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人口減少対策特別委員会 (平成27年1月13日)

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○鈴木(智)委員
 幾つか申し上げたいと思います。
 まず、提言1(1)に、人口減少対策に対する認識の共有とありますけれども、今回、有識者会議からもさまざまな提言が出ておりますけれども、ただ今回の提言でやられていないのが、そもそも何で人口減少が続いているのか、あるいはなぜ出生率が――最近若干上がっていますけれども――これまで下がり続けてきたか分析がされてないんです。たった3回の有識者会議なものですから、それはやむを得ないです。では、県のほうでそういった分析はされているかというと、正直されていないんですね。
 私、厚生委員会の委員でもあるものですから、例えば県内の中でも裾野市とか長泉町はもう1.8、1.9という非常に高い出生率を誇っているわけですけれども、それが果たしてどうしてそうなっているのか。例えば長泉町、裾野市の政策が非常にすぐれていて、それと同じことを他の市町でやれば上がるかというと、必ずしもそうはならないわけですね。というのは、もしかすると、裾野市あるいは長泉町が非常に子育てしやすい環境だから、他の市町からもともと子育てをしたい、結婚したいという方が集中している可能性があるわけなんです。それは逆に言えば、長泉町や裾野市は出生率が上がったけれども、ほかは下がっている可能性もあったりするわけですね。そこら辺をまず分析ができていないと、どういった政策をすればいいのかという、実際の対策がなかなかうまくいかない可能性が出てくるものですから、僕はそこをしっかりやるべきだと、そこをぜひ提言の中に入れていただきたいと思いますし、あと人口減少を引き起こすような問題、さまざまあると思うのは重々承知しておるんですけれども、ただ全部が全部悪い話じゃないはずなんです。
 例えば、国土交通省のほうから、いわゆる災害危険地域に住んでいる人口が74%いるということだけれども、人口減少が続くということは、逆に言えば安全なところでもどんどん空き家が出てくるわけですから、そこに例えば危険なところから移住してもらえれば、災害対策等々になるわけです。人口減少が引き起こす問題というのはそもそも何なのか、人口減少が続くと、逆に人口増にしないと解決しない問題なのか。あるいはたまたま制度が人口減少に対応できないから、制度を人口減少に対応できるものにすれば解決できる問題なのか、そこら辺をしっかり分析して、そこを共通認識していかないと、これまで既に20年以上にわたって人口減少対策が続いているわけですから、それがうまくいかなかったというのは効果を分析することにもつながるわけですから、まずそこをしなければいけないんだろうと思いますので、その辺のところを提言に入れていただければなと思います。
 あと将来ビジョンの策定につきましては、これは鬼頭先生もおっしゃっていましたけれども、来年度以降設置される県民会議でやっていくという話なんですけれども。これもそれなりのスピード感を持ってやっていかないといけないことだと思いますし、例えば総合計画との関係でどうなっていくかというところもまだ整理されていない部分があると思いますので、そこら辺のところをしっかり、早急に、見通しというかビジョンを出すように提言に入れていただければと思います。
 それと27ページ提言2(2)の婚活の部分なんですが、これも私の意見を入れていただきましたけれども、「若者の交流の機会が減っているわけではない」と書いてありますけれども、私が言ったのは、むしろ交流の手段とか場はふえているはずなんです。ただ、残念ながら、そもそも結婚したい、あるいはそもそも女の子とつき合いたい、男の子とつき合いたいという認識が低下してしまっているものだから、SNSみたいな手段が生かされてないということで、これは減っているわけじゃなくて、むしろふえているというふうに表現を直していただければと思います。
 あと28ページ提言2(4)の企業に対する働きかけなんですけれども、ぜひ入れていただきたいのが、ワーク・ライフ・バランスの推進を入れていただきたいなと思っています。というのは、どうしても子育て支援となると、育休だとか、あるいは短時間労働というところになってしまうんですけれども――これも島田市の方が来たときに言わせていただきましたけれども――まず既に子供を育てている我々が、理想的な夫婦像を示していかないと、なかなか私たちの子供、あるいはその先の世代の子供たちが、自分のお父さん、お母さんみたいに結婚して子育てしたいというふうにならないと思うんです。ですから、既に子育てをしている世代が、ちゃんと仕事と家庭が両立できるような環境を示していくことが、結果的に自分たちの子供が引き続きお父さん、お母さんのように結婚して子供を持ちたいというふうな夢につながると思うものですから、ぜひワーク・ライフ・バランスのことも入れていただきたいなと思います。
 それと提言3(4)ワンストップの窓口なんですけど、ぜひ海外にもワンストップ窓口をやるべきだと思うんですね。というのは、どうしても人口減少の話になると、いわゆる外国からの移住、定住という話になりますけれども、――ただこれを強制的にやるのは僕は反対なんですけれど――やはり中には日本のことがどうしても好きだから、独身だけれども日本に住みたい、できれば日本人女性と結婚したい、男性と結婚したいという方が多分いらっしゃると思うんです。静岡県の場合には、御案内のとおり、韓国とかシンガポールとかに事務所があるわけですから、そこでぜひ、日本に住みたい、日本好きな外国人を積極的に静岡県に取り込んでいくような仕組みも僕は必要なんじゃないかと思っています。
 あと提言3(5)、(6)の移住の支援制度なんですけど、これも申し上げたと思うんですが、結局、例えば移住する方にこれだけお金を差し上げますよ、あるいは土地を無償提供しますということは、これは他の都道府県もやる話なので、これをやり過ぎちゃうと、消耗戦の話なわけです。静岡県は100万円出したけど、うちは200万円出そうというので、これも必要ないというつもりはないですけれども、こればっかりに頼ってしまうと、繰り返しになりますが、消耗戦になってしまう恐れがありますので、そうでなくて、そもそも既に今住んでいる我々が静岡県はいいよというふうになれば、ほかの県からも来ようという話になるわけですから、基本はまず住んでいる我々が――これ当たり前の話で、既にやっている話でありますけれども――住みやすい町に、あるいは静岡県になれば、自然と他県から来るわけですから、そこをまず基本に返れという話なんですけれども。そういう部分も入れていただかないと、何かその移住者ばっかりに目が向いてしまうと、やや消耗戦になりかねないですし、そもそも我々が住んでるところは何なのだという話になりかねませんから、その部分を入れていただければなと思います。以上です。

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