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厚生委員会議事録(平成26年7月2日)

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○鈴木(智)委員
 ふじのくに県議団の鈴木智でございます。
 私、この1年間の厚生委員会で3つのテーマを中心に質問しようと思っております。1つは脱法ドラッグ、これから質問するところです。もう1つは、自殺対策としての富士モデルの検証、最後は少子化対策についてでありますが、本日は一問一答方式で脱法ドラッグを中心に質問したいと思っております。ですので2番目、3番目については時間がなくなるかもしれませんけれども、よろしくお願いをいたします。
 脱法ドラッグについては、先日、本会議の一般質問で取り上げさせていただいて、宮城島部長から御答弁いただきました。それに対していろいろ細かく質問したいと思います。
 まず、私も紹介しましたけれども、脱法ドラッグに関する厚生労働省の調査結果を静岡県に当てはめますと県内には約1万5000人の脱法ドラッグ経験者がいます。しかも中学生においても200人ほどが経験している可能性があるということなんですが、静岡県におけるこうした脱法ドラッグの経験者の実態をどのように認識しているのか、まずお聞かせください。

○杉井薬事課長
 脱法ドラッグの経験者についてでございます。
 国の調査によると、脱法ドラッグについては、比較的年齢の若い人、こういうところで蔓延しているという報告が出ております。静岡県内においても、そのような状況があるのではないかと考えています。

○鈴木(智)委員
 この間の本会議の答弁で、宮城島部長は県は全国に先駆けて昭和51年度から薬学講座を行っているとおっしゃっていますから、当然その効果も全国よりも上がっているんじゃないかと思うんですが、この薬学講座に対する効果については、どのように把握されているんでしょうか。

○杉井薬事課長
 薬学講座につきましては、昭和51年から全国に先駆けて実施をしております。現在は小学校5年生、6年生、それから中学生全員、それから高等学校の生徒全学年、こういったところで薬学講座を実施しております。昨年度からはこの薬学講座に脱法ドラッグの項目を加えて教育の実施をしているところです。
 薬学講座にどれぐらいの効果があるかということについてです。
 具体的な数字は把握しておりませんけれども、やはりこういう薬物乱用防止のための教育啓発というのが非常に重要だと考えております。静岡県は先ほども言ったように小学校、中学校、高校全校を対象にしてこういう講座をやっておりますので、危険性の周知には役立っているのではないかと考えています。

○鈴木(智)委員
 何事もPDCAが重要です。全国平均でいきますと静岡県には10万人強の中学生がいるということで、それに0.002を掛けると200人ぐらいということになります。せっかく全国の数字が出ているわけですから、それと比較するべきだと思うんですね。
 というのは、アンケート調査みたいになるかと思うんですが、そういった調査は同時に脱法ドラッグに対する注意喚起にもつながると思うんです。静岡県もこれからどんどん対策を強化すると思うんですが、ぜひこの際、県内における中学、高校、大学そして一般における脱法ドラッグの経験の実態も私は調査すべきだと思うんですが、その点いかがでしょうか。

○杉井薬事課長
 若年層に対する調査、青年に対する調査でございます。
 本年度インターネットモニターアンケートで薬物乱用についてアンケート調査を実施する予定でございます。その結果を踏まえて今後検討させていただきたいと考えています。

○鈴木(智)委員
 インターネットモニターアンケートでもやらないよりはやるほうがましだと思うんです。ただインターネットはあくまでも自分から見に行かないとやらないわけですね。関心のある方は見るかもしれませんけれども、関心がない方は全く見ない可能性がある。ですから、無作為でやるアンケートに比べればやはりその信憑性、客観性というのは欠けると思うんです。
 インターネットだけでなく、ぜひ無作為でやる調査もやるべきだと思いますけれど、もう一度答弁をお願いします。

○杉井薬事課長
 先ほど申したインターネットアンケート調査というのは、県が委嘱している、インターネット県政モニターに対するアンケート調査でございます。この中で、薬物乱用について一般の方がどういう意識を持っているかというのを確認した上で、今後の調査の項目なども検討していきたいということでございます。

○鈴木(智)委員
 簡単な方法としては、県で毎年世論調査をやっていますね。だから例えば経験したことがある、経験したことがない、あるいは経験した人を知っている、知らない、あるいは勧誘を受けたことがある、ない、そういった項目を入れることは簡単だと思うんですけれど、その点はいかがですか。

○杉井薬事課長
 県政世論調査は毎年やっております。本年度インターネットモニターアンケート調査をやる目的も県政世論調査の項目にこういったものを入れられないかと。入れる場合にどういった設問が適切かというところも判断したいということで本年度インターネットモニターアンケートを実施するものでございます。

