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平成30年6月議会一般質問(平成30年6月29日)

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質疑・質問事項 
1 人口減少・超高齢社会に適応するための取り組みの強化について
(1) 長期人口ビジョン等の見直し                  
(2) 県内全ての公共施設の最適化推進                 
2 公文書管理・保存・公開体制強化のための取り組みについて   
3 静岡県立大学の魅力向上のための取り組みについて         
(1) 事務局体制の抜本的な改革と強化
(2) 財政支援の充実 

○三十番(鈴木 智君) ふじのくに県民クラブの鈴木智です。
 静岡県政の重要課題について分割方式で質問をいたします。
 まず初めに、人口減少・超高齢社会に適応するための取り組みの強化についてのうち、長期人口ビジョン等の見直しについて伺います。
 この三月に策定された新総合計画静岡県の新ビジョンでは、それまでの総合計画で掲げていた二〇二〇年までに合計特殊出生率二を達成するという目標、方針を改め二〇一六年の出生率一・五五の向上を目指すことが示されました。
 人口置換水準である出生率二・〇七を下回り続けることは人口減少の永続を意味します。いずれは人口減少がとまって安定する状態の実現が必要という意味で、現在の出生率の上昇を望むのは自然のことです。しかしながら、二月議会でも述べましたように出生率上昇を直接の目的として掲げ、そのための政策を推進することは次の理由からやめるべきです。
 一、長泉、裾野等の出生率が高いのはもともと結婚、出産を考えている若者が町外、市外から流入していることによる可能性があります。つまり出生率上昇のための政策が他の自治体での出生率低下を招いている、県全体ではゼロサムゲームであり出生率上昇策としては非効果的のおそれがあります。
 二、平成二十六年度の少子化対策に関する県民意識調査に基づき、子供を二、三人持ちたいのが県民の希望とのことですが、その達成を目標として掲げることは消極的、積極的理由で子供を産み育てることができない県民にとって住みづらい社会にさせることにつながります。結婚、出産、子育ては無論すばらしいことですがそれが全てではありません。
 先日も性的少数者の議論がありましたが、多種多様なライフスタイルを尊重すべきであり、あたかも県民全員が望んでいるかのように子供二、三人を持つのが県民の希望と言うべきではないと考えます。
 また、前述の調査の回答率は三四・八%でした。残りの約六五%の方は回答者に比べると結婚や子育てへの関心が低い可能性があり、そうした点も考慮すべきです。
 また、子供を二、三人持ちたいという希望やそのための政策とは基本的に大人の視点に立ったものです。しかしむしろ重点を置くべきは子供の視点に立った政策、福嶋浩彦中央学院大学教授の言葉を借りれば子育ち支援策であると考えます。つまり出生率や出生数の動向に一喜一憂する前に今の日本を生きる外国籍も含めた子供たちの生活の質の問題、例えば貧困や大学奨学金等の経済問題、最近も大きく報道された児童虐待やいじめの問題等への対策を重視すべきではないでしょうか。
 三年前に策定された長期人口ビジョン、そして県独自の将来人口推計は二〇二〇年に出生率二・〇七と社会移動の均衡を実現し維持することにより二〇六〇年に県人口三百万人程度を確保することを目指すとしています。しかしそれは最上位計画の総合計画で改めたのですから、長期人口ビジョンと県独自の将来人口推計についても早急に見直すべきです。
 加えて、静岡県の昨年度の出生率が一昨年度の一・五五から一・五二に、国でも一・四四から一・四三に低下したことが先日公表されました。二〇二〇年の出生率二・〇七達成どころか出生率上昇そのものが当初の見込みより難しいことがより鮮明になっています。
 よって、二月議会で紹介した香川県三木町のように現実的な出生率の変化を想定、設定した上で改めて将来人口を推計するとともに将来を担う子供たちの視点に立った政策、人口減少抑止策よりも人口減少適応策の推進に重点を置いた長期人口ビジョンを新たに策定すべきと考えますが所見を伺います。
 次に、県内全ての公共施設の最適化推進について伺います。
 地元静岡市内の施設を例に挙げますが市民文化会館の建てかえ、市立大学構想、県立中央図書館の移転、建てかえ、県青少年会館問題等、公共施設の議論が最近多く行われています。しかし県や市町が部局そして自治体の枠を超えて県内全ての公共施設の最適化を目指して十分議論しているようには見えません。
