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文教警察委員会議事録(公安委員会)(平成29年12月14日)

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○鈴木(智)委員
 ふじのくに県民クラブの鈴木智でございます。
 分割質問方式で大きく3点お尋ねしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 初めに、重要犯罪の検挙率についてお尋ねします。
 今回、次期総合計画案の68ページに活動指標として重要犯罪検挙率、あと暴力団構成員の検挙人数もそうなんですが、そもそもこの2つは活動指標ではなくて、成果指標ではないかと考えているんです。というのはどちらの検挙ももちろん皆さんが活動すればするほど一般的には検挙人数はふえていくと思います。当然まず証拠を探して、しかも被疑者の居場所がわかってから検挙できるわけであって、言ってみれば活動すればするほど捕まるんでしょうけれども、ただやっぱり私は成果じゃないかと思います。その点をまずお尋ねしたいと思います。

 それと、当初この素案での検挙率の目標は66.7%でございました。ただうちの会派で11月8日に知事に提言させていただきまして、66%では余りにも低いだろうと、もっと目標を上げてできれば日本全国1位を目指すべきだと提言した結果、70%に引き上げられました。もちろんその前年は若干低かったようでございますけれども、それにしても昨年度においてはもう既に70.3%を実現しているわけですから、私はやっぱり70%とは言わず、例えば80%とかもっと高い目標を目指すべきと考えておりますが、お尋ねします。
 あともう1点、例えば70%か80%を達成した場合、あるいは現時点の70.3%という検挙率が都道府県の県警においてどれくらいの位置にあるのか、その3点お尋ねしたいと思います。

○森本警務部参事官兼警務課長
 最初に、成果指標かあるいは活動指標かでございますけれども、成果指標といいますのは各項目の目標に向かって行う施策、取り組みの成果を客観的データにより定量的に示す指標であって、計画期間中に目指す具体的な目標値を設定しているのが成果指標とされております。
 それから、活動指標といいますのが、各施策の進捗状況を客観的データによりまして定量的に示す指標であって、計画期間中に到達すべき具体的な目標値を設定していることが決められておりますので、これらに基づきまして活動指標と考えたところでございます。

○紅野刑事部参事官兼刑事企画課長
 もっと高い数値にすべきではないかという点について御説明をいたします。
 いたずらに高い目標数値を設定した場合、検挙件数を上げるために必要な捜査を尽くせないといった捜査の質の低下を生じ、結果として不起訴や冤罪事件を発生することも危惧されることから、検挙力の強化と検挙率の向上を両立させることができるように、重要犯罪検挙率の目標数値を毎年70%と設定しておりますことを御理解願いたいと思います。
 それから次に、都道府県における静岡県警の位置でございますが、3年間のデータを見てみますとおおむね30位ぐらいの位置にあります。

○鈴木(智)委員
 先日の決算特別委員会でも紅野刑事企画課長からいろいろ御答弁いただきました。やみくもに検挙率を上げてしまうと確かに冤罪とか、そうなると本末転倒であります。
 ただ、決算特別委員会での答弁によりますと、全国の警察の検挙率が76.6%、しかも御答弁によりますと30位ですから、真ん中より下なわけですよね。やっぱり上を目指すべきだと思いますし、例えば実際に被害に遭われた方は、100%の検挙を求めるわけです。そういったことを考えても既に達成している目標以下とはいかがなものかなと思います。もう1回御答弁をお願いします。

○紅野刑事部参事官兼刑事企画課長
 重要犯罪を100%検挙したいのは、捜査に従事した者であれば誰もが思っていることであります。その点を御理解願いたいと思います。
 それと、順位の関係になりますが、これは大きな県、中規模県、そして小規模県と見た場合に、小規模県の場合には発生が非常に少ないと、それに加えてその前の年に発生したものが検挙される、それから余罪がありますと非常に高い検挙率になってくるので、100%を超えることもあり得ます。
 当県におきましては、過去10年間の平均の検挙率を出しておりまして、それより高い目標値を定めて設定したところでございます。