○鈴木(智)委員
 そこは積極的にお願いしたいと思います。
 先日の本会議での私の一般質問に対して、宮城島部長は脱法ドラッグ販売店と判明した場合に契約が解除できる条項の導入を不動産業界に検討していただくと答弁されました。翌日の新聞に載った記事によれば、脱法ドラッグの定義を明確にする方向で協議中とあります。具体的にはどのように脱法ドラッグを定義するお考えなんでしょうか。

○杉井薬事課長
 不動産業界との標準契約書の中に、禁止事項として脱法ドラッグの販売というものを入れて、そういったものが判明した場合には契約が解除できるような形にできないかということで、現在は公益社団法人静岡県宅地建物取引業協会と調整を進めているところです。
 脱法ドラッグの定義については非常に難しいものがあります。民民の契約なんですけれども、入れていただく以上、そのところはきっちりする必要があるだろうというところで、今後顧問弁護士と相談しながら中身を詰めていきたいと考えております。

○鈴木(智)委員
 まだその具体的な定義をどうするかについては検討中ということで、まだはっきりとはしていないということでよろしいでしょうか。
 というのは、脱法ドラッグですよと言って売っている人はいないわけですよ。皆さん合法だ、合法だと言っているものですから、かなり細かく定義をしないといけないと思います。例えば脱法ドラッグを売っていることが判明したら契約解除できますよだけでは当然うちのは脱法ドラッグではないよ、お香ですよ、ハーブですよといった場合は完全に無視することができると思うんです。
 最終的には誰が脱法ドラッグだと判断すべきだとお考えでしょうか。

○杉井薬事課長
 脱法ドラッグについては、例えば警察庁が使っている言葉それから東京都が使っている言葉があります。そういったものを参考にしながら内容を検討していくと。その上でやはり法律的な観点というのも重要になると思いますので、そういったことについては弁護士にも相談していきます。ただ定義が長くなってしまっても書きづらいかなというところがありますので、今後この部分については詳細を詰めていきたいと考えています。

○鈴木(智)委員
 東京都の条例の文章はよくわからないんですが、和歌山県の条例ですとこのように書いてございます。まず、第2条第7号で、「濫用されることによって、興奮、幻覚、陶酔その他これらに類する作用を人の精神に及ぼす、又は及ぼすおそれがある物(酒類及びたばこを除く。)」とあります。具体的にはどういうものかというと、今言った薬物のうちその名称、使用方法等云々、時間がかかりますので省略します。それを知事監視製品制度でやっているんですけれど、和歌山県の定義は使えると思うんですけれど、その点はいかがでしょうか。

○杉井薬事課長
 ただいま鈴木委員から説明のあった和歌山県の条例での定義、こういったものも含めて検討してまいりたいと考えております。

○鈴木(智)委員
 ただこれだけでは不十分だと思っているんです。というのは、御案内のとおり具体的には和歌山県の知事監視製品制度では、この製品はいわゆる脱法ドラッグですよ。ですから、知事監視製品ですよと定義をして初めて規制がかかっているわけです。ですから、条項にそこまで長くならない程度の定義を書いたとしても、販売している側がうちのはそんなんじゃないよと言ってしまえばおしまいのはずなんですね。ですから、私はやはり不動産の契約条項に入れる際にも、それとは別に脱法ドラッグはこういうものですよと、具体的に製品を指定しないと効力を及ばさないと思うんですけれど、その点はいかがですか。

○杉井薬事課長
 例えば警察庁の脱法ドラッグの定義は、規制薬物、これは覚醒剤、大麻、麻薬、向精神薬、亜鉛及びケシガラ、または薬事法に基づく指定薬物に構造を似せてつくられ、これらと同等の薬理作用を有する物品というような言い方をしております。この辺の定義を参考にしながら検討してまいりたいと考えております。

○鈴木(智)委員
 杉井課長、ちょっと苦し紛れの答弁だと思うんですが、やはりそういった点では絶対認めるわけないんですよ。実際それで皆さん合法だ、合法だと言っているんですから。そうじゃなくて、そういった定義は当然条項の中には入れなくてはいけませんけれど、具体的にはどういうものかと指定していかないと、せっかく入れた条項も結局は販売店から無視をされて、違うよと言われておしまいになるんじゃないかと思うんです。その点をもう一度御答弁お願いします。

○杉井薬事課長
 具体的な定義、和歌山県の場合は条例で規制をするという部分になっております。一方、不動産業界で用いる契約書については民民の契約になります。なので、民民の契約と条例での定義、この辺は定義の仕方は変わってくるというふうに考えておりまして、その辺も弁護士と相談して検討していきたいと考えています。

