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決算特別委員会(交通基盤部・収用委員会関係)議事録(平成24年11月16日)

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○鈴木(智)委員
 民主党・ふじのくに県議団の鈴木智でございます。6問お尋ねしたいと思います。
 まず初めに、主要な施策の説明書50ページにございます砂防の状況について伺いたいと思います。
 まだちょっと不勉強な部分もあるもんですから、もしかするととんちんかんな質問かもしれませんが、土砂災害危険箇所の施設整備状況ですとか、土砂災害危険箇所の法指定状況について説明がございます。ただ、国土交通省分とあるのでお尋ねしたいんですが、前のほうのページに、県では国庫補助事業等の対象にならない事業について県単独でやっているといろいろ説明がございます。ですから、その部分は除かれるのかなと思って聞くんですけれども、この施設整備状況、法指定状況は、県単独事業分を入れるとどうなるのかお尋ねしたいと思います。

 次に、この施設整備状況の数字を見ますと、それぞれ整備率がありますけども、平成23年度の1年間でおおむね0.4%から0.6%の進捗ということでございます。ということは、単純に計算しますと現在の整備率は2割から3割程度でございますので、年0.4%から0.6%の進捗率となると、100%整備しようとしたら、150年とか200年という年数がかかる計算になってしまいます。
 昨年の東日本大震災を受けて策定された内陸フロンティア構想では、皆さん御案内のとおり、現在の沿岸部のほうに集中してしまっている都市の基盤ですとか産業基盤の構造を変えて、より津波や地震に強い静岡県をつくっていこうということで、なるべく内陸のほうに企業等の移転を推進しようと。そういったものが、今回の内陸フロンティア構想だと私は理解しております。
 同様に、自然災害というのは沿岸部だけではなくて、土砂崩れとか、深層崩壊とかいろいろ言われてますが、当然山間部でもさまざまな自然災害が起きるわけでございます。内陸フロンティア構想と同様に、山間部における砂防についても従来の発想を転換してやっていかないと、やっぱり100年、200年かかるというのは、県が取り組む体質としては正直いかがなものかと思うもんですから、そういった発想の転換が必要だと思います。
 昨年、東日本大震災が起こって、先ほど説明がありましたけど、その後国から補助金がいろいろ追加で来たり、県も補正予算を組んだりしてましたが、平成23年度においてはそういった発想の転換ですとか、さらに0.1%でも進捗率を上げようという取り組みが行われたのかどうか、確認をしたいと思います。

 次に、施策展開表の71ページに移って、同じく砂防の関係なんですけども、こちらの資料の中に土砂災害防止施設を整備し保全する人口が平成23年度までに8万8200人に達したとありますね。目標としては、平成25年度までに9万600人を目指すとありますが、逆に聞きたいんですけども、こうした土砂災害防止施設によっては、保全が必要な未整備箇所の人口というのは逆にどれくらいあるのか、平成23年度の時点で結構ですので、教えていただきたいと思います。

 次に、道路施設長寿命化緊急対策事業について伺いたいと思います。
 施策展開表38ページの真ん中あたりに、道路施設長寿命化緊急対策事業の推進により、管理上重要な橋梁のうち特に劣化の著しい107橋について、平成28年度末までに完了を目指し緊急対策を行ったとありますが、まずこの特に劣化の著しいというのはどういったものなのか。本当にやらないとすぐに落っこってしまうものなのかどうか。具体的にわかりやすく教えてほしいと思います。

 緊急という割には、平成23年度末までに対策が終了したのは、施策展開表38ページにありますとおり52橋ということですから、半分いってないわけですね。先ほどの話の繰り返しになりますが、東日本大震災を受けまして、さまざまな補正予算や追加対策が組まれてますね。現在、第4次地震被害想定の策定が進んでいるわけですから、平成23年度におきましても、緊急対策事業の見直しですとか前倒し等を私はやるべきだったと思うんですが、実際に行われたのかどうか確認をしたいと思います。