○鈴木(智)委員
 私にも客観的に何%がいいという具体的な根拠があるわけではありませんけれども、ぜひもう少し、前向きなという言葉がいいかわかりませんが御検討をお願いしたいと思います。

 続きまして、県警における多忙化の状況の対策について伺いたいと思います。
 と申しますのも、本議会でもあったと思いますが、例えば知事部局ですとか、あと教育委員会では毎回毎回だと思うんですけれども、多忙化の問題が取り上げられておりますし、その解消のために常にさまざまな取り組みが行われております。
 ただ、県警において多忙化の話は余り聞いた記憶がないものですから、まず総論としてお伺いしたいんですけれども、静岡県警における多忙化の状況をどのように捉えられているのか、できましたら具体的なデータもあれば教えていただきたいと思います。まずその点お願いいたします。

○森本警務部参事官兼警務課長
 多忙化についてお答えいたします。
 確かに現場は忙しいので、多忙化を解消する方向で現在県警察としては取り組んでいるところであります。ただ警察におきましては、昼夜を問わず発生する事件事故への迅速な対処が求められる業務の特殊性がございますので、対応しなければならない業務が短期間に集中する場合が多々あるのが現状でございます。
 県警察におきましては、先ほども若干触れましたけれども、昨年4月に女性活躍推進法及び次世代育成支援法に基づく行動計画に、働き方改革等を通じた職員のワーク・ライフ・バランスの向上等に向けた理念を付加した静岡県警察みらい創造計画を策定いたしまして、組織として取り組んでいるところであります。その中では働き方改革を掲げまして、業務の合理化、効率化、あるいは職員の意識醸成のほかに、残業前提型業務推進の払拭、それから休暇の取得促進などに現在取り組んでいるところであります。
 具体的に申しますと、毎週水曜日を定時退庁日にいたしまして、時間外勤務を縮減する意識、それから環境を醸成しましたり、あるいは夏季休暇5日間の完全取得ですとか、マンスリー休暇と呼んでおりますけれども、月1回年次有給休暇を取得することを推奨するなどして、多忙化の解消に向けた取り組みを進めているところでございます。

○鈴木(智)委員
 今おっしゃるとおり、確かに警察の場合には犯罪が起きれば当然対処しなくちゃいけませんので、なかなか知事部局同様にはならないかと思いますが、とはいえやはり皆様方も人間でございますので、しっかりととるべき休暇等々はとっていただきたいと思います。今ちょうど休暇取得の話がありましたけれども、事前にデータをいただきました。改善されているようでございます。
 例えば、警察官におきましては、年次休暇と夏季特別休暇の平均取得日数は、平成24年が8.6日だったものが平成28年は12.8日と徐々に上がっているわけでございますし、警察行政職員も同様でございます。10.4日が14.2日でございます。
 ただ、日数はふえていますが、まだ完全取得までには至っていないと思うんです。いわゆる取得率ですよね。警察官の場合には、年次休暇と夏季特別休暇合わせて何日あって、そのうちの12.8日でありますし、警察行政職員も同じように本来とるべき日数があって、そのうち14.2日だと思うんですが、取得率に直すとどれくらいでしょうか。

○森本警務部参事官兼警務課長
 取得率でございますが、先ほどの12.8日とか14.2日は確かに日数でございます。取得率ですけれども、年次休暇につきましてはそれぞれの職員で年間20日間、前年の繰り越しを合わせると40日間とれることになっておりまして、それぞれの理由がありますので、取得率の統計はとっておりません。
 夏季休暇の5日間につきましては、手元に正確な数字はございませんけれども、取得率は4.数日と完全取得には至っていない状況でございます。

○鈴木(智)委員
 ですから、今の数字でいきますと、警察官の場合は20日プラス5日ですかね。そうなると12.8日ですからまだ半分とれていないと。引き続き厳しい状況にあるのかと思いますので、何とか皆さんしっかりとっていただくよう対応をお願いしたいと思います。

