめ、自殺相談だったんですが、例えばそこまでつながるトラブルみたいなものもぜひ対象にしていただけないかと。これは非常にいい取り組みだと思うんですね。
私も中3の娘がおりまして、本当は高校に入ってからスマホを持たせたかったんですが、何だかんだ中2から持たせておりますけれども、やはり中心に使っているのはLINEなんですね。ですから特に女子、恐らく男子もそうだと思うんですけれども、スマホを持っていれば大体の方がLINEを使っていますので、なれているLINEによる相談が逆にしやすいことだと思うんですね。
なので、静岡県でもまずは長野県の取り組みを勉強していただいて、ぜひ導入していただきたいと思うんですが、その点についてまずお尋ねしたいと思います。
○増田人権教育推進室長
LINE――短文テキストアプリによる悩み相談ですけれども、長野県の事例がありまして、確かに大変相談しやすい窓口ということで、子供たちに有効な手段ではないかと私たち静岡県も注目しております。
先日、産官学が今後協働して研究開発していくSNSカウンセリング事業が立ち上がったということで説明会に行ってまいりました。またほかの県の動きなども見ながら、来年度静岡県の方向を考えていきたいと思っております。
○鈴木(智)委員
LINEのいいところは、情報発信もできることですね。電話ですと受ける一方になります。一々電話で一人一人大丈夫かって、もちろん具体的に相談があればあるかもしれませんが、LINEですからアカウントで登録してもらえさえすれば不特定多数に送れますよね。あとLINEですから、スマホもそうですしパソコンが使えるわけです。
ですから、電話ですと電話のところに相談員がいなくちゃいけませんけれど、例えば長野県の場合ですと臨床心理士さん、カウンセラーがそこにいなくてもやりとりができる。そういう意味ではいろんないい面があると思いますので、既に研究されているということでございますので、ぜひ積極的な導入をお願いしたいと思います。
次に、バカロレアについてお尋ねします。
9月議会でも議論させていただきましたが、有識者からの提言について議論させていただきました。これからの10年間では他の動向を注視しながら先進事例等を研究するということだったので、私は消極的じゃないかなと申し上げました。
先日、それを受けて県立高校第三次長期計画案が示されて、表現が当初の提言案に比べるとかなり積極的になったのかなと、前向きな書き方になったと思いますけれども、そのような理解でよろしいでしょうか。
○小野田高校教育課長
今回パブコメに出しました計画案につきましては、10番委員御指摘のとおり提言よりもかなり前向きな表現を使っております。
具体的には、実現に向けて研究を進めていきたいという表現を使っておりまして、来年度もこのバカロレアにつきましては、バカロレア認定校への職員の派遣、それから新しい研究事業についても検討しているところであります。
○鈴木(智)委員
前向きな対応を非常にうれしく思います。
例えば、10年間あれば実際に実施校、例えば加藤学園とか、場合によっては東京の国際高校に行かれるかもしれないですけれど、そこに行って調査するのは多分2、3年もあればできるのかなと。それでもしできるとなれば、そこから当然人材育成とか人材確保しなくちゃいけないので、それでまた2、3年。
ですから、実際導入することになれば10年間の中で実現できるのかなと、それくらいのスピード感を持ってやるべきだと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
○小野田高校教育課長
バカロレアにつきましては、これまでも先進校に行って研究をしてまいりました。
ただ、本格的に研究を進めるのが先ほどお話ししたとおり来年度からになりますので、スケジュール感につきましてもまた来年度の検討の中で考えていきたいと考えております。
○鈴木(智)委員
具体的にいついつまでとは言えないのは重々承知をしておりますけれども、10年間はかなり長い期間でございますので、もちろんやらない判断もあるかもしれませんが、できましたら10年間の間で実現するよう、前向きに努力していただきたいと思います。
続きまして、静岡市葵区田町にあります青少年会館についてお尋ねしたいと思います。
たしか私が文教警察委員会に入ってから議論がされたことがないと思いますので取り上げたいと思います。
どういうことかと言いますと、ことしの3月23日に経営管理部長から通知が出ております。タイトルを言いますと、普通財産の譲与、無償貸し付け等に関する取り扱い基準の一部改正に関する通知ということで、これまでは土地も建物も県が無償で貸し付けていたボーイスカウト等々の青少年の活動を行っている青少年会館が有償化されることでございます。
