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文化観光委員会議事録(平成28年3月9日)

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○鈴木(智)委員
 ふじのくに県民クラブの鈴木智です。
 一問一答方式で伺いますので、よろしくお願いします。
 まず初めに、公募型プロポーザル審査委員会における情報公開のあり方についてお尋ねしたいと思います。特に資料がなくて申しわけないんですけれども、もとはと言えば、2月12日に朝日新聞の静岡版の報道記事を見て知り、これはいかんだろうと思って、今回質問したいと思っています。
 朝日新聞の記事によりますと、富士山世界遺産センター(仮称)建築工事設計業務と富士山静岡空港旅客ターミナルビル等改修・増築工事設計業務公募型プロポーザル審査委員会の最終審査の議事録を県に情報開示請求をしたところ、当初富士山世界遺産センターについてはほぼ黒塗りで、事実上は非公開――私もいただきましたけれども、本当にこんな感じで真っ黒けでした。それに対しまして富士山静岡空港については、全面開示というように対応が分かれたと。それはちょうど同じ文化・観光部の所管であることでございますし、富士山世界遺産センターについては先ほども議論がありましたけど、やはり若干議論に問題があったかなと思っているもんですから、特に情報公開は非常に大事だと思っています。
 ただ、富士山世界遺産センターについても、知事から指示がございまして全面開示になりましたが、日本平山頂シンボル施設の審査委員会がちょうど今、現在進行形で行われていることもありますので、この3つはちょうど文化・観光部、そして文化観光委員会の所管でもございますので、事実確認とか議論を行いたいと思っています。
 まず、私は問題認識をお伝えしたいと思うんですが、情報公開というのは当たり前の話ですけれども、県政そして民主主義の発展の根幹をなすものだと思っています。私は情報公開の目的は大きく2つあると考えていまして、1つ目は公平公正かつ適正な議論や手続が行われているかどうか常に確認できるようにすること、つまりは外形的な部分ですね。それに加えまして、2つ目は、公平公正かつ適正な議論や手続が行われていたとしても、つまり外形的には大丈夫だったとしても、議論や判断の内容に間違いがあったり、あるいは望ましくない方向だったりした場合、どこでどのように間違っていたか、完全に終わった場合は後ほど繰り上がって検証して修正できるわけですし、もし現在進行形であれば、その結論が出る前に修正することができるわけですね。だからその点をまず認識した上で御答弁をお願いしたいと思うんですが、先ほど事実上の非開示になりました富士山世界遺産センターについて伺いたいと思っていますが、この新聞記事によりますと、非開示の理由が個別の提案に対する審査委員の発言は、公にすることにより率直な意見の交換が不当に損なわれるおそれがあるとして、率直な意見交換を前提にしており、前もって委員に議事録を公開する了解をとっていないという――名が出ていますから言いますけど――落合世界遺産センター整備課長のコメントが紹介されていますけれども、同じく記事によれば、開示請求についての判断は、作成した課の課長に基本的に一任されているところでございますけれども、この世界遺産センターに関する事実上の非開示の判断は、落合世界遺産センター整備課長が最終的に判断したという理解でよろしいでしょうか。

○落合世界遺産センター整備課長
 私のほうで結論を出させていただきました。

○鈴木(智)委員
 新聞記事によりますと、当初は公にすることにより率直な意見の交換が不当に損なわれるおそれがあると判断したんですけれども、どういった理由からか教えてください。
 というのは、私は単純に議事録を見ましたけれども、この議事録を公にすることによって率直な意見交換が不当に損なわれるおそれは全くないと思うんです。実際に今月2日に開示された総務班長会議で配付された法務文書課の資料によれば、平成26年3月27日の大阪地裁の判決文で情報公開法第5条5号でいう「おそれ」とは抽象的な危険性、可能性だけでは足りず、客観的かつ具体的な危険性、可能性があることを要するとして、つまりそういったのがあるんであれば非開示にしていいということなんですけれども、実際に私には具体的なものが見つからないんですけど、どのような場合を想定して、当初は非開示としたのか具体的に御説明をお願いします。