 ここには橋梁の話だけが載ってますが、道路施設長寿命化緊急対策事業は道路施設ですから、当然橋梁だけではなくて、道路の舗装ですとかトンネル等についても恐らく同様に、劣化が著しいものについては、多分平成28年度までにやるという計画等があるかと思うんですが、それについて平成23年度まではどのように進捗しておるのか。あと東日本大震災を受けまして、計画の前倒し、あるいは発想の転換等々の見直しが平成23年度に行われたかどうか、同様に確認したいと思います。

 最後に説明書95ページ、森の力再生事業費についてお尋ねしたいと思います。
 森林を荒廃させる脅威としましては、ここに書いてあるように、主に間伐がなかなか進んでいない等々があると思うんですが、それに加えて私も従来主張しておるんですけれども、最近は特に鹿の増加による食害というのが、森林においても大変深刻な問題となっております。ですから、私は森の力再生事業においても鹿被害対策をやるべきだと思っております。平成23年度については、この森の力再生事業の予算が結構あるんですが、その中で鹿被害対策等は、どのくらいの予算でどのように行ったのか、行っていれば伺いたいと思います。以上です。

○松本砂防課長
 砂防関係の施設整備率につきましては、御指摘のとおりかなり低い状況となっておるわけですけれども、それを補完する意味で土砂災害防止法という法律が成立しまして、危険区域の住宅の立地に関する規制等を行うソフト対策を平成13年度から進めてきておりまして、現在県内に約1万5000カ所ほどある危険箇所のうち、45%を指定しております。そういったところでは、市町が避難計画を立てて、まずは避難をしていただくと。それから、非常に危険なところにつきましては、先ほど申し上げた住宅の立地の規制等を行うということでございます。

 それから現在、社会資本整備重点計画におきましては、平成23年度末には8万8000人ほどの人口を土砂災害から守るといった目標を立てておりますが、実際には先ほどの1万5000カ所の危険なところに約32万人の方が住んでおられます。そのうち8万8000人ほどの整備が完成しておりまして、その差がまだ未対策人口ということになります。

 それから、主要施策の説明書50ページの土砂災害危険箇所の施設整備率について、国土交通省分はどういう意味かということでございますけれども、これは県単独事業分も含んでおります。砂防課としては、農林水産省分の地すべり対策もございまして、それを除いた分全てが国土交通省分ということで、公共事業それから県単独事業の両方を含んでいる数字でございます。以上です。

○石塚道路整備課長
 橋梁の長寿命化に関してお答えいたします。
 県では、これから構造物の更新の時代を迎える中、どうやって効率的な管理をしていくかということで長寿命化計画を立ててまいりました。その中で、特に劣化の著しい橋梁については、点検、補修の前に整備を行っていくことといたしました。
 特に劣化の著しい橋梁といいますのは、調査した内容をいろいろ検討しまして、健全度という指数を設けております。その健全度が一定の割合を超えた橋梁を対象にいたしました。これについて今進めておりまして、今後7年間――計画を立てた平成22年度から28年度の間で、特に劣化の著しい107橋を完了させたいと考えてございます。

 もう1つ地震の話題がございました。
 今後考えられる地震対応として、もう一方で耐震化のほうの工事も進めてございます。これはまた別に247橋を対象としておりまして、平成25年度までに完了させたいと考えてございます。
 今後のことにつきましては、第4次地震被害想定の見直しができましたら、さらに新たな計画を立ててまいりたいと考えてございます。以上でございます。

○宮尾道路保全課長
 道路施設のその他の長寿命計画についてお答えいたします。
 施策展開表の45ページに、8に道路施設(トンネル、斜面)の長寿命化、12に舗装の補修(アセットマネジメント)ということで記載がございます。トンネル、斜面につきましては、平成17年度にガイドラインを策定いたしまして、殊にトンネルに関しましては、平成23年度までに全てのトンネルの点検を終了して、これから積極的に長寿命化に取り組んでいこうと考えてございます。
 舗装につきましては、トンネルより先に平成16年度にガイドラインができましたので、既に中長期管理計画を立ててございます。平成28年を目途に全ての道路を一定の状況にするように、現在予算を配分して補修にかかっているところでございます。以上でございます。