ごらんのとおりボーイスカウト等々はボランティア活動ですから、やはりそんなにお金があるわけじゃありませんので、今私もいただいていますけれども、何とか無償貸し付けをずっとしていただけるように署名活動も行っておりますが、もともと県が青少年活動を支援しようとやってきたことですので、何とか前向きな対応をお願いしたいと思うんです。
現時点の検討状況について、青少年会館をどうするのか、有償貸し付けにしてしまうのか、あるいは青少年会館は一般財団法人になっていますので、財団のあり方についてもかかわる問題だと思うんですが、方向性がもしありましたら教えてください。
○山本社会教育課長
青少年会館についてお尋ねいただきました。
青少年会館でございますけれども、昭和53年12月に建物が完成し、昭和54年1月に開館しております。約40年間たっているものでございます。
10番委員から御説明がございましたように、当初から土地と建物を特例で一般財団法人の静岡県青少年会館に無償貸し付けしてきた経緯がございます。この財産につきましては、行政目的に使うものではない普通財産でございますが、今申し上げたように、青少年会館に対して特例で無償貸し付けしてきた経緯がございます。
それで、10番委員からございました通知が平成29年3月に経営管理部から出されまして、再来年の平成31年4月から有償化する内容でございます。原則どおり有償化を行いますと、年間の土地建物の賃借料が約2000万円発生すると。それに対しまして財団に今余裕資金が2000万円しかございませんので、そのままの金額でやりますと1年、あるいは50%程度減免しても2年くらいしかもたない非常に難しい状況になっております。正直なところ我々も対応に苦慮しているところがございます。
ただ、青少年会館だけ無償貸し付けを継続する明確な根拠がないこともございます。その一方で、例えばボーイスカウト、ガールスカウト等々の団体に対しましては、青少年の健全育成に果たす役割や意義が大きい団体でございますので、仮に払えなくて何らかの形で外に出なきゃいけないことになりましても、活動場所については必要なので、そのあたりの活動場所の確保について支援していくことも含めて、財団側の考えもお聞きしながら現実的な対応をもう少し考えなければいけないかなと考えている段階でございます。
○鈴木(智)委員
詳しい御説明ありがとうございます。
先ほど申し上げましたけれど、これはボーイスカウト等々の入館している団体がお金を払うか払わないか以上の問題です。ですからそもそも青少年会館は一般財団法人ですので、青少年会館がなくなれば財団をどうするのかという話にもなりますし、やはり入館している団体だけの問題ではなくて、この財団に出資しているのが県40%、静岡市24%でございますので、県も市も積極的に、主体的に対応を考えるべきだと思うんですが、その点どうなんでしょう。
財団では、青少年会館有償化対策委員会を立ち上げまして8月から議論を始めているようでございますが、署名活動は既にされていますけれども、まだ妙案が浮かんでいる状況ではないようですから、なおさら静岡市等々の他の出資団体とも連携して、県でも積極的にあり方について検討していただきたいと思うんですが、その点今どのような検討がされているんでしょうか。
○山本社会教育課長
これまで、県側としても通知が出る前から財団に内々に情報を伝えたりして、早目に対応できるように支援してまいりました。やはりそれぞれの団体の活動については青少年活動に果たす役割は大きいので、できれば同じところにおりますので、コラボレーションする形で何か活動ができないかこちらから投げかけもいろいろさせていただいたところではございますけれども、今までのところ残念ながら財団から明確なお返事をいただいていないというか、言葉がいいかわかりませんけれども、余り動きがよくない状況でございます。
繰り返しになりますけれども、我々としてもそれぞれの団体の活動の意義は認めているところでございますので、財団側のお考えも含めながら一緒に考えていい形になるように考えてございます。
○鈴木(智)委員
この本会議で先輩の阿部議員からもボーイスカウトの質問をさせていただきました。その中で教育長がボーイスカウト活動は青少年の健全育成に大きな貢献をしているものと認識しておりますと。似たような話は既に今山本社会教育課長からもありましたけれども、やはりこれからも引き続き支援するべきだと考えていますので、万が一今の場所が使えない場合には、ぜひ代替の場所を確保していただきたい。もちろんある程度の使用料は支払わざるを得ないのは私も認識しております。