○落合世界遺産センター整備課長
 平成25年度に審査委員会をやった議事録が当初は、先ほど新聞記事にも書いてありましたように、やはり私の認識が甘かったのが1点かなと思います。
 まず、資料を見た中で、大体どこの課もそうだと思うんですけれども、私どもの課も法務文書課と協議をして話をしたところなんですけれども、実際に私どもが録音して、それを議事録という形で――前回の審査委員会をやったときの議事録につきましては、やはり公開という観念が少なかったのかなという感じがいたします――そしてそれを書いている中で、テープ起こしをした中ではちょっとした修正だけがあったということで、私はこういったことについて、審査委員の方々に聞いたかと言いまして、聞いたか確認したんですけれども、やはり確認がなかったもんですから、私どもといたしましては、審査委員の方の名前だけを残しまして、今回は全て黒塗りにさせていただいた状況でございます。

○鈴木(智)委員
 確認なんですが、最終的にまず当初非開示という判断は法務文書課と相談された上でやったということでしょうか。

○落合世界遺産センター整備課長
 最終的には私が結論を出させていただきました。

○鈴木(智)委員
 今、既にお話しされていますけど、認識が甘かったということですが、実際に2月24日――これも新聞記事によれば、24日の知事の指示によって全面開示したということですが、確認で申しわけないんですけど、じゃあ当初の非開示の判断あるいは開示しますよという確認をとらなかった判断は誤りということでよろしいですか。

○落合世界遺産センター整備課長
 法務文書課ともいろいろ話をさせていただいて、審査委員の皆さんに何も確認をとらずに県として開示できるという話もいただいたものですから、そこはもう一度いろんなマニュアルを見ながら判断させていただきました。

○鈴木(智)委員
 とはいえ、もちろん誤りだったと思うんですけれども、具体的に知事から指示があって、開示すると判断したのはいつなんでしょうか。

○落合世界遺産センター整備課長
 知事の話を受けまして、再度、法務文書課にも、どういう形でやろうか相談させていただきまして、受理を一旦修正しまして開示するという形で、知事の記者会見が終わった段階で判断させていただきました。

○鈴木(智)委員
 先ほど言われたかと思うんですが、この開示はあくまでも知事からの指示であって、特に全ての審査委員の方に――議事録は多分全部公開されていますけれども――全ての議事録を公開することへの了解をとらずに知事からの指示で、落合世界遺産センター整備課長の最終的な判断で公開したということでよろしいですか。

○落合世界遺産センター整備課長
 議事録の公開に当たりまして、知事の指示というだけでは不備かなと思いまして、文化・観光部長と相談させていただきまして、各委員の皆様に電話を差し上げまして、開示しますということの御了解をいただきました。

○鈴木(智)委員
 わかりました。
 では、また確認ですけれども、実際に開示を判断されたのは、知事の話と若干ずれている気がするんですけど、2月24日ということなんですが、これも3月2日の法務文書課の資料によりますと、一旦は非開示にした場合でも、その後の検討で開示することに支障がないことが判明した場合には、再度の開示請求を求めるのではなく、前の非開示決定、部分開示決定を職権で取り消した上で開示するようにしてくださいとございます。
 ですから、全面開示の判断をした後に、今回の場合には、世界遺産センター整備課から朝日新聞に対しまして、全面開示の連絡並びに開示した議事録を提供すべきだったと思うんですが、どうも見ていますと、記者からまた開示請求をされたようなんですが、この点をもう1回確認させていただいてよろしいでしょうか。

○落合世界遺産センター整備課長
 朝日新聞からいろいろな話がありまして、もう1回出す話もしていたんですけれども、実際は職権で取り消しをした上で開示したものでございます。

○鈴木(智)委員
 では、次に富士山静岡空港との関係なんですけれども、富士山静岡空港の場合には、事前に公開前提の議事録をつくる了解をもらっている、単純な意見交換が妨げられるおそれもないと記事にありますけど、その御判断をされたということで間違いないですか。

○渡邉空港振興局長
 おっしゃるとおりでございます。会議の際に議事録については公開させていただきますと御了解いただきましたので、そのまま開示をさせていただきました。

○鈴木(智)委員
 先ほどの富士山世界遺産センターの場合ですと、最終判断する前に法務文書課と相談されても、最終的には課長が判断されたということなんですけど、富士山静岡空港の場合も事前に法務文書課と相談した上で最終的に課長が判断されたということでよろしいですか。

○渡邉空港振興局長
 開示前提で用意もしてございますので、特段そこで相談はございませんが、開示請求があったということの事実については、法務文書課と協議をした上で対応してございます。

○鈴木(智)委員
 今、現在進行形の日本平山頂シンボル施設の審査委員会におきましても、富士山静岡空港と同様の判断から事前に審査委員から公開前提の議事録を作成する了解を得ているということでよろしいでしょうか。