 例えば、市民文化会館については七千席規模のアリーナ整備構想がありますが、グランシップ等が既にあるのにそのような大規模施設が静岡市民にとって本当に必要なのでしょうか。市立大学構想については、市内の高校生の受け入れ充実策なら市内にある県大や静大の定員増や新学部・学科の創設の方がはるかに現実的です。中央図書館に関しては二月議会でも述べましたが来月開館予定の高知県の新図書館のように市立、県立の中央図書館の合築も検討すべきです。青少年会館について言えば例えばボーイスカウト等の青少年活動団体の事務局をふじのくに地球環境史ミュージアムのバックヤード等に置けば、さまざまな研修や体験も同時にでき一石二鳥ではないでしょうか。
 こうした県内全ての公共施設の最適化推進のための議論は人口減少適応策として必要不可欠であるはずです。そこで国立も含めた全公共施設の情報共有に加え、それぞれの公共施設に関する計画や課題について特に政令市など県有施設がある市町との連携の枠組みや新施設を整備する際の情報共有の枠組みを設定する等の取り組みにより、県内全ての公共施設の最適化を推進すべきと考えますが、県の方針を伺います。
 次に、公文書管理・保存・公開体制強化のための取り組みについて伺います。
 旧優生保護法の問題が取り沙汰されています。静岡県では昭和二十四年から五十三年の間に七百四十六名もの方が強制不妊手術を受けたことがわかっていますが、被害者を特定できる記録、公文書は静岡県庁には全く残っていません。報道によれば資料が皆無なのは静岡県を含め十八府県、つまり二十九の都道府県では全員もしくは一部の被害者を特定できる資料が見つかっています。
 他県の状況について議会事務局を通じて確認したところ全員分保存の千葉県、長崎県、一部保存の岐阜県では当時の担当者が永年保存すべき現用文書もしくは歴史的公文書であると判断して保存しており、また千葉県や岐阜県等では公文書館で保管されていることがわかりました。つまり公文書管理保存のルールや公文書館、公文書管理の専門職員等の体制が静岡県でも以前から十分に整備、強化されていれば、強制不妊手術の被害者を特定できる資料が保存されていた可能性が十分あったと考えるべきです。真摯な反省と公文書管理体制の早急な強化が不可欠であると考えます。
 二月議会での答弁では文書管理規則の早期見直しが表明され、行政経営革新プログラムでも本年度中に規則を見直すことが示されています。しかしながら現在の文書管理規則は本年度中に全て見直すのは困難と思われるほどに多くの問題点を抱えています。
 例えば、一、二月の答弁でも認めていますが、歴史的公文書の保存に関する規定が希薄です。
 二、保存期間の規定が非常に曖昧です。文書管理規則の別表では例えば許可、認可、契約等に関する公文書の保存期間について特に重要なものは長期、重要なものは十年、比較的重要なものは五年、比較的軽易なものは三年、軽易なものは一年としているように規定は余りにも曖昧で客観性に欠け、部・局・課で判断が異なる可能性があります。作成すべき公文書の一覧と保存期間を詳細に定めている熊本県を見習うべきです。
 三、現用文書の保存期間が長期では、未来永劫歴史的公文書として公開されないおそれがあり、また担当課の書庫等での無期限の保存は公文書の紛失につながりかねません。
 四、保存期間一年未満の公文書の規定も曖昧であり森友問題、加計問題等のように恣意的に一年未満文書とされ廃棄、隠蔽されるおそれがあります。
 五、電子メールや備忘録的なメモも一年以上保存すべき公文書として規定するとともに県民の共有財産である公文書の廃棄に当たっては、廃棄文書リストを作成し第三者がチェックした上で最終的に廃棄する前に県民にもわかるような形でリストを公開し意見を請うべきです。
 また、現状では情報公開条例の雑則の中に公文書管理の規定がありますが、これは改正前の情報公開法の名残、第四章、補足、第二十二条、行政文書管理の規定です。これは公文書管理法の制定に伴い削除されています。そのため例えば熊本県でも公文書管理条例の制定に伴い情報公開条例にあった同様の規定は削除しています。
 そもそも、情報公開の大前提となる公文書の適切な管理の規定が雑則にあること自体おかしなことであり県の認識の低さのあらわれと言わざるを得ません。早急に見直すべきです。
 ちなみに現時点では、公文書管理条例も公文書館もない高知県では本年度から専門家や公募した委員から成る公文書のあり方に関する検討委員会を設置し、来年度中の条例制定に向けた議論を始めるとともに前述の新しい合築図書館完成後に元の県立図書館を改修し二〇二〇年度中に公文書館として開館するための作業を始めています。既に高知県からもおくれているわけですがその分内容でまさる取り組みを県は推進すべきです。