 続けて、多忙化の状況をあらわす数字がないのかなと思いまして、これも事前に県警における健康管理区分者の推移、そして休職者の推移についての資料をいただきました。中でも状況が最も深刻なA区分の入院や自宅療養を要する職員の人数については、平成24年から29年までほぼ横ばいなんですね。平成24年が23人、次は28人、34人、34人、30人、31人と、むしろやや微増と言えるかもしれません。
 ただ、それに対しまして休職者は減っている感じもしないわけではありません。平成24年が21人、次が18人、20人、22人、23人、14人と去年大幅に減りましたけれども。
 ですから、A区分の方はほとんど減っていませんが、休職者については幸い減りました。特に休職する理由の主なものが精神疾患なんですけれども、精神疾患の数が平成28年が18人から7人と大幅に削減がされております。
 これは非常にいいことだと思うんですが、何か具体的な対策の効果があらわれてきたと考えてよろしいのか。あと逆にA区分はほとんど変わっていませんけれども、これについてどのように分析をされ、対策をされているのか改めて伺いたいと思います。

○森本警務部参事官兼警務課長
 まず、休職者が大幅に減っていることに関してでございますが、休職者につきましては毎年4月時点での数字で計上したものでございます。昨年4月時点で一時的に休職者数が減少したと考えられます。
 それから、精神疾患による休職者数が減少している点を捉えますと、メンタルヘルス等の対策は随時進めてきておりますので、これらによって精神疾患に罹患した職員の療養期間が短縮されているとの推測はできます。
 どちらにしましても、職員が健康で職務に邁進できる対策を引き続き進めてまいりたいと考えております。

○鈴木(智)委員
 ぜひ進めていただきたいと思います。
 先日の本会議でも取り上げられました、警察も含めた静岡県職員における自殺――私は自死と呼んでいますけれども――問題についてでございますが、県警本部において残念ながら自死された方の数も伺いました。平成24年が3人、25年はゼロでしたけれども、26年度が3人、27年度1人、28年度1人、そして本年度まだ途中でございますけれども、記憶に新しいのが4月に残念ながら刑事部長が自死されて、10月以前にほかにももう1人、既に2人の方が自死されているとのことでございます。
 自死の理由とか背景について、どのように把握されているのか。特に先ほど来多忙化の話をさせていただいていますけれども、例えばパワハラですとかいじめ、あるいは多忙、過労というような仕事ですとか職場環境が背景にあった自死がなかったかどうか、わかっている範囲で結構でございますのでお尋ねしたいのと、あと自死を防ぐ取り組みとして、どのようなことが行われているのかあわせてお尋ねしたいと思います。

○森本警務部参事官兼警務課長
 自殺者についてでございますけれども、県警察におきましては、平成24年度から昨年度まで5年間で8人が自死で亡くなっております。その自殺の原因等についてでございますけれども、家庭環境ですとか病気ですとか、さまざまな要因が考えられるところであります。ただやはり自殺者の中には精神疾患を含む疾病によって、健康管理区分が付されている者も含まれていたのも事実でございますので、そういった者につきましては事務負担の軽減ですとか、保健師による個人面接等によって状況を把握して、職員の健康管理に努めているところでございます。
 また、自殺予防対策全般ですけれども、みずから死を選択する職員がいることは大変残念なことでありまして、県警察としても有能な職員を失うことがないように対応してまいりたいと考えております。
 そこで、先ほど申しましたようなメンタル不調に陥った場合には、正常な判断ができなくなりますので、メンタル不調の予防対策としてさまざまな対策を講じているところです。具体的には幹部職員に対する部下のメンタルヘルスの不調を予防するための研修会ですとか、時間外勤務が他と比べて多い職員の面談、それから保健師等が各所属を巡回して行う巡回相談、その他悩みを相談できる電話の周知ですとか、部外カウンセラーに対する委嘱をやっております。また昨年度から、これらに加えましてストレスチェックを実施しているところでございます。

○鈴木(智)委員
 ぜひ対策の強化をお願いしたいと思いますが、今いろんな数字を伺ってきましたけれども、若干改善の兆しがあるようにも感じられますが、まだまだ十分じゃないのかなと思っていますので、やはりもっと抜本的な対策も必要なのかなと思っています。