○杉本観光政策課長
 日本平山頂シンボル施設につきましても、3月11日に審査委員会があるわけですが、7日に遠山審査委員長には方針を説明いたしまして、事前に審査委員に審査委員会の冒頭で説明をして、了承を得た上で公開を前提に作成するということで進めていきたいと思っております。

○鈴木(智)委員
 その1回目というのがことしの1月13日に開催されています。それから既に2カ月近くたっているんですけれども、この間、議事録を出してくれとお願いしたいんですが、残念ながら完成してないようでございます。
 冒頭に申し上げましたけれども、議事録が速やかに公開されれば我々のような外部の人間もチェックすることが可能になりますし、万が一何らかの問題とか方向性にまずい点があった場合に最終決定をする前に修正を促すことも可能になってくるわけですね。そうした意味からも、議事録は速やかに公開すべきと思いますが、なぜ時間がかかっているんでしょうか。

○杉本観光政策課長
 第1回目の審査委員会の議事録は既に作成しておりまして、審査委員にも確認をお願いしているところでございますが、審査の公開等につきましては、公募型プロポーザル募集要項にしっかり定めておりまして、審査委員会審議につきましては、審査対象の応募者名であるとか、審査で決定した最優秀者及び優秀者の応募者名、そして審査の過程及び講評あと審査対象の応募者の提案書ということで、一括して3月下旬に県のホームページで公開することを定めております。

○鈴木(智)委員
 最終決定が出る前に公開すると、やっぱり何らかの問題が生じるということですか。その問題の中身を教えてください。

○杉本観光政策課長
 1回目の審査委員会につきましては、募集要項の内容について審査を行っておりましたので、特に問題は生じてはございませんが、一括して3月下旬に公表することにさせていただいています。

○鈴木(智)委員
 ここで、文化・観光部長に御確認したいんですが、今回の情報開示請求は、少なくとも富士山世界遺産センターと富士山静岡空港の旅客ターミナルビルについては課によって対応が異なったということになるんですけれども、これは事前に朝日新聞が報道する前に報告がなかったのか確認したいのと、あとやはり部内で異なるというのは、どちらも公共施設に関しての公募型のプロポーザルをやっているわけですから、基本的におかしいんじゃないかと思っています。だからこそ富士山世界遺産センターも公開されたと思うんですけれども、やはり議事録については原則として全面開示にすべきだと思いますが、その点はいかがでしょうか。

○西田文化・観光部長
 1点目の事前に私が承知していたかどうかでございますけれども、今回の開示決定の対応については、大変申しわけありませんが、私は承知しておりませんでした。
 あと、今後のことでございますけれども、政策形成過程の情報につきましては、10番委員がお話をなされたとおり、原則公開することが前提であると私も思っております。
 ただ、この取り扱いにつきましては、会議自体を公開するかどうか、あるいは会議の議事録、会議録を公開するかどうか、あるいは会議資料を公開するかどうかという3点があると思いますけれども、1つは原則公開でございますけれども、情報公開制度にございますように、中身的に個人情報、あるいはその他法令等により公開が禁止されている等々がございまして、そういう条件がある場合については、やはり公開はできないと思っておりますので、そういうところを慎重に判断した上で対応すべきだと思っております。
 今回のプロポーザルに関しましては、事前に各審査委員にお話をさせていただかなかった点がありまして、一部は事前に公開しなかった点につきましては、大変申しわけなかったと思っております。今後はそういうことがないように努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。

○鈴木(智)委員
 幾つか確認したいんですけれども、3月2日の同じく法務文書課の資料によりますと、今度は議事録の作成の仕方に当たっては、全文筆記または要点筆記のどちらでも構わないとなっていますが、議会の議事録は全文筆記になっていることからも御案内のとおり、原則私は全文筆記にすることが望ましいのかなと思っています。
 富士山静岡空港の場合は、当初から全面開示されましたけれども、これはどちらかというと要点筆記になっているんですね。なぜ要点筆記としたのか、全文筆記では何か問題が生じるのかどうか、その点を確認したいと思います。

○渡邉空港振興局長
 議事録の残し方として、いろいろ方式があるか思いますけれども、議事録として記録に残すに当たって必要な要素を残せばいいという判断で要点筆記という形、要点のみまとめた議事録としているところでございます。

○鈴木(智)委員
 富士山世界遺産センターは、基本的に全文筆記になっていると思いますけど、そうした理由はどうでしょうか。

○落合世界遺産センター整備課長
 先ほども言いましたけども、審査委員会開催の段階で公開という観点はなかったと私は思っております。ですので実際担当が録音した形でそのまま起こしたと。それ以外の資料につきましては、開示することができなかったということだと思います。