 したがって、可能な範囲で本年度中に規則を見直すとともに専門家や有識者による検討委員会を早急に立ち上げ、適切な公文書管理条例の制定や国家資格として導入が検討されているアーキビスト等の専門職員の配置や育成体制、歴史的公文書の適切な管理と県民が利用しやすい公文書管理施設の整備等、残された中長期的な課題について検討を始めるべきと考えますが、本年度中に行う文書管理規則の見直しの内容、並びに公文書管理条例の制定等の中長期的な課題への対応について方針を伺います。以上について答弁を求めます。
○議長(渥美泰一君) 川勝知事。
(知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 鈴木智議員にお答えいたします。
 鈴木智議員におかれましては、一貫して人口問題に取り組まれておりまして、その研究成果を踏まえていろいろと建設的な御提言をいただいていることに対しましてはありがたく存じます。いつぞや新幹線でお目にかかりました折も首都圏での研究会でのお帰りで書類を一生懸命勉強されていたお姿に感銘を受けました。
 私はこのたび、人口減少・超高齢社会に適応するための取り組みの強化についての御質問に対しまして長期人口ビジョン等の見直しについてお答えをいたします。
 本年四月にスタートいたしました静岡県の新ビジョンは、十年後を展望し人口減少の進行や超高齢社会の到来を初めとする環境変化を踏まえて、本県が目指す姿とその実現のための政策を明らかにしております。理想の姿の具体的イメージとして掲げました合計特殊出生率の向上というのを望む数の子供を持ちたいと願う県民の皆様の希望をかなえるためというふうにしておりますが、これに対する御批判を賜りました。しかしこれは議員も参照されました私どものした調査によるものでありまして、県民の皆様方が望む子供の数を集計いたしまして二プラスアルファというふうにしたものであります。決して例えば戦前期に産めよふやせよというような政策ではありません。あるいはお隣の国のようにかつての一人っ子政策を推進するというようなものではありません。もとよりいろいろな方がいろいろな生き方をなさるという、それを前提にした上で我々としましては、こうした統計調査を踏まえた上で政策目標を立てるということは、踏まねばならない手続であるということは御理解賜りたいと存じます。
 それから、本県の人口をふやすために他県から奪うというふうな形でゼロサムゲームだという御指摘もいただきましたけれども、確かにそういう面はございますけれども、基本的には首都圏がターゲットでございまして、そこで住まうと特に東京の場合、四十七都道府県の中で合計特殊出生率は最低です。それは明らかに産みにくいという、そうした社会環境が影響しているということでございまして、こうしたものから青年たちを言ってみれば救うといいますか、そうした観点を持ちまして地方で奪い合うというふうなところもあるかもしれませんけれども、それはターゲットではないということであります。
 さて、結婚や出産を妨げている課題を解消いたしまして、人口が安定した持続可能な地域づくりを目指すという考え方は我々は持っているところであります。それは高齢者を支えるためでもあり人口のピラミッドを安定化させるということでもあります。それからまた日本の歴史に学びまして平安時代並びに江戸時代、これらは大体意図せざる形ではありますけれども、人口がほぼ維持されていると、これは結果的には平和である時代と家族の規模というのが子供二、三人というところで落ちついているということを示しているということと受けとめているわけであります。
 一方、議員御指摘のとおり単に出生数の増加のみを目指すものではありませんで、子供の視点に立って本県の将来を担う全ての子供たちが国籍を問わずでありますが大切に育てられる生まれてよしの社会を形成することが極めて重要です。このため新しいビジョンでは子供が健やかに学び育つ社会の形成をもって、八つの政策の一つに掲げている次第であります。
 生活困窮世帯の子供への学習支援や社会的な擁護が必要な子供に対する大学卒業までの修学支援、その一環でさらに地域ぐるみ、社会総がかりの教育を推進いたしまして、こうした取り組みを強力に進めているところであります。
 この長期ビジョンというのは、将来の人口の展望を示し人口減少対策をまとめた総合戦略の前提となるものであります。ちなみに議員は当初は数年前は社人研の合計特殊出生率の数字をベースにして半世紀後、一世紀後に日本がどうなるかというふうなことを言われておりましたけれども、例えば合計特殊出生率、一九六六年のひのえうまの年には激減いたしました。私は常に数字の後ろには人の意思が働いていると、自由意思が働いていると、これを見落とすべきではないと。したがって現在の合計特殊出生率というのも実はその背景に人の意思があると。人の意思だけではありませんが人の意思が働いているというふうに見ております。そのとおりになりまして実際今、合計特殊出生率も上向きになっていると。そこにもまた私は意思が働いていると見ているわけであります。そしてそれと理想の子供の数との間に落差がありますから何とかこの落差を埋めて差し上げたいと考えているわけであります。