○鈴木(智)委員
 私もこの不動産業界と連携した取り組みというのは非常に重要だと思っています。ただ、それではまだまだ全然不十分だと思っているものですからいろいろ聞いているんです。
 また幾つか確認します。例えば、この条項を実際に入れていただいたとしても、不動産業者の全員が静岡県宅地建物取引協会等々に入っているわけじゃないですよね。ですから、入っていない不動産業者に効果が及ばないと思うんですけれど、その点はいかがですか。

○杉井薬事課長
 確かに宅建協会の会員外、あるいは会員の中でも末端まで周知されるかどうかというところが課題の1つになってきていると思います。そういったところで、要は宅建協会については、各支部、こういう単位で保健所等を通じて要請していくと。これについても今後警察と協議をしながら合同でやるとか、そういった形で周知を図っていきたいと考えています。
 また、会員外についても警察独自で個別の不動産会社に要請している例もあります。そういったところも含めて対応を検討していきたいと考えています。

○鈴木(智)委員
 今と似たような質問ですが、他県の不動産業者で静岡県内の不動産を扱っているところもあると思うんですが、そこにはやはり効果がないですよね。

○杉井薬事課長
 他県については、お話しすることはできないので、そういった条項を盛り込むことも難しいかと思いますけれど、そういった課題等も今後検討していきたいと考えています。

○鈴木(智)委員
 これはあくまでも実際不動産業者を通じて契約する場合に効果があるんであって、なかなか例はないかもしれませんけれど、自分自身が持っている建物でやる場合には、これも効果がないですよね。

○杉井薬事課長
 賃貸契約を結んでいる店舗についてはこういった取り組みで1つの抑止効果はあるかと考えています。
 鈴木委員御指摘の自分の家で売っている、そういうようなケースについては、今年度新たに地域と連携した取り組みを始めています。そういったものを今後広げていく必要があると考えています。

○鈴木(智)委員
 御案内のとおり、今県内では既に6店舗脱法ドラッグ店がございます。ここは既に契約を結んでいるわけです。もちろん契約を更新する場合もあるかもしれませんけれども、今は大体お互い申し入れがなければ自動的に延長される場合も多いですよね。それに対しては効果がないと思うんですが、その点はいかがですか。

○杉井薬事課長
 現行の契約を更新するときに、こういった条項を盛り込んだものに変えていっていただくというようなことを不動産業界と検討、調整をしたいなと思っています。

○鈴木(智)委員
 繰り返しになりますけれど、不動産業界との連携はぜひやっていただきたい。その点は私も認めるところでありますが、今言っただけでもかなり課題があります。実際漏れてくるところは多々あるわけです。静岡新聞の記事にも入っていますけれど、実際にこれが功を奏したとしても、要はインターネットによる販売については全く効果がないんですね。和歌山県の知事監視製品制度は、インターネットでの販売に対しても規制を行っています。ぜひやはり和歌山県型の条例を早急に制定すべきだと思うんですが。

○杉井薬事課長
 和歌山県のような条例の導入ということです。
 脱法ドラッグを規制する条例については本会議でも宮城島部長の答弁にあったとおり、東京都、大阪府、鳥取県、徳島県、愛知県、和歌山県の6都府県が制定をしております。これらの6都府県には国が未指定の薬物を知事指定薬物として製造や販売等を規制する条項を設けており、和歌山県は知事指定薬物に加えて、規制品を知事監視製品として指定し、販売の届け出、購入者への説明書の交付、購入者に販売者へ誓約書を提出するなどの義務づけを行うなど、さまざまな手法で規制をしております。
 条例によって脱法ドラッグを規制するためにはやはり条例に実効性があることが重要であると考えております。現在のところ、大阪府、和歌山県、愛知県に担当者を派遣して各条例について調査をしてきております。
 和歌山県、愛知県では検挙事例がなく大阪府では4件の検挙事例があるものの、いずれも不起訴になったと伺っております。
 また、和歌山県の条例は担当者から知事監視製品の指定については和歌山地方検察庁から問題があると指摘をされていると伺っております。このことは条例の実効性に係る大きな課題であると認識しております。このような先行条例の効果、課題をしっかり検証し警察や弁護士の意見も聞き、相談をしながら検討したいと考えています。

○鈴木(智)委員
 今聞き漏らしましたけれども、条例が6都府県にあってそれについて検証しているということなんですが、済みません。もう一度どこまで検証が進んでいるのか。
 あと、その実効性云々という話がありましたけれども、効果がないというふうにお考えなのか。あるいは課題も先ほど検察側がなかなかいい顔しないということだと思うんです。今まで検証した中間報告的なことで結構ですが効果と課題を一度確認させてください。