○鈴木(智)委員
 日本平山頂シンボル施設については、全文筆記とする予定でしょうか、確認させてください。

○杉本観光政策課長
 議事録の作成に当たりましては、不適切な発言とか審査に関係ない発言は削除して作成して、審査委員の皆様に確認した上で出したいと思っておりますので、全文筆記にはしない方向で考えていきたいと思っております。

○鈴木(智)委員
 私は、文化・観光部全体で統一すべきだと思っているんですが、もちろん例外はあると思うんですけれども、やはり課によって全文筆記だったりそうでなかったりするのは、やはりちぐはぐだなと思うもんですから、議事録の公開のあり方もそうですけれども、議事録の作成についても、基本的に私は先ほど申しましたとおり、全文筆記で統一すべきだと思うんです。あと議事録の作成期間についても要領で決まっているのをなかなか変えるのは難しいかもしれませんが、やはりある程度どれぐらいって決める必要もあり、部内で統一すべきだと思うんですけど、その点はいかがでしょうか。

○細沢総務企画課企画調整室長
 ただいまの議事録作成について、どちらの方法でも差し支えないと書いてはございますけども、これは一度検討をさせていただきたいと思います。

○鈴木(智)委員
 御検討ということです。では、あわせて検討していただきたいのが、先ほども日本平山頂シンボル施設は3月下旬ですか、審査が終わってからホームページで公開するということなんですが、議事録を公開するのであれば、開示請求を待つんじゃなくて、最初からホームページに公開すべきだと思うんですが、その点はぜひあわせて御検討いただきたいんですけど、その点はいかがでしょうか。

○細沢総務企画課企画調整室長
 ただいまの事前のホームページの公開ですけれども、観光政策課と相談をした上で対応を判断したいと考えております。

○鳥澤委員長
 質疑等の途中でございますが、ここでしばらく休憩いたします。
 再開は、午後3時ということでよろしくお願いいたします。
( 休 憩 )
○鳥澤委員長
 では、休憩前に引き続きまして委員会を再開いたします。
 質疑等を継続いたします。
 では、発言願います。

○細沢総務企画課企画調整室長
 休憩前に議事録の件で2点、検討をということでしたけども、まず1点目の全文筆記か要点筆記か文化・観光部で統一をということですが、個別の会合によって内容とか状況が異なりますので、これまでどおり各課長の判断で対応したいと考えております。
 それから、2点目が日本平山頂シンボル施設の審査委員会の議事録をホームページで公開したらということですけども、議事録はホームページに公開することなく、情報公開で対応するとします。

○鈴木(智)委員
 これ以上議論してもしょうがないみたいですから、改めて本会議等で議論したいと思いますが、ただ1点だけお伝えしたいのは、先ほども富士山世界遺産センターの話がございました。当初皆さんが想定した予算と実際の入札価格に10億円の差があったということでございますけど、なぜそのような差があったのかと。その原因を突きとめるのに役立つのは議事録だと思うんですね。
 やはり、議事録を全部見ますと、若干コストの話も出ていましたけれども、ただやっぱり中心に置かれたのは、インパクトだとか斬新さだとか、あるいは設計者の経験値等々が議論の中心になり、その結果どちらかというとコストが軽視された部分があったと思うんですね。そのことについて我々ももっと早く気づくべきだったかなと思うんですけど、それをするにはやはり情報公開が必要だと思いますので、今回は開示しないという話ですけれども、引き続き議論したいと思いますので、ぜひまた開示の方向に進んでいただければと思いますので、よろしくお願いします。これにつきましては、以上にしたいと思います。

 続きまして、文化観光委員会説明資料26ページのNHK大河ドラマ「おんな城主直虎」を活用した誘客促進についてお尋ねしたいと思います。
 これは、来年の大河ドラマで浜松市ゆかりの井伊直虎が主人公になるということで、それを利用した誘客促進をこれからするということで、さまざまな事業が載っていますけれども、実際に具体的に、例えば商品になったり、さまざまな事業が始まるのはいつごろからなんでしょうか。

○神山観光振興課長
 来年度から始まることになります。
 ただ、JR東海とのタイアップ企画につきましては、4月から商品が発売されるような働きかけをしておるところでございます。