 国では、二〇二〇年度からの新たな総合戦略を策定する方針を明らかにされまして、本年三月に国立社会保障・人口問題研究所が新たな将来推計人口を公表されたことを踏まえまして、本県の将来人口推計を見直す必要があると考えております。このため外部有識者の御意見を承りながら来年度がいわゆるまち・ひと・しごと創生基本の方針と、これの地方版の総合戦略というのがございますが、その戦略の来年度が最終年度になりますのでこれまでの取り組みを総括いたしまして、長期的な視点に立って人口減少社会への適応戦略にも重点を置いた長期人口ビジョンと総合戦略の見直しを検討いたします。
 今後とも、この地に暮らす誰もが努力をすれば人生の夢が実現でき、幸せを実感できる地域の実現に向けて人口減少や超高齢化など、本県に立ちはだかる大きな課題の克服に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 吉林副知事。
(副知事 吉林章仁君登壇)
○副知事(吉林章仁君) 公文書管理・保存・公開体制強化のための取り組みについてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、現在の文書管理規則は歴史的公文書の保存に関する規定が不十分であることなど見直しが必要な複数の課題があることを認識しております。中でも保存期間が一年未満である文書の恣意的な取り扱いを防ぐことが喫緊の課題であります。このため国における行政文書の管理に関するガイドラインの改正内容を踏まえまして公文書の保存期間を原則一年以上とし、例外として保存期間を一年未満とすることができる公文書の範囲を限定して具体的に定める方向で本年中の文書管理規則の改正に向けて作業を進めてまいります。
 文書管理規則の規定に関するその他の課題につきましては、公文書が県民共有の財産であることを明確にした上で現用文書及び歴史的公文書のいずれにおきましても、県民の皆様が県の事業の実績を適切に検証できる制度とするよう外部の専門家や有識者の御意見を取り入れながら慎重に検討を進め、条例などを整備してまいります。
 また、歴史的公文書の管理につきましては、議員から御指摘がありました旧優生保護法に関する公文書などは、現在のように外部有識者の知見を活用した歴史的公文書の選別体制を整備していれば適切に保存することが可能だったと考えられますことから、今後も外部有識者が参画する組織的な選別の充実を図りますとともに職員の歴史的公文書に対する意識の向上に努めてまいります。
 あわせまして、歴史的公文書の利用のための施設のあり方などにつきましても、他県の事例等を参考にしながら県民の皆様が気軽に公文書を利用できる機能を整備する観点から検討を重ね、公文書の管理・保存・公開体制の強化を図ってまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 杉山経営管理部長。
(経営管理部長 杉山行由君登壇)
○経営管理部長(杉山行由君) 人口減少・超高齢化社会に適応するための取り組みの強化についてのうち、県内全ての公共施設の最適化推進についてお答えいたします。
 県では、平成二十六年に県全体の行政運営の効率化、最適化を目指し設置した行政経営研究会の部会としてファシリティマネジメント研究会を設置し、県内の公共施設の有効活用を進める取り組みを行っております。この研究会では全市町参加のもと地域ごとに公共施設の床面積や築年数などの情報共有のほか庁舎スペースの見直しや相互利用の推進などの検討を行ってまいりました。
 これらの取り組みを契機として、利用頻度の低かった富士総合庁舎の一部を集約し富士市へ貸し出すなどの成果も出ているところであり、議員御指摘のとおり県や市町が自治体の枠を超えて施設を有効に活用することは大変重要であると認識しております。今後はこの研究会を県、政令市、市町それぞれにおける情報共有だけではなく施設の共同利用などの効率的な活用を目指し、個別の調整の場として積極的に活用したいと考えております。また公共施設の企画構想段階にあっては県及び市町の企画担当部局で構成する地域政策会議で検討するほか、国有施設についても必要に応じて国への働きかけを行うなどさまざまな連携の枠組みを活用して県内全ての公共施設の最適化を図ってまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 鈴木 智君。
(三十番 鈴木 智君登壇)
○三十番(鈴木 智君) では、二点について再質問させていただきます。