そこで提案なんですが、例えばふじのくに地球環境史ミュージアム――県立静岡南高校の跡地ですけれども、ここなんかは最適な場所なんじゃないかなと思うんですね。もともとは高校でしたから教育委員会、今でしたら文化・観光部の所管で、もちろん今はほとんど標本を入れたりとか使われているのかなと思うんですが、御案内のとおりあそこはまさに化石とか標本とか、それこそ青少年にぜひ触れていただきたい資料がたくさんございますし、たしか裏山にオリエンテーリングか何かできるものがあったと思います。あとグラウンドもありますので、そういった意味ではここは最適な施設かなと思うんです。
もちろんこういったことを前提とした建物じゃありませんので、やはり乗り越えなくちゃいけないハードルがたくさんあると思うんですけれど、ぜひ御検討していただきたいと思うんですが、その点いかがでしょうか。
○山本社会教育課長
実は平成26年度に行財政改革推進委員会から意見あるいは見直しについて、現在の場所については利便性が低いんで他の公共施設などへ早急に移転を検討しなさいよという意見もいただいております。
その段階でいろいろ調べたところなかなかいい場所がないと。県有施設の空き状況等からその段階では移転できるいい場所がないことは一応調べているところでございます。また今10番委員から御意見、御提言いただきましたので、また改めてそのあたりも検討させていただきたいと思います。
その一方で、個別の団体さんからの意見を聞きますと、やっぱりまちの真ん中のいい場所にほしいという意見も若干いただいているところもございますので、団体側の御意見も踏まえながら適切に対応してまいりたいと考えてございます。
○鈴木(智)委員
もちろん町なかにあれば理想でしょう。ただあの場所は私の地元の駿河区ですけど、そんなに悪い場所じゃないと思いますので、ぜひ前向きな御検討をお願いします。一応期限が切られておりますので、早急に何らかの解決策を出していただきたいと思います。
最後に、県立中央図書館について再びお尋ねしたいと思います。
3点ございます。まず1点目は前回も議論させていただきました教育委員会、あるいは県知事から東静岡駅南口に全面移転する方針が示されました。これにつきましては我が会派でも話し合いをしておりまして意見が二分しております。東静岡駅南口でいいんじゃないかという意見と、それではいけないという意見がありまして、私はどちらかというと後者ですが、とはいえやっぱり東静岡駅南口に移転するしかないかなと思っていますので、それはやむを得ないかなと思いつつも、ただ前回お問い合わせしましたけれど、私はまだ谷田地区につくる可能性はゼロじゃないと思っているんですね。
なぜかと言いますと、資料をいただきましたが、例えば谷田地区に建てられるとしたら実は3案あったわけですね。1つが今の建物を壊してつくり直すと県立中央図書館が閉館してしまう時期が長くなりますし、引っ越ししたりするお金もかかりますので、これは難しいだろうと。
もう1つは、これは9月議会で御説明いただきましたけれども、旧埋蔵文化財センターの跡地。ここだと十分な広さのものができないことで難しいんじゃないかと。
あと3点目は、これまで御説明いただけなかったんですが、資料をいただきました。具体的には県立中央図書館北西隣接地に単独館で整備した場合で、私は十分可能性があると思っていますが。
ただ、3つほど課題があるということで、一応文書ではいただいたんですけれど、納得できる説明はいただけなかったものですから、県立中央図書館北西隣接地に単独館で整備するのは難しい理由につきまして改めて御説明いただきたいと思います。
○山本社会教育課長
10番委員の質問の場所は、県立大学の西側といいますか、今の図書館あるいは美術館の北側の場所だと思いますけれども、現在植樹がされている通路みたいな散策路の場所でございまして、我々も初期の段階ではここも1つの候補地になるのではないかと検討させていただいたところは事実でございます。
幾つか課題がございまして、1つは県立大学が都市計画法上、県立大学の用途になっていまして、用途変更が必要で、時間が少しかかることとか、あるいは6月議会でも御説明させていただいたかもしれませんけれども、いわゆる赤道と言っておりますけれども、こちらの買い取りが必要であるとか、あるいは現在散策路になっておりますので、散策路を潰すことで御批判もあるのではないか等もございまして、なかなか難しいので選択肢から外した経緯がございます。
○鈴木(智)委員
赤道の費用はたしか2億円でしたね。だからクリアできない課題じゃないと思うんです。もう1つの用途変更だと、確かに関係のところと議論しなくちゃいけませんが、実際に用途変更をやろうとしたらどれくらい時間かかるものなんでしょうか。
○山本社会教育課長