○鈴木(智)委員
 じゃあ、JR東海とのタイアップ企画は4月からですけど、残りについては来年度ということですか、じゃあ…。

○神山観光振興課長
 申しわけありません。平成28年度からということで、来年度から取りかかることになっております。

○鈴木(智)委員
 じゃあ、JR東海については今度の4月からということでございますし、例えば大河ドラマ館は浜松市の話になっちゃいますけれども、これも4月以降、割と早目にできるということでよろしいですか。

○神山観光振興課長
 早速4月にもエージェントの方をお呼びいたしまして、ゆかりの地をめぐっていただきまして、商品になるように働きかけを行うところでございます。

○鈴木(智)委員
 なぜこんなことを言うかというと、今、大河ドラマで放送されているのが「真田丸」でございます。私も真田幸村はもともと大ファンでございます。皆さんも来年の井伊直虎とも関係する話ですから、ごらんになっているかなと思いますが、もちろん井伊直虎を来年の大河ドラマで取り上げていただくのは非常に喜ばしいことだと思うんですが、これから結構危機感を持って取り組まないといけないのかなと思っています。もちろん最終的には大河ドラマそのものがおもしろいかどうかにかかってくることだと思うんですが、例えば「真田丸」と比較すると、井伊直虎はかなり条件が厳しいのかなと思っています。
 というのは、「真田丸」つまりは真田幸村、ドラマの中では真田信繁と本名で出ていますけれども、御案内のとおりもともと非常に有名な武将でございますし、いわゆる女性も含めてファンが非常に多いわけですね。
 実際に、「真田丸」のドラマと連携したさまざまな取り組みが各県で行われています。長野県はもちろんでございますし、ドラマで出てくる沼田城とか岩櫃城がある群馬県もそうです。それから関ヶ原の合戦の後、真田昌幸、信繁が流される九度山ですよね、和歌山県もそうでございますし、最終的には大坂冬の陣、夏の陣があるわけでございますけども、大阪府もいろいろやっているわけでございます。
 それに対して、後で井伊家のゆかりの地はどこら辺にあるのか聞きたいんですけど、多分、井伊直虎の場合には、基本的には静岡県だけになってしまうのか――おそれと言っちゃ言い過ぎかもしれませんけど――ということがあるもんですから、今からいろいろ取り組みが必要だと思うんですけど。
 まず、1点お伺いしたいのは、委員会説明資料に井伊家ゆかりの名所ってありますが、それはどこら辺なのか、あるいはもし他県とのゆかりがあれば、ぜひ他県とも連動してやるべきだと思うんですが、その点はいかがでしょうか。

○神山観光振興課長
 実は、昨年のうちに県内の各市町に照会をかけまして、井伊家ゆかりの地の一覧を作成したところであります。これはNHKの制作プロデューサーにも提供いたしまして、なるべく取り上げていただけるように、今働きかけておるところです。
 それと、主人公の直虎ですけれども、小さいころにいいなずけが長野県にも行っていることもございまして、長野県にもゆかりの地がございますので、長野県とどこまでできるかわかりませんけども、少なくとも県内のゆかりの地は連携させて、県外に向けてPRしていこうと考えております。

○鈴木(智)委員
 井伊家ゆかりの地といいますと、直接は井伊直虎と関係ないかもしれませんけど、いわゆる彦根城ですよね。井伊直政そして井伊直継が築いた彦根城がございますし、彦根城といえばひこにゃん――非常に有名なゆるキャラがいますけど――例えばひこにゃんと出世大名家康くんの連携もできるのかなと思うんですけど、彦根城あるいは彦根市との連携等はどうでしょうか。

○神山観光振興課長
 彦根になりますと、今度は井伊直政公のゆかりの地ということになりまして、今回の井伊直虎の時代からさらに時代が下がっていく形になります。今のところまだそこまで考えておりませんけれども、先ほど10番委員からも御指摘がありましたように、直虎自身の知名度がまだ低いこともございます。まずは直虎を皆さんに知っていただきたいということもありますので、まず直虎を中心にPRしていきたいと考えております。

○鈴木(智)委員
 そもそも論なんですけど、「真田丸」の視聴率は20%弱を切っているところですけれども、前年に比べれば非常に好調だということで、とにかく強引かもしれませんが、その人気を利用することが井伊直虎の成功にもつながるのかなと思っているんです。
 そもそも、主人公はごらんのとおり真田信繁ですけども、ただ裏の主人公、影の主人公は間違いなく徳川家康なんですね。ですから例えば県立美術館でも、徳川家康没後400年を記念して何かやるっていう話なんですけど、「真田丸」で実は大きく出てくるのが徳川家康なわけですから、ややこじつけかもしれませんけど、ぜひその点から今の「真田丸」と徳川家康をつなげた企画展みたいなのもあっていいのかなと思うんですけど、その点はいかがでしょうか。