○杉井薬事課長
 検証については、例えば大阪府については警察官の立ち入りを規定をする項目を設けたりしております。実際6都府県の条例は罰則まで設けているんですけれど、そこまでつながっていかないという課題があります。そういった効果と課題といったものをしっかり検証する必要があると考えています。

○鈴木(智)委員
 6都府県のうち調査が済んだのは何都府県ですか。

○杉井薬事課長
 和歌山県と大阪府、愛知県に担当者を派遣して調査をしております。残る3都県についてはこれから担当者を派遣して調査したいと思っております。
 先ほど申した大阪府は4件の検挙事例がありますけれども、いずれも不起訴となっています。和歌山県については、和歌山県薬物の濫用防止に関する条例の知事監視製品制度が地方検察庁から問題があると指摘されているということはやはり調査に行って初めてわかりました。ですので、直接担当者から各都府県の条例の課題等を聞き取っていく必要があると考えています。

○鈴木(智)委員
 既に6都府県のうち、3府県については調査が終わっているわけです。残り3つですから、そんなに時間はかからないと思うんですね。ですから、先日いつごろを目途にといった本会議での質問に対して宮城島部長から明確な答弁がいただけませんでした。あと3つなんですから、年内ぐらいまでには調査、検証を終えるべきだと思うんですが、その点はいかがですか。

○杉井薬事課長
 いつごろまでにというお話なんです。
 先ほど申したとおり、残りの3都県の調査をし、その上で警察や弁護士などの意見を聞き、相談しながら実効性ある条例が制定できるかどうかについても検討を進めてまいりたいと考えております。したがって、現在のところ条例化に向けたスケジュールについてはいつまでということをお伝えできる段階ではありません。

○鈴木(智)委員
 私はどうしてそんなに時間がかかるのかよくわからないんですね。例えば、先日も本会議でも紹介しました静岡駅構内のある喫茶店で、脱法ドラッグを使用したと思われる会社員がいきなり奇声を発して椅子を振り回したと。幸い人的被害はありませんでしたけれども、新聞記事によりますと店長は本当に怖かったというふうにおっしゃっています。同じく駿河区内で平成26年6月29日の午前0時過ぎに、脱法ドラッグを吸われたと思われるペルー人が追突事故を起こしています。
 たまたまかもしれませんけれど、つい最近でもそれだけ事故が起きているわけですね。ですから、ちょっと危機感が足りなさすぎると思うんですけれど、宮城島部長いかがですか。

○宮城島健康福祉部長
 脱法ドラッグについては、今全国的な問題になっています。新聞紙上で見ただけなんですけれども、脱法ドラッグとして成分が指定されているのが1,370物質。今指定しようとしているのが8物質、合わせて1,378物質です。科学捜査研究所のほうで調査を待っているのが2,000物質というふうなことで、今は脱法ドラッグのこの取り締まりに際して、どういうふうな方向で実効性を持たせるかというのが、本県だけでなく全国的な課題となっております。
 条例をつくる場合、実効性があるものが肝心だと思っております。私のほうでは、やはり警察のほうが御了解いただいてきちんと取り締まれるような条例でないと難しいと感じております。
 今、鈴木委員から大変危機感を持った御質問がずっと続いているとおり、脱法ドラッグをどう定義してどういうふうに取り締まるかについては、大変難しい課題があると承知しております。危機感を持っております。警察のほうとよく相談をしてできる対策からやっていくと。先日の本会議の答弁でも申しましたとおり、県内にある脱法ドラッグ店6店はずっとというふうな店ではなくて、移転を繰り返しております。やはり移転を繰り返している店を考えますと、先ほど鈴木委員から自分で店を持っていたらという質問がございましたけれども、賃貸契約から取り締まることが1つの道かと思っております。それについて警察のほうも一緒にやっていきたいと、そういった発言もいただいておりますので、我々のほうとしても警察と連携し、できるものからしっかりやっていきたいと思います。
 また、条例化については先ほど申しましたとおり、警察のほうと相談して実効性があるようなものができたところでスケジュールを固めていきたいと思っております。

○鈴木(智)委員
 もちろん条例は実効性がなければいけないのは当たり前の話なんです。確認しますけれど、和歌山県では確かに地検は余りいい顔をしていませんけれども、本会議でも述べましたように、知事が非常に強いリーダーシップを発揮されているものですから、知事監視製品制度を初めとする条例が存在します。
 しかもつい最近も知事監視製品制度の製品を指定しています。ですから和歌山県は地検が難色を示しているかもしれませんけれども、実効性があると思ってやっているわけですね。私も実効性があると思っているんですけれど、和歌山県の条例は全く実効性がないとお考えですか。