 その1つとして考えられるのが、やはり職員の数をふやすことですよね。ただ御案内のとおり、私も改めて数字を伺いましたけれども、知事部局はむしろ削減に傾いていますが、警察についてはかなり大幅にふえておりますよね。数字を聞きましたら、警察官の条例定数になりますけれども、平成12年が5,142名、平成29年には6,195人で1,000名以上ふえているところでございますし、ここ数年間を見ても、ほぼ20名前後の増員があるところでございます。加えて同じく平成12年から平成29年までに、非常勤の方も190名ふえています。
 ですから、それなりに人がふえているわけでございますから、それに伴って多忙化もある意味解消できている部分もあるのかなと思うんですけれども、ただこれまでもさんざん議論してきましたが、犯罪もさまざま高度化したり複雑化しておりますので、1,000名以上ふえたからといってまだまだ足りないのだろうと思います。
 そこでお尋ねしたいんですが、平成12年度ですから17年間で1,000名以上ふえているわけですけれども、そもそもどれくらいの警察官がいれば十分だとお考えなのか。なかなか難しい質問かもしれませんが御意見をお聞かせいただければと思います。

○森本警務部参事官兼警務課長
 どのくらいの警察官がいれば十分かでございますが、平成29年度の地方警察官増員がありまして、平成12年の警察改革以降で1,000人余りの警察官が増員されております。しかしながらことし4月あたりで見ますと、警察官1人当たりの人口負担は、全国平均をおおむね100人上回る605人で、全国的に見て7番目に負担が高いことですとか、あるいは本県は人身事故も非常に多い状況にありますので、全国的に見ると負担が非常に高い状況にあります。
 何人ぐらいいればいいのか、具体的なところまでは判断いたしかねますけれども、やはり現状においては足りないので、今後も国に対して増員の要望を続けていきたいと考えております。

○鈴木(智)委員
 続きまして、今の話とも関連するんですけれども、前回の決算特別委員会でも若干お尋ねしましたが、いわゆる不祥事案件に関する情報公開のあり方について、実はこれと関連している話なもんですから続けたいと思います。
 まず、きょう冒頭筋警察本部長から12月6日に巡査部長が逮捕された件につきまして、報告と謝罪がありました。私も文教警察委員会のメンバーということで、たしか6日だったと思いますが、電話で報告をいただきました。
 1つ思ったのが、例えば知事部局でこういった不祥事が起こりますと、電話も来ますけれども、同じくファクスでも来ますよね。ただ県警の場合には電話だけでおしまいになりまして、きょうもあくまでも口頭で終わっています。先ほど改めて県警のホームページを確認しましたけれども、特にその発表が載っているようには見受けられませんでした。
 こういった案件というのは、やはりまず文書でしっかり公表して、しかもこれはメディアの方が報道していただいておりますけれども、まず県警本部としてちゃんと文書で、しかもできればホームページ等々に掲載する必要があるのかなと思っています。
 というのは、我々県議会議員もそうですけれども、基本的に税金によって活動あるいは仕事をしている人間でございますので、当然その原資は県民の皆さんの払っている税金でありますから、県民に対する説明責任はあろうかと思います。もちろんメディアの方に発表することは、間接的には伝わっているわけではありますけれども、直接県民の方に訴える必要があると思うんですね。それが一番やりやすいのがホームページ等々の公表であります。
 私も調べようとすると、やっぱり各メディアの報道のみでしか細かい数字がわからないものですから、ぜひ文書でいただいたほうが、しかもできればホームページ等々でも公表する必要があろうかと思いますが、その点まずお尋ねしたいと思います。

○山城警務部参事官兼首席監察官
 職員の非違事案に関しましての公表につきましては、それぞれ基準に基づいて報道関係者を集めてそれぞれ記者レクの形で発表しておりますし、逮捕時の発表とあわせて懲戒処分の発表時にも記者等に公開して説明しているところでございます。

○鈴木(智)委員
 ただ、記者さんがどう伝えるかは記者さん次第なので、やはりまずは県警主体として文書なりあるいはホームページで公表することが肝要かなと思うんですが、その点できない理由は何かあるのでしょうか。