手続について、あるいは時間的な問題について厳密にどれくらいとは申し上げられませんけれども、都市計画の開発協議等々、都市計画法上の問題をクリアした上で開発行為ですかね、そのあたりも多分必要になると、ここははっきりわからないんで申しわけないんですけれども、それなりに時間がかかるはずでございます。
○鈴木(智)委員
それについてはまた改めて教えていただきたいと思います。
次に、9月議会から12月議会の中でいろんな議論が行われておりまして、まず1つが有識者会議ですね。11月10日に開催されて、私も傍聴させていただきました。また一般の方からの意見聴取で、文教警察委員会説明資料に書いてありますけれども、11月28日から12月7日にかけて県内3会場で行ったと。私も静岡会場については傍聴させていただきました。加えて12月5日には市町立図書館の職員からも意見を伺ったということです。
この中で出てきているのは、実際の有識者会議でも出てきましたし、私も去年の一般質問で取り上げさせていただいたんですが、ぜひ公文書館の機能も入れていただきたいと。ただ東静岡駅南口に入れるのは難しいかなと思いますので、例えば前回も議論させていただいたかと思うんですが、東静岡駅南口に全面移転した場合、谷田地区に跡地ができますので、例えばそこに何らかの施設、場合によっては公文書館をつくる議論を今からしてもいいのかなと思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。
○山本社会教育課長
公文書館について御質問、御意見をいただきました。
公文書館に関しましては、所管が経営管理部の法務文書課になります。確かに公文書館の議論は有識者会議等の議論でも出ておりますので、経営管理部にも情報提供等させていただきながら状況等は説明しているところでございます。経営管理部のお考えもあろうかと思いますので、そのあたりも踏まえながら対応していきたいと思います。
○鈴木(智)委員
ぜひ連携といいますか、取り組みをお願いしたいと思います。
最後に、今申し上げました有識者会議も既に1回開かれておりますし、利用者の方からの意見交換会も職員のものも含めれば4回行われたんですが、ただ今回説明資料にも行ったというだけでどういった議論がされたのか全然書かれておりません。やはり県立図書館ですから、できれば全県で利用していただきたいし、まだまだあそこに図書館があることを知らない方も多いと思います。
静岡会場での意見交換会に参加しましたけれども、大半といっては言い過ぎかもしれませんけれど、図書館友の会の関係者が多かったような気がしますので、ぜひこの議論をもっと広く一般の方にも説明というか公開していただきたいと思います。
東部、西部にどういった方がいたか私もわかりませんけれども、人数は10名程度で、そんなに多くの方から意見を聞いているわけじゃありませんので、構想ができてからどうですかと意見を募るのも当然必要だと思うんですが、その間の議論を盛り上げていただきたいと思いますので、ぜひホームページ等々でも公開していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○山本社会教育課長
10番委員からも御意見いただきました。
おっしゃるとおりだと思い、この意見交換会等で出た意見に関しましてはホームページ等に掲載して、また御意見等をいただけるきっかけをつくりたいと思っておりまして、今準備を進めております。ちなみにどんな意見が出たかお尋ねになりましたので、少し御紹介させていただきたいと思いますけれども、東部、中部、西部3カ所で行いまして、全部で45名参加をいただきました。
それで、県民の方から建設的な意見が非常に多く出されまして、比較的共通するといいますか、出てきたことを集約的に申しますと4点ございまして、1つはやっぱり静岡県ならではの図書館をつくってくださいということ。
それからやはり1館しか整備できませんので、東部、中部、西部、県全体のことを考えますと、地元の市町立図書館の支援をしっかりやってくださいという御意見。
それから3つ目としては、市町立図書館とはやっぱり違うので、県立ならではのサービスをしてくださいと。
それから4つ目といたしましては、県内の図書館ネットワークの中核になりますので、直営でやってほしいという意見が出てきたかなと考えています。
○鈴木(智)委員
ぜひ早目に公開していただきたいと思いますし、あと実際私が傍聴した静岡会場での意見交換でも出ていましたけれど、皆さんも自分の意見がどこまで反映されたかやっぱり知りたいんですね。ですからもちろん皆さんから出た意見の全部に対応できるわけじゃありませんので、これはこうしました、これはこういう理由でできませんとか、難しいですみたいな回答といいますか、方針も含めた公開を早急にしていただくようお願いしまして質問を終わります。ありがとうございました。