○杉井薬事課長
 和歌山県の条例については、知事監視製品だけではなく、知事指定薬物という項目も他県と同じくしてございます。
 一方で和歌山県独自に国との連携だとか、教育啓発といった他県に入っていないような理念的な条項も和歌山県の条例の中に入っております。こういったものも踏まえて、今後検討を進めていきたいと考えています。

○鈴木(智)委員
 和歌山県の条例は実効性がないとお考えなのかもう一度確認させてください。

○杉井薬事課長
 和歌山県の条例は、知事監視製品の指定をして、それに伴って販売の届け出だとか誓約書の提出だとか説明書の交付だとか、そういったものを規定しています。そういうものに従わない場合、改善命令、それから罰則まで一連の流れで規制をしております。当然それに違反した場合、改善命令、それから告発というような形で進んでいくと思います。そのときにやはりその検察から問題を指摘されているということは、罰則までたどり着けないことが十分考えられるんじゃないかと考えております。そういった部分も含めて検討してまいりたいと考えています。

○鈴木(智)委員
 確かに和歌山県の場合、検挙ですとか罰則を科すまで至っていないというのは事実だと思うんです。ただ抑止効果は十分あらわれていると思っているんですね。例えば、本会議でも紹介しましたけれども、全部が全部条例の効果ではありませんけれども、条例制定前には2軒あった脱法ドラッグ店が結果的にはゼロとなっています。そして実際インターネットで確認しましたけれども、和歌山県には知事監視製品制度があるということで、和歌山県には配送不可と明示した脱法ドラッグのインターネットのサイトがあります。ですから、そういった意味では既に抑止効果があらわれているんですね。その点はどうですか。

○杉井薬事課長
 和歌山県における条例制定の抑止効果ということです。
 条例制定してから知事監視製品の販売を行うということで、届け出を出している店舗が1店舗ありましたが、それが現在ゼロになっています。
 この経緯なんですけれども、福岡県内にある系列の店舗でそこの製品を買い上げ検査をしたところ、指定薬物が検出されたということで、県と県警が合同で捜査に入り、それを受けて閉店をしたと聞いております。やはりそういった指導、取り締まり強化、それから検査の強化をして、違法成分が検出された場合については告発をして警察に捜査をしていただくという手法が効果的ではないかと考えております。

○鈴木(智)委員
 杉井課長、明確な答弁をいただきたいんですけれど、1店舗は確かにそうです。ただ私が和歌山県の担当課長から直接話を伺いましたところ、条例ができたことによってさまざまな手続が必要になり、こんなんじゃとてもじゃないけれど和歌山県では脱法ドラッグを売れないよということで1店舗撤退したという話なんですね。ですから、その意味でも抑止効果が出ているんですよ、その点もう一度確認させてください。

○杉井薬事課長
 条例による抑止効果についてです。
 これについては、和歌山県の場合確かに条例を制定する前に2店舗あって、条例制定後1店舗が届け出を出したと聞いております。抑止効果ということであれば、先ほど宮城島部長が答弁したように不動産業界と連携して、例えば契約書に解除条項を設けてもらうということも抑止効果があると考えております。脱法ドラッグ店は移転を繰り返し、その移転のたびに契約書を書いているんですね。ですから、そういったものも我々としては抑止効果になるんではないかなと考えております。

○鈴木(智)委員
 堂々めぐりの様子を呈してきましたので、質問の仕方を変えますが、今回配られています平成26年度静岡県薬物乱用対策推進方針には、脱法ドラッグの販売自体の実態の把握が困難とあります。ただ和歌山県の仕組みばかりで申しわけありませんけれど、和歌山県の知事監視製品制度では、購入者に対して誓約書に名前とか住所等々の記入を義務づけております。それを販売者側は保管しなければならなくなっていますので、実際に立入調査したときに、それを見せてもらえれば購入者の情報がわかります。もちろん全員が全員正しい名前を書いているわけではありませんけれども、それこそ先ほどの和歌山県の担当者によると、かなり皆さん正確に書いているということなんですね。ですから、実態をある程度把握できるのも和歌山県の知事監視製品制度だと思いますから、静岡県も同様にやるべきだと思うんですが、その点についてはいかがですか。

○杉井薬事課長
 確かにその部分については参考になる事項かと思います。
 ただ、先ほども申しましたようにその根幹の部分の知事監視製品の指定という部分で、検察から問題があると指摘をされているというところが非常に大きな課題かなと思ってます。そういうところから義務づけだとかそういうのが始まっていますので、その大もとのところをきっちり検証していかないといけないと考えております。