○山城警務部参事官兼首席監察官
 逮捕時につきましては、まずもって捜査をまだし尽くしておりませんので、逮捕の事実のみを公表しているところでございます。その後懲戒処分の発表の際には、その理由等を含めて公表しておるところでございます。

○鈴木(智)委員
 水かけ論になるんですが、これはまた改めて伺いたいと思いますが、先日の決算特別委員会で、平成28年度に限りまして懲戒処分、監督上の措置を受けた人数を伺いました。今回所管事項も議論できるということで、平成24年から27年につきましても数字等をいただきました。それによりますと、懲戒は平成24年が14人、25年が12人、26年が10人、27年5人、28年5人と減少傾向でいい傾向にあろうかと思います。同じく監督上の措置につきましても若干ぶれはありますが58人、79人、61人、35人、29人と減少傾向にあるので、これは非常にいいことだと思うんです。
 ただ、これについて決算特別委員会で数字を出していただいた理由としては、恐らくことしの4月ですか、朝日新聞さんが情報公開請求をされて、それが記事に載ったから私にもすんなり教えていただけたかなと勝手に推察しておりますが、平成24年から28年の数字につきましては公表されたことがあるのでしょうか。

○山城警務部参事官兼首席監察官
 情報公開請求に基づき請求があった場合には、公開をしております。懲戒の件数等は、請求があれば公開しているところでございます。

○鈴木(智)委員
 では、平成24年から28年については、請求がなかったから公開しなかったということでよろしいんですよね。

○山城警務部参事官兼首席監察官
 そのとおりでございます。

○鈴木(智)委員
 なぜこのような話をするかというと、別に隠していたからけしからんというわけじゃなくて、先ほど来申し上げていますとおり、やはり懲戒処分になってしまう事案、あるいは監督上の措置になってしまう事案の理由として、もちろん午前中にもありましたように倫理観といいますか、モラルの問題も当然あろうかと思います。その一方でこれだけの数が毎年繰り返されるのは、やはり一言で言えば、例えば多忙化が影響しているのではないかと思います。
 ですから、決算特別委員会でも述べたかと思いますが、こういうのはむしろ情報公開請求されたから公開するのではなくて、むしろ積極的に公開して、組織的な部分もぜひ分析をしていただいて、先ほども定員の話をしましたけれども、場合によってはもっと警察官をふやす必要があるのかもしれません。あるいは条例、国からの指示といいますか、言われないとなかなかできない部分もあるようでございますので、正規職員をふやせないのであれば非常勤をふやす対応も必要になるかなと思いますので、こういった話をしているんです。
 それじゃあ、他県の状況はどうなのかと私聞いてみたんですね。そしたら秋田県警ではもともとマスコミが情報公開請求することで、先ほど言った懲戒と監督上の措置の件数を毎月公表したということでございますが、最近も続いているもんですから、請求なしでも公開しているように伺っていますが、情報公開請求がないと公表できない理由は何なのでしょうか。

○山城警務部参事官兼首席監察官
 いわゆる情報公開請求を待つまでもなく、懲戒処分に関してはみずから公開したらどうかについてお答えいたします。
 県警察においては、懲戒処分等の発表については、人事院の基準を踏まえて警察庁が策定した懲戒処分の発表の指針を参考とし、職務執行上の行為及びこれに関する行為に係る懲戒処分、私的な行為に係る懲戒処分のうち停職以上の処分、そのほか行為の態様、行為の公務内外に及ぼす影響、職員の職責などを勘案し、国民、県民の信頼を確保するために発表することが適当であると認められる懲戒処分について発表しているところでございます。