○小泉文化政策課長
 徳川展の関係かと思いますが、徳川展につきましては、要は江戸時代の文化がテーマで、家康が築いた徳川の平和の時代に花開いた江戸文化という中でテーマを設定しておりまして、戦国の時代については対象になっておりません。そういった形で今準備をしております。

○鈴木(智)委員
 県立美術館に限って言ったつもりはないんですが、徳川家康は戦国時代物では大体出てきますので、余り珍しくないという言い方がいいかどうかわかりませんけど、ただ例えば他県ですと、「真田丸」の中で彦根市周辺も関連してくるんですが、これから石田三成が出てくるということで、それを使って石田三成の悪いイメージを変えようという取り組みを今、手元に資料がございますけど、びわ湖・近江路観光圏活性化協議会で石田三成が「真田丸」に出てくるからということで取り組みをしているんです。
 ぜひ、徳川家康あるいは井伊直虎につなげるんであれば、「真田丸」にまだ井伊直政は出てきませんけど、出てくる可能性もないわけじゃないですし、少なくとも井伊直政の次男ですよね、井伊直孝は。「真田丸」の大坂冬の陣で出てくるはずですので、こじつけかもしれませんけれども、ここからつながる可能性も出てくるわけですから、とにかく使えるものは使って、今から井伊直虎の認知度を上げていただく。そして来年の大河ドラマに関係するさまざまな取り組みにつなげていく努力は必要だと思うんですけども、その点をもう一度お願いします。

○神山観光振興課長
 御指摘のとおり今年度も家康公400年祭も展開いたしました。本県には歴史資源がいっぱいございますので、歴史資源を活用して、家康公とはもちろんかかわりがございますし、今後ほかの武将ともいろいろかかわりが出てくるかと思います。そういう可能性は目いっぱい探りながら、PRに取り組んでまいりたいと考えております。

○鈴木(智)委員
 ぜひ、貪欲な取り組みをお願いしたいと思います。
 委員会説明資料38ページなんですけど、事業概要の②に会議等に活用可能な施設をビル東側職員駐車場に設置するとあるんですけど、詳細がないもんですから、どのようなビルで、例えば何階建てだとか、何平米だとか、どれぐらい予算がかかって、あと仮設なものなのかあるいは恒常的なものなのか、その辺のところの詳細を教えてください。

○渡邉空港振興局長
 御承知のとおり、現在旅客ターミナルビルは大変混雑しておりまして、便宜的に荷物を外でお預かりさせていただいたりして対応しておりますけれども、極力ターミナルビルの中でお過ごしいただきたいと考えております。
 建物の2階部分に多目的会議室がございます。さまざまな会議を行っているわけでございますけれども、必ずしもビルの中になければならないことではないことを考えまして、現在の旅客ターミナルビルの東側部分にプレハブでもって建物をつくりまして、そこで会議等必要なものを行い、現在の多目的会議室につきましては、混雑の折には開放して、休憩等々に御利用いただくといった考えから施設を整備するということでございまして、12月議会で補正予算をつけていただきまして、現在、具体のものについて検討しているところでございます。

○鈴木(智)委員
 じゃあ、改修・増築が完了した暁には取り壊すということでよろしいですか。

○渡邉空港振興局長
 現在の旅客ターミナルビルにつきまして、必要な機能を確保する観点からは、10番委員御指摘のとおりの考え方もございますけれども、将来的にその器があることでさらに使える可能性も出てこようかと思いますので、またもう少し時間をかけまして、対応については考えてまいりたいと考えております。

○鈴木(智)委員
 あとは、改修・増築が終わった後の収支見通しをお尋ねしたいと思います。
 たしかきのうもいろいろな議論があったかと思うんですが、全体の面積が1.5倍ぐらいになって、飲食・物販が約3倍になるわけですね。逆に言えば3倍にするにはそれなりの理由があったと思うんですが、例えば飲食・物販にこれだけの需要が見込める、これだけ需要があればこれだけもうかるよと。だからこれだけの費用が必要なんだと。何らかの根拠があったと思うんですけど、まず飲食・物販の床面積を3倍にした理由、あと3倍にして完成した後の収支目標というか、見通しみたいなものがあるはずなんですけど、教えてください。