○鈴木(智)委員
 同じ方向に回答が戻っているんですけど、和歌山県は今でも条例が実在しているわけですよ。和歌山県の場合は知事の強いリーダーシップによってその検察側の意見を抑えているけれど、静岡県のほうはそうじゃないということでよろしいですか。

○杉井薬事課長
 和歌山県は確かに知事のリーダーシップによってつくられたと聞いております。これは、大阪府とか東京都の条例に倣ってつくったということが大きいと思っていますけれども、やはり条例を制定するというものについては、十分な実効性ということを担保する必要があると考えております。そこのところをしっかり押さえながら検討を進めていく必要があると考えております。

○鈴木(智)委員
 これも和歌山県の担当者から聞いた話なんですけれども、知事監視製品制度で指定した製品を売る際にちゃんと仕様書を書く。つまりお香として売るんであればお香としての使用法を書いた説明書を渡すように義務づけておりまして、その仕様書は県が事前に審査する対象になっています。つまり、販売店側はこの知事監視製品を売る際には、その仕様書をしっかり書いて県に認めていただけないと販売することができないんですね。逆に言えば、実際に販売する際にかなり細かい指導をすれば、かなり時間を要させることができるんですね。これもある種の抑止効果につながると思うんですけれど、その点はいかがでしょうか。

○杉井薬事課長
 和歌山県は販売業者が購入者に知事監視製品を販売する際に説明書を渡すとなっています。説明書の内容は県が確認しているということなんですけれども、これについてはもともと購入者は使用を目的に購入されていると思いますので、その方々に説明書を渡すのはどれだけの効果があるのかというのは非常に疑問に考えています。そういった部分も含めて検証していきたいと考えております。

○鈴木(智)委員
 その仕様書はもちろん効果がないです。ただその仕様書をチェックすることによって行政もさまざまな関与ができますし、そこで販売をおくらせることができるんです。それにその間に新たに指定薬物が入ってきて結果的にその製品の販売を停止することができるかもしれないわけです。そういった意味で仕様書そのものには効果がないですけれど、仕様書を細かくしっかり書けよということが脱法ドラッグの販売の抑制につながるわけです。その点はいかがですか。

○杉井薬事課長
 説明書をチェックすることによって時間稼ぎできるのではないかということなんですけれども、説明書に効果があればそういったことも考えられるのかなと思います。実際、説明書のチェックに和歌山県がどれぐらいの時間をかけているか現在のところ確認はしていませんので、そういった部分を再度聞き取りながら今後検討していきたいと考えます。

○鈴木(智)委員
 平成26年度静岡県薬物乱用対策推進方針に戻りますけれど、3ページに脱法ドラッグの危険性に関する情報を積極的に周知するとあります。静岡県の場合は残念ながら製品ですとか販売店に対する具体的な情報提供がないため、私は非常に実感しにくいと思っています。どこどこにこんなものが売っているという情報がないものですから、現実的に乏しい情報提供だと思っているんですね。
 そこでまた繰り返し和歌山県の話で申しわけないんですが、和歌山県の知事監視製品制度の場合は登録制度ですから、どこにその製品が売っている店があるかと、今はゼロですからもちろん情報提供はないわけですけれども、実際に登録している店があればこことここに店がありますよと情報提供しているわけですね。しかも、この製品は知事監視製品ですと、それはぜひ皆さんごらんになっていただければと思うんですけれど、一つ一つパッケージの写真があって品物が書いてあります。具体的に情報提供しているものですから、逆に言えば県民に対して例えばここにはこんな店があります、もしここの近くで実際に脱法ドラッグを吸っている人を見かけましたら情報提供ください、この製品は知事監視製品ですから気をつけてくださいよというような具体的な情報提供ができる、それに対する具体的な情報提供を呼びかけることができるんですね。この点についてはやっぱり和歌山県の大きなポイントの1つだと思うんですけれど、その辺はいかがですか。

○杉井薬事課長
 平成26年度静岡県薬物乱用対策推進方針の3ページに、脱法ドラッグの危険性に関する情報を積極的に周知すると書いてございます。ここの部分については脱法ドラッグであっても、業者が合法ハーブだとか合法ドラッグ、こういう言い方をしながら販売をしています。そういうところで池袋の事件とか痛ましい事件が起こっております。例えば脱法ドラッグを使って意識を失ってしまうというケースもあります。そういった具体的な事例、こういったものを県民に周知していくということが非常に重要だと考えております。そこの部分の情報の集め方は重要だと思っておりまして、現在警察と調整をしております。警察には脱法ドラッグを使用して健康被害があったなどといった情報が入りますので、そういった具体的な事例を集めることで、県民に脱法ドラッグの危険性を積極的に周知していくという方法が条例がなくてもできると考えております。
 また、今月だと思いますけれど、西部の自動車学校で教員が脱法ドラッグの危険性を知りたいということで、講習会をやってくれないかという話がきております。担当者を派遣することとしておりますけれども、そういった取り組みを続けていく、あるいは広げていくということも非常に重要と考えています。