○鈴木(智)委員
 今のは、平成16年4月15日に警察庁長官官房長からの通達にある懲戒処分の発表の指針の改正に基づくものだと思うんですが、確かにそれに沿えばそうかもしれません。
 ただ、例えば職務執行上の行為及びこれに関連する行為にかかわる懲戒処分、私的な行為にかかわる懲戒処分のうち、停職以上の処分についての発表を行うと書いてあるだけであって、別にそれ以外発表しちゃいけない書き方はされていないですよね。3に、1及び2にかかわるもののほか、国民の信頼を確保するため発表することが適当であると認められる懲戒処分もあるわけですので、例えば停職処分以上がなかなか公表されないのはそれらが私的な行為だからだとは思うんですが、ただ事案を見ますとかなり大きいように見受けられます。
 ですから、静岡県警独自の判断として、先ほど言った――ここは県民と置きかえますけれど――県民の信頼を確保するために発表することが適当であると考える手もあるのかなと。しかもここは懲戒処分だけでございますけれども、それをさらに拡大して、先ほど言った秋田県警のように、監督上の措置につきましても一々記者会見しろとまでは言いませんが、平成28年度も全部で34件起きているわけです。月に二、三件、残念ながら平均すると毎月ある状況になっていますので、例えば月一遍、今月はこれだけありましたと公表するのがむしろ開かれた静岡県警としてアピールできるいいチャンスかなと思うんですけれども、その点いかがでしょうか。

○山城警務部参事官兼首席監察官
 まず、私行上でも公表すべきではないかという点でございますけれども、県警察といたしましては一義的に公表対象としていない事案であっても、行為の態様、公務内外に及ぼす影響、職員や関係者のプライバシーの保護などなどを勘案し、公表の是非を判断しているところでございます。したがって私行上であっても過去発表している案件もございます。
 また、秋田県警のような事例がございますが、警察庁の発表の指針は人事院の基準に合わせて策定したものと承知しており、県警察としましては自治体職員である一方、警察庁長官が指揮監督する都道府県警察の1つでもあることから、全国斉一的になるよう、懲戒処分の指針を参考として公表することが必要であると考えております。
 なお、警察庁が示した指針は、私行上の行為で減給以下の行為であっても事案に応じ公表することとしているものであり、県警察としましても今後ともこれを参考に、先ほど申したとおり行為の態様――公務内外に及ぼす影響、職員や関係者のプライバシーの保護などを勘案し、公表の是非を判断してまいる所存であります。

○鈴木(智)委員
 文教警察委員会ですから、警察に限った話をしていますけれども、私は去年の12月定例会の一般質問でも情報公開について取り上げさせていただきました。県警に限らず静岡県は全体的に十分でない部分があろうかと思いますので、実は私2月に代表質問するんですけれども、そこでも改めて取り上げたいと思いますので、そこでまた議論したいと思います。

 あと最後に1点だけ、先ほど言及した4月7日の朝日新聞の中で監督上の措置ですよね、処分理由などを記載した訓戒処分書、注意処分書も公開請求したんですけれども、これは原本を本人に渡しちゃったから写しはないということですが、これは今も状況に変わりはないですか。

○山城警務部参事官兼首席監察官
 そのとおり、本人に交付してこちらにはございません。

○鈴木(智)委員
 なぜ保存しないんでしょうか。
 というのは、これがないと処分した理由とか根拠がわからない話になっちゃいますよね。それではおかしいと思うんですけれども。多分これは手書きじゃなくて、電子的につくっているわけですから保存するのは簡単だと思うんですけれども、その点いかがですか。

○山城警務部参事官兼首席監察官
 あくまでも公文書としてはございません。本人に手交してございます。

○土屋委員長
 所管事務調査とちょっと違うんじゃないかと思うので、質問を変えてもらってもいいですかね。

○鈴木(智)委員
 なぜこんなことを聞くかといいますと、北方ジャーナルによりますと、静岡県同様にこれまで北海道警でも残していなかったんですが、昨年4月以降は訓戒処分書と注意処分書も残しているようでございます。他の県警ができるんですから、静岡県警もできると思うんですが、ぜひ前向きな答弁をお願いしたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○山城警務部参事官兼首席監察官
 他県警の取り扱いについては、コメントを差し控えさせていただきます。
 保管するかについても、私どもでは従来どおりの方式で進めたいと思います。

○鈴木(智)委員
 また、議論したいと思いますので、前向きな対応をお願いして終わりたいと思います。ありがとうございました。

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