○松本森林計画課長
 主要施策の説明書95ページの森の力再生事業について説明します。
 森の力再生事業では、鹿の被害対策のみを目的とした事業はやっておりません。ただ、森の力再生事業を実施した箇所につきましては、今年度から鹿の被害対策をできるようにいたしました。
 また、森の力再生事業の対象とならない森林につきましては、96ページにある造林事業のほうで対応できるようになっております。以上です。

○竹林森林整備課長
 森林整備課のほうでは造林事業を所管しておりまして、鹿被害対策として伊豆地域と富士地域で鹿の防護柵を4,192メートル、あと鹿が木に近づかないように薬みたいなものを塗る忌避剤の塗布を6.41ヘクタール、以上の事業を造林事業で行っております。

〇鈴木(智)委員
 御答弁ありがとうございました。
 また幾つか確認をしたいんですが、まず砂防については、もちろん津波対策同様、全てハードでできるわけではありません。できない部分については、当然避難計画等々を組んでいただいて、いわゆるソフトの部分でやるしかないというのは私も重々わかります。ただ、もちろん地震もいつ来るかわかりませんが、そうしょっちゅうしょっちゅう来るもんじゃありませんね。多分1回来てしまえば数十年は来ないようなものだと思うんですけど、この山間部の土砂災害についてはいつ来るかわからないし、正直、毎年起こる可能性もあるということで、こちらはこちらでまた別の対策をしていかなければならない。
 例えば、いわゆる移転等も既に細々とやられているようなんですが、内陸フロンティアでは、特に企業について移転を推進しようということです。同様にですね、この砂防についても中山間地ですから、どちらかというと企業というよりは個人のお宅になるかと思うんですが、そういった発想の転換をしておかないとということでお尋ねしたんですけど、そういった検討はされたのかどうか、改めて確認をしたいと思います。

 それと、橋梁とか道路の補修、改修の件なんですが、特に劣化の著しいところの説明がちょっとなかったんですけど、例えばそのままにしたら10年ぐらいで落っこっちゃうものなのかどうか、そこのところをわかりやすく説明していただきたいのが1点。

 もう1点は、何カ月か前に配られた平成23年度包括外部監査結果報告書で、これは静岡県の包括外部監査人が監査をしておられる中で、いろいろと指摘があるもんですから、今の質問と関連でお尋ねしたいと思います。
 包括外部監査結果報告書の中には、橋梁や舗装の改修について、県民の利便性よりも県民の安全性を重視しろと。ということは何かというと、先ほど平成28年度までに何とかするということでしたが、後で詳しく説明いただけると思うんですが、できる限り早目にやっていかないと、橋ですからいつ落ちるかわからない。落ちてしまったら、それこそ人命が失われる可能性もあるわけです。この包括外部監査結果報告書では、そういったものを早目に毎年やるべきだと言われておるんですが、そういった計画の見直しは平成23年度にされてなかったと理解していいのか、確認をしたいと思います。

 あとトンネルにつきましても、この報告書で指摘されていまして、現在、目視によるトンネルの日常検査は行われているということなんですが、いわゆる道路とかでやるような定期検査は行われていない。ですから、早急にルールを作成して定期点検を行うべきと指摘しています。先ほどいろいろチェックしてるということでしたが、そういった定期検査実施のためのルールづくりは、平成23年度は行われていないのかどうか、確認したいと思います。

 ちょっと1点質問し忘れしましたが、同じく報告書の100ページで、橋梁については劣化が著しいわけですね。対策済みは107橋のうち52橋で、あと55橋残っているわけなんですけど、その橋がどこなのか等々については、ホームページで公開されてないので、公開すべきだという指摘をされておるんですが、それについても平成23年度は、特に公開等はされてないのかどうか、確認をしたいと思います。