○渡邉空港振興局長
 飲食・物販機能につきましては、現在非常に狭小であるということで、どのくらいの規模が適切か考えましたときに、他の国内の空港等々における飲食・物販の施設の全体面積に占める割合を考えたときに、おおむね10%等々が相当であろうと判断をいたしまして、それを前提とした設計をしたということでございます。
 その収支についてでございますけれども、現時点で旅客ターミナルビル全体の賃料等々をどうしていくのかについて、正直そこまで詰めたものはございませんので、ここでお答えする手持ちはございませんけれども、現在の施設の利活用の状況を御説明申し上げますと、ターミナルビルの指定管理者でございました富士山静岡空港株式会社が、一旦県から借りる形にし、テナントに貸与している形でもって、売り上げ等々から賃料を得ている形になってございますので、現在の面積等倍の利益が上がると考えております。

○鈴木(智)委員
 逆に言えば、飲食・物販の面積がこのようになったのは、ほかの施設が約1割程度と。それとやはり基本的な考え方としては、国際便を1時間3便受け入れて、国内線を30分に2便を受け入れるには、例えばこのPPBを4機に1機ふやして考えるとこれだけの広さになると。その1割だとこれだけ必要だからという逆算で決まってきたということですか。

○渡邉空港振興局長
 全体に対する割合という考え方から先ほど申したとおりでございまして、10番委員御指摘のとおりでございます。

○鈴木(智)委員
 うまくいくと、3月末までに利用者数70万人を達成するかしないかというところだと思いますし、いずれは100万人を目指すということでございますから、きのうも似たような質問があったかと思いますが、100万人を達成した場合に着陸料云々だとか、飲食・物販に伴う収入が幾らというのは、現時点では全く見込みも何もないということでよろしいですか。

○渡邉空港振興局長
 現在、利用客数が70万人ということでございまして、これが100万人に伸びるということで、着陸料というのは、飛行機がおりて1機当たり幾らいただくという考え方になりますので、その便数の想定はさまざまにできますけれども、ざっくりとしたところ、例えば100万人に相当するような便数がおりた場合には、1億円程度の増額が見込めるのではないかと考えておりますけれども、さまざまな組み合わせがありますので、今後整理してまいりたいと考えているところでございます。
これはほとんど私の手持ちメモみたいな状況でございますが、めどとして、1つ目安として持っているものということでお答えをさせていただきました。
 それから、飲食コンセッションの部分につきましても、全体の収支がどうなるかについては、今、公式にお答えするものはないと冒頭申し上げたとおりでございますけれども、ただ担当レベルでのめどということで申し上げますならば、今のビルに関しましては、収入の部分でCIQですとか、あるいは航空会社そしてテナント等が借りて、賃料が入ってくる。そしてビルの維持管理費とそれから人件費の差っ引きでもって収支があがなわれることになりますけれども、これが大体平成26年度で1億円余の黒字といいますか、プラスになっているところがございますので、先ほど申しましたように、コンセッションの面積がふえる。維持管理費に関して言えば、必要な維持管理費は面積分相当で伸びるとは思いますけれども、他方、経費の人件費部分は面積がふえたからといって、その分だけ必要になることにはならないと思いますので、この部分でマイナスの数字が出てくるとは考えてございません。おおむね面積倍程度の状況で、収支差プラスが出てくるのではないかと見込んでおります。
 一応、手持ちではそんな計算をしてございますけれども、来年度早々にはこういったものをきちんと固めてまいりたいと考えております。

○鈴木(智)委員
 なかなか正確な数字を出すのは難しいと思いますが、ただいずれ完成間際になれば、当然いわゆるテナントを募集されるわけですよね。これだけあればこれだけもうかるよというか、そういった指標がないとなかなか募集もできないわけでして、それを加算すれば、トータルこれだけ収入が上がりますよとなれば一般会計からの投入も減りますよという話になるはずですから、そこは早急に出していただきたいと思うんですが、ただ今の渡邉空港振興局長の試算ですと、飲食・物販の面積が3倍になるから3倍程度ということは、先ほど着陸料等々が1億円、これはあくまで渡邉空港振興局長の試算なんでしょうけど、うまくいけば飲食・物販でも3億円ぐらい収入があるんじゃないかという感じでいいんですかね。

○渡邉空港振興局長
 飲食・物販の部分の面積は大体3倍になるということでございますけれども、先ほど御紹介申し上げましたが、現時点でのビル管理に係る収支差分が単純に3倍ということではなくて、面積がふえる分、一部分が大きくふえますけれども、それほどふえない部分もある。共用として賃料の回収ができない部分も出てくる可能性もあります。
 総合的に考えますと、そのビル全体でふえる面積相当分のボリュームがふえていくと考えるのが筋ではないかなと思っているところでございます。