 まず初めに、公共施設の最適化についてこれまでの取り組みをさらに一歩進めるという理解だと思いますが、確認なんですがどうしても、例えば市民文化会館ですとか市立大学構想の話というのはこれはもちろん市の話でございますので、今までですとなかなかその結論が出るまでは県のほうから積極的な意見とか情報提供というものはなかったのかなと思うんですが、ただやはりその内容によっては、これ県有施設に当然大きな影響を及ぼすんだろうと思います。ですからこれからそういった取り組みをするんだろうと思いますが、確認なんですが、ですから結論が出るまで静観するのではなくそういった話が出た段階から場合によっては知事、副知事、部長等の幹部、そしてこれからそういった枠組みができるということだと思いますが、現場の担当者も構想とか考えが出た段階から積極的に提案をしたりだとか情報交換すべきだと考えますし、そのための取り組みかなと思いますが、その点、再確認をしたいと思います。
 次に、公文書管理についてでございますが、まずその文書管理規則の見直しについては国のガイドラインの見直しに基づいて原則、公文書については一年以上の。ただ肝なのはやっぱり例外が出るということなんですね。国の場合その例外が実は例外じゃない可能性があるものですからそこは慎重に決めていかないとと思うんですが、ですからこそ私も提案させていただきましたし一応先ほどの答弁ですと外部の方の御意見を聞くという話になっていますが、ただそれでしたら担当の方が内々に聞くのではなくてしっかりと公開の場で、あるいは会議自体は公開でなくても後から速やかに議事録が公開される形で、やはりその先ほどの文書管理規則の見直しも含めてあと私がさんざん申し上げている中長期的な課題も含めて、もう早急にいわゆる専門家あるいは有識者が入った形でのその第三者委員会的なもの審議会みたいなものを立ち上げるべきだろうと思っています。
 と申しますのはなぜ加計問題、森友問題であのような問題が起きたかというと、行政職員が考えている残すべき文書と我々県民、国民が考える残すべき文書の考え方に違いがどうしても出てしまうからなんですね。なのでそういったギャップを埋めるためにも第三者的にあるいはこれかなり専門的な話も含んでおりますので、やはり早急にですね、有識者会議を立ち上げまして先ほどの文書管理規則の見直しも含めて、そして私、公文書管理条例、もうつくるのは自明のことだと思ってるんですが、まだそうではないようなんですけれども、その中身も含めまして、あるいは先日六月二十四日ですか、静岡新聞の朝刊に公文書管理規則、公文書管理の状態、静岡県の話が出ていましたけれども、そこに田町文庫の写真が出ておりました。御案内のとおり五段の文庫のうち最初の一段目が今、その浸水があるかもしれないということで使っていない状況になっていますけれども、あれはですから専門家から見ればとても恥ずかしい話だと思います。これはさんざんこれまでも指摘をしてきましたがそういった最終的なその公文書館のような管理する施設のことも含めまして、やはり早急に有識者会議みたいなものを立ち上げてやるべきだと思いますがそこについて改めて確認をしたいと思います。以上、答弁を求めます。
○議長(渥美泰一君) 杉山経営管理部長。
○経営管理部長(杉山行由君) まず、公共施設の最適化についての御質問でございます。
 特に政令市との情報共有という点でございますが、例えばですがこれまでも県と静岡市においては県・市地域政策会議を開催してございまして、これについては私ども副知事とですね静岡市の副市長がさまざまな県、市共通の課題について企画段階からいろんな情報共有をしている、そういう取り組みもございます。ですのでなるべくそうした計画構想段階から情報共有を持ちながらお互いの問題意識を共有しながら最適な解を求めていくというような取り組みをしたいと思います。
 また、県と政令市の関係でございますと議員御理解しているとおり例えば平成二十五年度に清水、市立桜ヶ丘高校、それと駿河総合高校、これらは県立二校、市立二校を再編統合したものでございますけれども、県と市の教育委員会で合同のテーブルをつくって六年ほど前からやった成果だというような経験もございますので、なるべくそういう情報共有をしながら最適化について検討していきたいと思います。
 二点目、公文書管理についての御質問でございます。
 まさしく我々、公文書管理の体制そのものについては議員が五点ほど御指摘をされました。我々も確かに議員の御指摘のことは真摯に受けとめなきゃいけないと思っております。ですので仕事の段取りとしては当面まず公文書管理を見直しをしていく。特に一年未満のものについて見直しをしていく。それとそういう管理、廃棄について県の職員だけではなく外部の専門家の意見を取り入れていく。これはやっていきたいと思っています。今のテーブルとしては文書廃棄に当たっては歴史的資料の選別、収集に関する審査会というテーブルを設けてございます。これには大学教授や国立公文書館の専門職員等が入ってございます。そうした専門家を入れたテーブルもございますものですから、そういうものを活用しながら適切な廃棄、何が歴史的公文書に当たるのかということを判断していきたいということでございます。