 鹿被害対策については、本年度からやるということなんですけど、ちなみに南アルプスはどうなのか、そこだけ最後に確認したいと思います。以上です。

○松本砂防課長
 山間部におきます土砂災害対策についてでございますが、砂防対策としましては、現在住んでいる方に対して土砂災害からの保全を図るということが目的でございまして、内陸フロンティアとの直接の関係は今のところないという状況です。今後、内陸フロンティアに絡んで、現に住んでいる方の土砂災害対策が必要になってくれば、その時点で検討をいたします。
 それから、ハード対策の進捗につきましては、新たな工法とかを研究いたしまして、ハード事業のコストの縮減ということに取り組んでおります。以上でございます。

○石塚道路整備課長
 劣化の著しい橋梁ということについてお答えいたします。
 先ほど健全度60ということでお答えしましたが、この健全度60というのは、直ちに落橋が心配されるようなものではございません。ただこのまま放っておくと、補修ではなくていずれかけかえが必要になるというレベルでございます。かけかえを避けるために、今回1回手を入れて、長期に使っていけるようなものにしたいという考え方でございます。

 あと公表については、御指摘のとおり、まだホームページには載せてございませんが、情報公開についても検討してまいりたいと考えております。以上でございます。

○宮尾道路保全課長
 それでは、まず舗装の劣化の話でございますけども、具体的に言いますと、MCI2という舗装の傷みを示す一定基準となるものがございまして、2以下になるともう打ちかえという形になります。2以下のところについては、とにかく平成28年度までに全て補修を終えまして、そこからが本当の長寿命化という話になります。そういう状態にございます。

 それから、トンネルのルールづくりについてでございますが、実はトンネル本体に対しましては個別にそれぞれの事情が違うといったことで、一定のルールをつくることが非常に難しいと。国のほうの方針もまだ定まっていないところがございますが、現在のところ、県のほうで管理しておりますトンネルの状況をつぶさに検証して、その後、国のルールに従いまして、県のほうでも定めていきたいなと考えてございます。以上です。

○松本森林計画課長
 鹿の被害対策ですけれども、森の力再生事業で実施したところの下草が食べられるのを防止するという視点で鹿の被害対策を実施しております。
 それで、南アルプスというお話でございましたけれども、森の力再生事業でも造林事業につきましても、造林時に森林で植えた木とか下草の防止対策として、被害対策を実施しております。南アルプス等の高山になりますと、そういう対策はできません。それから、くらし・環境部自然保護課になりますけども、別途、鹿の捕獲制限等の解除というのを検討していると聞いております。以上でございます。

○鈴木(智)委員
 最後は要望だけにしておきますが、まず砂防については、まだ23万人の方々が、残念ながらこういった土砂災害防止施設が整備されていない地域にいらっしゃるということで、そういった方々は台風が来たり大雨が降ると、おびえながらというと大げさかもしれませんが、少なからず危険を感じながら生活をされているわけでございます。もちろんハードだけではできないのは重々承知しておりますが、何らかのこれまでの発想を変えることが必要かなと思いますので、そこはまた本会議で質問したいと思ってますけども、しっかりとやっていただきたいというのが1点です。

 あともう1点、道路等々の改修につきましては、この報告書でも説明しておりますが、もちろんまだまだ未整備なところがあるわけです。当然そういった地域に住む方にとってみれば、一日も早く整備をしていただきたいという要望がある一方で、既存のものがだんだん古くなっていくわけですから、どちらをとるか。やはり未整備のところの方には申しわけないんですが、まずは既に走っているものの安全性を確保するというのが最優先だと思います。
 ただ、未整備の地域の方にしてみれば、そうじゃないだろうということになると思いますが、そういった改修の必要性を説明するときには、やはりホームページ等々で事細かくやっていく必要があるのかなと思いますので、そこは早急に対応をお願いしたいと思います。以上です。ありがとうございました。

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