○鈴木(智)委員
 現在、脱法ドラッグ関連の情報提供というのは具体的にどのような形で行われているんでしょうか。私は余り見かけた記憶がないんですけれども、いかがでしょうか。

○杉井薬事課長
 現在我々の薬事課のホームページの中に注意情報ということで他県で指定薬物が検出された製品を公開しております。こういったものを注意情報という格好で今薬事課のトップページに入れてあります。そういった具体的な事例を入れて周知を図るとともに、いろんな啓発の機会がございます。こういうところでも積極的に情報提供していきたいと考えております。

○橋本委員長
 質疑等の途中ですが、ここでしばらく休憩をいたします。
 再開は13時30分とします。よろしくお願いします

( 休 憩 )

○橋本委員長
 休憩前に引き続いて委員会を再開いたします。
 質疑等を継続します。

○鈴木(智)委員
 午前中に引き続き脱法ドラッグの件で質問したいと思います。
 先ほど県外の例もいろいろと県のホームページ等々で紹介していくという話がありましたが、例えば和歌山県では私がきのう見たところ、66の製品が知事監視製品に指定されています。参考例でこういったものが和歌山県では知事監視製品になっていますから注意してくださいみたいな広報はできるんじゃないかなと思うんですけれど、その点はいかがでしょうか。

○杉井薬事課長
 午前中にも申し上げましたように、他県で買い上げ調査をやられて、指定薬物が検出された製品は違法性の可能性が高いものでございます。そういったものについては県のホームページに注意情報ということで掲載させていただいております。
 鈴木委員の御提案の和歌山県の条例で知事監視製品に指定しているものを掲載したらどうかということなんですけれども、その辺も含めて今後検討させていただきます。

○鈴木(智)委員
 ぜひよろしくお願いします。
 和歌山県、和歌山県と言って申しわけないんですが、静岡県が和歌山県型の条例をつくれば、私個人的には静岡県にとってもいいことですし、さらに和歌山県にとってもいいことだと思うんです。御案内のとおり和歌山県では既に66製品を指定しています。それに静岡県が独自にプラス10とか20とか30とかの製品を指定すれば、30だったら合わせて100近い製品をお互いに指定することができるようになるわけです。
 静岡県で和歌山県型の条例をつくれば、もちろんいろいろ審議は必要かもしれませんが、既に和歌山県では66製品を指定しているわけですから、少しの審査だけですぐに66製品は指定できると思うんですね。ですから、和歌山県型のものをつくれば静岡県にとってもすぐに効果が期待できるし、和歌山県にもプラスになるわけです。そういった意味でも非常に意義があるものだと思うんですが、また答弁をお願いします。

○杉井薬事課長
 和歌山県と同じような条例をつくって、知事監視製品を情報共有しながら連携していったらどうかという御質問だと思います。
 これについては先ほども申し上げたとおり、和歌山県の条例には地方検察庁から指摘をされているような課題もあります。そういった部分を検証しつつ、他県の条例についても検証し、検討を進めてまいりたいと考えております。

○鈴木(智)委員
 聞くところによりますと、和歌山県の場合、条例の制定によって実際に追加で必要になっている予算が合計330万円ほどと伺っています。例えば静岡県で似たような条例をつくった場合どれぐらい追加予算が必要になるかというのは試算はされていますでしょうか。

○杉井薬事課長
 現在、各県の条例を調査しているところでありまして、和歌山県は330万円と言いましたけれども、大阪府、愛知県は機器の整備をしたりしていますので、各県によって必要となる予算の規模が違うと思います。今後そういった部分も含めて調査をし、検討を進めてまいりたいと考えます。

○鈴木(智)委員
 例えば予算が何億、何十億円もかかるようなものであれば慎重にやらなければいけないと思うんですが、和歌山県の場合は機器を特に買っていませんので330万円ほどで済んでいるということでございます。既に聞くところによると、健康福祉部や県警のほうでは独自に薬物の検査もできると伺っています。ですからハードの部分はほとんど必要ないと思うんです。ですから具体的に検討していただきたいと思いますが、ぜひとも余り予算がかかる話ではないと思いますので、引き続き検討をお願いします。

 あと、少し視点を変えて提案したいと思うのですが、管轄外になりますけれども、青少年のための良好な環境整備に関する条例については当然御存じですよね。

○杉井薬事課長
 青少年のための良好な環境整備に関する条例については、鳥取県が脱法ドラッグの関係条例を制定しておりますので、そういった部分を含めて調査をしてまいりたいと思っております。
 青少年のための良好な環境整備に関する条例で図書なんかを指定する方法をやっているんですけれども、これについては具体的な対象を絞っております。その辺が和歌山県のやり方とは違うということは認識しております。