 もう一つ、今後私ども公文書管理の条例化について検討していきたいと思ってございますけれども、この条例化の検討に当たっても例えばですけれども、これまで行財政改革推進委員会という形でいろんな形で行政活動について御意見をいただいてきた専門家の方もございます。今回、行政経営推進委員会という形に名前を変えますけれども、そうした場を通じて外部の意見をいただきながら、もしくは必要に応じては歴史的資料の選別選集に関する審査会の専門委員も入れながらですね、公文書の条例化に当たってはいろんなものを検討していきたいと思います。
 それとハード整備につきましては、議員御指摘のとおり田町文庫でございますけれども、一段目は抜いた形で当面の対応をしてございます。これも中長期的課題としてですねまさしくファシリティマネジメントの視点から、例えば県有施設の既存施設を有効活用できないのかと、そういうような視点からどういう形で公文書の管理、公開体制がいいのかということについて検討していきたいと思います。以上でございます。
○議長(渥美泰一君) 鈴木 智君。
(三十番 鈴木 智君登壇)
○三十番(鈴木 智君) 改めて言うまでもありませんが公文書は一度なくしてしまっては取り返しがつかないことでありますので、早急な対応をお願いしまして次の質問に移りたいと思います。
 静岡県立大学の魅力向上のための取り組みについてのうち、事務局体制の抜本的な改革と強化について伺います。
 この三月県大の有期雇用職員の雇いどめが大きく報道されました。公的機関である県大での雇いどめは私にとっても予想外で大変衝撃を受けました。また四月に例年のように県大の入学式に出席しましたが留学生がかなり少ない印象を受けました。事実、留学生は平成二十三年度の百四十七名をピークに減少傾向にあり平成二十八年度、二十九年度は九十名をも下回っています。
 この二つの事例は一見、無関係のようですが違います。どちらも残念ながら県大の事務局体制に問題がある結果なのです。
 法人化から十一年経過したにもかかわらず、いわゆるプロパー職員の採用は不十分で県派遣職員の比率が高水準です。公立大学協会の資料によれば県大のプロパー職員比率は公立大学平均の半分以下です。
 例えば、秋田県の国際教養大学では本年度のプロパー職員は四十九名、県派遣職員はわずか五名です。一方県大の本年度のプロパー職員十六名に対し県派遣職員は四十九名にもなります。しかも県大では法人と大学の事務局長、事務局次長等の要職全てを県派遣職員と再雇用の県庁OBが占めています。また派遣職員は平均三年余りで県庁に戻っており大学事務局長は一、二年で交代しています。
 また、県大では非正規有期雇用職員の比率が高く本年度は七十九名、全職員百四十四名の約五五%です。ちなみに国際教養大学では本年度職員八十四名のうち有期雇用職員は三十名、約三六%です。そして有期雇用職員である専門員はかなり高度な職責を担っています。
 例えば、県大の事務分掌によれば交換留学生の派遣、受け入れ、留学生の勧誘、受け入れ等の主任担当者は専門員一名と事務員一名、知的財産管理体制、特許出願、商標届等の主任は専門員一名、学生の個別就職相談等の主任も専門員一名となっていますが、給与等の待遇において正規職員よりも冷遇されており同一労働、同一賃金と言える状況にありません。加えて静岡文化芸術大学職員や、今月一日からすぐれた人材を確保し育成する観点から県大の薬学部、食品栄養科学部、看護学部の教員には認められた無期転換ルールが県大の職員にはなく、有期雇用職員の平均在職期間は三年を大きく下回っています。
 こうした状況を鑑みると、県大事務局が知識や経験、人脈、対外関係が十分に蓄積される体制にあるとは到底思えません。実際職員の能力開発もほとんど行われていません。そもそも県派遣職員や県庁OB中心の体制では県から自立した公立大学法人、地方独立行政法人としての民間の発想や手法を取り入れた独自の大学経営は進まないのではないでしょうか。
 また、正規・非正規全ての事務局職員が県大に対し帰属意識を持てる状況にもなく、教職協働の認識や取り組みも不十分のようです。
 以上のような問題が事務局にあるため入試倍率や外国人留学生の減少、県内出身学生割合の上昇、つまり県大の魅力低下を招いているのではないでしょうか。加えて事実上県の組織と言える県大が労働契約法改正の趣旨に背き無期転換ルールを認めず雇いどめを行っていることは公的組織の社会的義務、役割の不履行です。また同じく雇いどめを実行あるいは検討中の企業や組織に雇いどめ正当化の理由を与えかねません。