○鈴木(智)委員
 では、早急にまとめていただいて、ぜひ目標を教えていただければと思います。

 最後に、委員会説明資料22ページのDMOについてお尋ねしたいんですが、DMOがいまいちイメージがつかないので、教えていただきたいんですが、地域DMOもそうなんですけども、全県DMOも平成28年6月から設置予定ということで予算が4000万円なんですけども、設置というのは具体的に何を設置するのか。例えば構成員から成る何らかの組織――静岡ツーリズムビューローができることなんですけども、ここに4000万円使うことは、どなたか専門員みたいな方が何人か配置される、そのための予算等々ということでよろしいんですかね。

○杉本観光政策課長
 全県DMOの設置についてお答えします。
 今、静岡ツーリズムビューロー――愛称はビジットシズオカ(仮称)ということで考えておりますが、県の観光協会の中に新たにDMOの機能を行う新体制を設置することで、具体的には今の観光協会の中に国際観光担当ということで3名おります。その3名に新たに運営管理、全体責任者を1名、あとマーケティングを専門にやる担当を1名、そしてワンストップ窓口の担当のインバウンドオペレーターということで、新たに3名職員をふやしまして、6名体制でやっていくということで、4000万円の事業費の中には、その3名等の人件費であるとか、あと地域DMOへの支援ということで、県内各地のDMOの体制強化をサポートするための中核人材の育成であるとかセミナー等による専門家の派遣費用を入れたものでございます。

○鈴木(智)委員
 やっとイメージがつかめてきたんですけど、新たに雇用される3名なんですが、この事業内容を見ますと、マーケティング調査、戦略策定、戦略的プロモーション、しかも人材育成もするということですから、これはかなりのベテランの方でないと、なかなか3名でやるのは難しいのかなと思うんですが、どういった方を3名ふやす予定なんでしょうか。

○杉本観光政策課長
 確かに今一番人材のところが課題でございますが、最初からかなり専門性の高い人材を選定できるかどうかわかりませんが、今のところこの3名は公募により選定していきたいなと考えながら、例えばどういう人材がいるか、例えば静岡県立大学であるとか静岡産業大学であるとか、先生に相談をかけてやるとか、民間のマーケティングコーディネーターであるとか、中小企業診断士の方とかにも相談をかけているところでございます。あと県内の旅行会社並びに関係団体、観光協会が既にいろんな農林漁業団体や商工業団体や交通事業者の団体と連携を持っているところもありまして、意見の聴取をして、どんな人を置くのがいいか、今、選定というか検討している最中でございます。

○鈴木(智)委員
 これは、愛称がビジットシズオカ(仮称)というぐらいですから当然、国内だけでなく国外も相手にすると思うんですけれども、海外にも通じた方あるいは言葉ができる方も、なかなかすぐに3名は難しいといってももう始まるわけですから、それなりの人材を集めなくてはいけないんですが、そういった海外にも通じる方を採用することでよろしいでしょうか。

○藤原観光交流局長
 我々は、富士山静岡空港を中心に海外からお客様を呼んできているわけですが、向こうの方に我々の聞いた経験を通じて一生懸命この国だったらこういうところが見たいんだよと、経験論というか感覚論で、それぞれやっています。今度はそれをデータに置き直して、例えばタイの人はどこの町、国に行く、同じアジアでもいろんな国に行くだろうし、お金持ちはもっとヨーロッパに行くだろうし、そのうち日本に来てくれる層ってどんな人なんだろう、あるいはその人たちは日本にどんな気持ちを持っているんだろうというものをもろもろ分析した上で、そういうことをこの人たちにお願いしたいものです。
 それがわかれば、我々でこれを用意できるとか、今までこうやってきたけれども、きっともう少し変えれば心が届くよとかにしていけば、間違いないマッチングができるというのが、このビジットシズオカ(仮称)の機能だと思っています。それをトータルで責任を持ってやってくれる人、データを分析できる人と今考えています。それをここでやろうと思っています。

○鈴木(智)委員
 なかなか要求が高いかと思いますけれども、場合によっては最初から3名にならないかもしれませんが、なかなか難しいんですけれども、これはかなり重要な事業と思いますので、しっかり人材を選定した上で事業を推進いたしますようにお願いを申し上げまして、私の質疑を終わります。ありがとうございました。

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