○橋本委員長
 7番委員、所管の範囲内の質問でお願いします。

○鈴木(智)委員
 ですから、答えられる範囲で結構なんですけれど、薬物も扱っている条例なものですからお聞きしているんです。鳥取県では図書を指定しているということなんですが、例えばこの条例ですと有害玩具等も指定されているんですね。第10条で「知事は、がん具類等の構造及び機能が著しく性的感情を刺激し、又は人体若しくは財産に危害を及ぼすおそれがあるため、青少年に所持させることがその健全な育成を阻害すると認めるときは、当該がん具類等を有害ながん具類等として指定することができる。」とあります。まさに脱法ドラッグも同様のものだと思うんですね。ぜひ、そういった点は所管している教育委員会に脱法ドラッグそのものをこの条例の中に規定するように提案するべきだと思うんです。その点いかがですか。

○杉井薬事課長
 教育委員会との連携については大須賀副知事を本部長としています静岡県薬物乱用対策本部の中に知事関係部局と県警本部、それから教育委員会も入っております。こういった中で情報共有しながら対策を推進してまいりたいと考えております。

○鈴木(智)委員
 時間も迫ってきているのでまとめに入りたいと思います。
 今までの話を聞いていますと確かに実効性とかメリット、デメリットを検証すると言いつつも、一番障害になっているのが検察側なのかなと思うのですが、そういった理解でよろしいですか。

○杉井薬事課長
 和歌山県の知事監視製品制度については、鈴木委員がおっしゃった和歌山地方検察庁から指摘されているような課題、それが知事監視製品制度の根幹になる部分になると考えております。このところが非常に重要な課題だと認識しております。

○鈴木(智)委員
 冒頭にも述べましたとおり、和歌山県も同様な議論があったわけですけれども、和歌山県の場合には知事がリーダーシップを発揮して、それに対して担当の方も苦心をされて知事監視制度を実行されているわけです。ですから、やはりここは健康福祉部ですから宮城島部長のリーダーシップによるのかなと思うんです。
 私の事務所の近くに脱法ドラッグ店があるんですけれど、部長はその脱法ドラッグ店を見たりあるいは脱法ドラッグ店にお客さんが実際出入りするのをごらんになったことはありますでしょうか。

○宮城島健康福祉部長
 私は直接脱法ドラッグ店に入ったこと、見たことはございません。ただ薬事課では警察と合同で立入調査、訪問等を繰り返し行っています。警察と一緒になって立入調査を行うことは大変効果的ですので、これからもその回数をふやすことで取り締まりの実効を高めたいと思っております。

○鈴木(智)委員
 確かにこれまでにも増して検査の回数をふやしていただくことはもちろん抑止効果があると思うんです。ただ最終的には試買したり調査をしたりするときに指定薬物の入った脱法ドラッグが出てこない限りは結局何の効果も生まないわけですね。実際、私の事務所の近くにある店は全国ネットワークのところですから、正直かなりのつわものだと思うんですね。ですから、繰り返して申しわけないんですけれど、ぜひともスピード感を持ってやっていただきたいと思うんですが、例えば来年2月ごろをめどにということは難しいんですか。

○杉井薬事課長
 午前中にも申し上げましたとおり、現段階では条例についていつまでにとお答えできるような段階ではありません。ただし脱法ドラッグ対策というのは非常に重要なことと考えております。本年度は頻繁な県警との合同立入調査や、多分東海北陸ブロック内では初めてとなる法に基づく抜き取り検査、地域の自治会と連携した活動などの支援など、新しくできることはとにかくできるだけ早く進めて、対策の充実を図ってまいりたいと考えております。

○鈴木(智)委員
 確かに我々議会側から条例を提案することも可能ですし、もし皆さんがどうしてもできないというのであればやるしかないのかなと思っていますが、ただ、我々は正直素人でございますし、――――――――――――――――――――――――――――――我々がやると多分相当な時間がかかってしまうのかなと思っております。ですから、皆様方にぜひともお願いしたいと思っています。健康福祉部の概要のところに「いのち輝き、笑顔あふれる社会を。」とありますけれども、この社会を崩しかねないものが脱法ドラッグなわけです。ですから、これはお願いで結構ですけれど、ぜひとも池袋で起きたような事件が静岡県内で起きる前に有効な対策、私はそれが条例制定だと思いますが、条例制定をしていただくようにお願いを申し上げまして私の質問を終わります。ありがとうございました。

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