 県内の無期転換対象労働者は、推計で約十五万五千人もおりその影響は小さくないはずです。さらに人材養成機関としてもあるまじき行為であり県大のイメージ低下にもつながっていると考えます。
 県大に雇いどめされた四十代の女性に先日お会いしました。子育てが落ちつきフルタイムでずっと頑張ろうと思っていたやさきに雇いどめされたそうです。さらに衝撃的なのはこの女性は県大の卒業生だということです。「生んでよし 育ててよし 働いてよし」の静岡県の大学としてやってはいけないことをしてしまったと本当に思います。
 またほかにも、多くの県大関係者から問題点を伺いましたが大学間競争が激化する中、県大は果たして生き残れるのかと大いに不安を感じざるを得ません。
 そこで、県大の魅力向上のためにも教職員組合と合意の上での無期転換ルールの早期実施や有期雇用職員の正規職員化推進、プロパー職員採用計画の大幅な前倒し、事務局長、次長等の幹部候補としての大学、企業経営経験者の採用、希望県庁職員の転籍等を実行することにより事務局体制の抜本的な改革と強化を早急に進めるよう県大に対し強く要請すべきと考えますが県の決意を伺います。
 最後に、県大に対する財政支援の充実について伺います。
 アジアで最も評価が高い大学を御存じでしょうか。それはシンガポール国立大学です。今月、史上初の米朝首脳会談の開催地として注目されたシンガポールは御存じのとおり小国です。総人口は約五百六十万人ですがシンガポール国籍や永住者の人口は約四百万人、つまり静岡県よりも一割多い程度の国です。そんな小国の国立大学の評価がなぜ高いのか。一言で言えば国を挙げて教育の充実に取り組んできたからです。
 シンガポールの本年度の教育予算は全予算の約一六%です。一方、日本の教育予算は全体のわずか五・五%、シンガポールの三分の一程度です。国と県の違いはありますがシンガポールを見習って、静岡県も将来を担う子供や若者たちの教育への投資を充実させるべきです。県大に関して言えば国が国立大学への運営費交付金を毎年減額しているのに倣って一%の効率化計数により約二千二百万円、県大への運営費交付金を県は毎年減額しています。
 しかし、そうした機械的な減額に伴って経営効率化を追及した結果、前述のように無期転換ルールが認められない有期雇用職員が多い事務局体制となってしまったのではないでしょうか。また他の公立大学、例えば国際教養大学や県立広島大学等と比較すると県大職員一人当たりの学生数は多くなっており、その見直しのためにも財政支援の充実は必要と考えます。
 経営効率化の努力は今後も必要不可欠ですが、その結果県大の魅力が低下しては意味がありません。県は総合計画や教育振興基本計画で県内高等教育機関への外国人留学生を四年間で二千八百二十一人から五千人にふやすこと、県大、文芸大学生の県内就職率を五八・四%から六五%に引き上げること等を目標に掲げていますが、それには前述のように県大の事務局体制の改革、強化が欠かせないはずです。
 また、優秀な人材を静岡県から輩出するためにも効率化計数の廃止だけでなく当面はむしろ運営費交付金の増額等財政支援を充実強化し、魅力向上のための県大の抜本的な改革を強力に後押しすべきと考えますが、県の今後の方針を伺います。以上について答弁を求めます。
○議長(渥美泰一君) 渡邉文化・観光部長。
○文化・観光部長(渡邉眞一郎君) 静岡県立大学の魅力向上のための取り組みについてのうち、事務局体制の抜本的な改革と強化についてであります。
 静岡県立大学では、自主的、自律的な大学運営を行うため平成十九年度から県職員の派遣を削減するとともに大学事務に精通した職員の育成を目指し平成二十六年度からはプロパー職員の採用を計画的に進めているところであり、この五年間で十七名を採用し民間企業等の経験者については前職の経験や資格を生かすなど適材適所の職員配置に努めております。また職員の専門性を高める観点から大学運営に必要な外部資金等に関する知識を習得する研修をこれまでも体系的に実施してまいりましたが、より一層専門性を高められるよう公立大学協会が行う学外研修を取り入れるなど研修内容の充実を図っているところであります。さらに正規・非正規全ての職員がやりがいを持てる雇用環境の構築に向け職員のワーク・ライフ・バランスのとれた職場環境の実現とともに、有期雇用職員の無期転換制度等の導入につきましても現在検討を進めているところであります。
 本年度は、平成二十五年度から始まった第二期中期計画期間の最終年度に当たり現在、県立大学において次期中期計画の検討を進めております。
 県といたしましては、これにあわせて高い専門性や多様な経験を持つ優秀な人材の確保・育成や職場への帰属意識の醸成が図られるよう、プロパー職員の採用促進や幹部クラスへの経験者採用など事務局体制の強化を働きかけ、静岡県立大学の魅力向上に努めてまいります。
 次に、財政支援の充実についてであります。
 県では、静岡県立大学に対し健全かつ円滑な大学運営が行われるよう、運営費交付金や施設整備等補助金により財政支援を行っております。大学は効率的で効果的な運営を行うことが求められておりますことから運営費交付金につきましては、教育研究費や管理運営費に対し対前年度比一%の減額を行っておりますが人材は教育の基本であることから、人件費に対しては減額を行うことなく法人化前と同一の教職員定数に基づく交付金を計上しております。
 また、県立大学においても法人化の目的である自主・自律性を発揮し大学みずから科学研究費補助金や企業等からの外部資金を確保しながら教育研究水準の向上を図っております。また教育環境の充実が重要であることから施設整備等補助金につきましては、施設整備計画に基づいた大規模改修や研究用の高額備品の更新などに対し法人化当初の三千万円から今年度は三億円を超える規模へと大幅な増額を行ってまいりました。
 先ほども申し上げましたとおり、本年度は次期中期目標・中期計画を定める節目の年となりますことから県といたしましては、県立大学がより魅力ある大学となるための財政支援のあり方につきまして国立大学法人や他の公立大学法人の状況等も踏まえながら早急に検討を進めてまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 鈴木 智君。
(三十番 鈴木 智君登壇)
○三十番(鈴木 智君) 再質問いたします。
 まず、無期転換ルールの導入については検討中ということでございますがこれはそんなに時間をかけるべき問題じゃないと思うんですね。というのは、やると判断すればやれる話ですしもちろんそれに伴って若干人件費がふえるということになるのかもしれませんが、それはそんなに大きな額ではありませんし何よりも来年無期転換あるいは雇いどめの対象になる方がいらっしゃるわけですけれども、その方はそろそろもし雇いどめが引き続き続くのであれば次の就職先を考えなくちゃいけないという状況にあるわけですね。ですから早急に結論を出すべきと考えますが、まずいつごろをめどに結論を出されるのか伺いたいと思います。
 あと、県大なんか全然問題がないような話だったんですが私は今回さまざまないろんな話を聞いています。例えば食品栄養科学部なんですがこちらは管理栄養士の養成施設となっています。ただその学部の方が強調されていたのは実は法律の基準を満たしていないところが多々あるということなんですね。ただ県のほうは、いや実は満たしてますよという話なんですが、ただ詳しい話を聞きますと例えば一点だけ時間がありませんので紹介をいたしますが、その基準の中に栄養教育用食品模型を備えなさいとあるんですね。ただこれ具体的にどんな模型を、あるいはいつの模型を備えればという規定がないもんですから一応それはあることにはなっています。ただ聞くところによるとこれは実は前身の静岡女子大学のころのものをずっと使っているということなんですね。ですから三十年、四十年、下手すると五十年たっているということなんです。その間、食生活も変わりました。また栄養士に関する教え方も変わっていると思いますのでこれはやっぱり明らかに問題だろうと思いますし、十二月に厚労省の査察が入るということですがこういったところがひっかかるんじゃないかと危惧をしております。そういった状況を恐らく県のほうは確認されていない可能性があると思いましたのでぜひ現場主義を掲げる知事にはですね、一度県大に来ていただいてそういった実態を見ていただきたいと思いますがその点について伺います。以上答弁を求めます。
○議長(渥美泰一君) 渡邉文化・観光部長。
○文化・観光部長(渡邉眞一郎君) 再質問についてお答えをいたします。
 無期転換ルールを早急にというお話で、いつごろまでかというお話をいただきました。これにつきましては現在大学のほうで今、検討を進めているというふうに報告を受けておりますけれども、その状況については早急にという話もございましたので改めて確認をしてまいりたいというふうに考えております。
 それから、備品の整備につきまして県のほうでそろえたものがあればそれは早急に直さなければいけないということでもございますし、また御指摘のようなところがあればそれなりの、まずは大学での御工夫、それから必要に応じてディスカッションという話もあろうかと思いますがまずは現場の状況につきましては、ヒアリング等々進めてまいりたいと考えております。以上であります。

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