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総務委員会(危機管理部関係)議事録(平成23年10月6日)

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○鈴木(智)委員
 民主党・ふじのくに県議団の鈴木智でございます。
 私、すべてで大きく5項目につきまして質問させていただきたいんですが、その前にきょうの担当の方々、あるいはここにおられる委員長、委員の皆様に一言お断りしておきたいんですが、昨日も結構長目の質問をさせていただきました。きのうの問題も重要な問題ばかりですが、今回特に危機管理の問題は、これは県民の生命と財産にかかわる問題でございますし、現在進行形で福島県あるいは岩手県、宮城県でさまざまな対策をとられているわけでございます。ですから日々さまざまな情報が入ってきておりますから、皆さんもそれを見まして今後の東海地震の研究、対策をされておるんでしょうし、私もいろいろ最新情報を基にしながらいろいろ勉強をして、そして今回質疑に当たっているものですから、もしかすると私が間違ったことを言うかもしれません。その場合はぜひ御訂正をいただきたいと思うんです。いずれにせよそういった情報に基づきまして、皆様との質疑を通じてできましたら1人でも多くの県民の方にさらなる防災意識を持っていただきたいという願いを込めまして質問をしたいと思うものですから、長目になることをあらかじめおわびしたいと思います。
 ではまず原子力に関してお尋ねしたいのですが、基本的には今回の質問は、これまでの総務委員会での質疑のフォローアップをしながらしたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
 まず1つ目が原子力政策に関する専門性をさらに高める必要でございます。皆さんの専門性がないというつもりは全くなく、むしろ皆様方のほうが私なんかよりも専門性があることは重々承知をしておりますが、私はさらに高めていただく必要があろうかと思いましたので、今回このような質問をさせていただきます。
 御案内のとおり、東日本大震災を受けての大震災被害想定の全面的な見直し、あるいは浜岡原発の全面停止を受けまして、県の原子力政策に関する専門性ですとか、チェックする努力をさらに高める必要があるのは、皆さん同じだろうと思います。川勝知事も実際、今回の本会議でも中部電力の対策をチェックする能力を持たないといけない等々の答弁をされております。そういった問題意識でまず幾つか質問したいのですが、最初は本日配られております資料にも記載がありますが、浜岡原発1号機で保管されている1体の使用済み燃料について質問したいと思います。
 実は、前回の6月議会でもなぜ1体だけ残っているのか質問させていただきました。議事録を見ましたが、藤原原子力安全対策課長は、具体的に今なぜ1体残っているのかという個別の事情については把握しておりませんが、搬出する計画の中の一段階に今あるものと理解しておりますと答弁されました。要は2号機、あるいは3、4、5号機に残っている他の使用済み燃料と基本的には同じ事情で、たまたまその1体だけが最後になったというような説明だったと思いますし、私もその時点ではそのように理解いたしました。ただ、その質疑から3週間ほどの7月28日、皆さんごらんになっていると思いますが、静岡新聞朝刊にドカンと割とでかく記事が出ました。つまりその1体というのは17年前の1994年、12月に放射能漏れを起こした損傷でできたことが27日にわかったというものです。それまでは恐らく静岡新聞はわかっていなかったということだと思うんですが、私もこれを聞いて初めて知りました。ただ、よく考えたら本当に危機管理部の方――藤原原子力安全対策課長あるいは小林危機管理監が知らなかったのかどうかちょっと確認したいんですね。逆に1体残ったということは前々からわかっていたわけですよね。ただ、中部電力があえて報告しなかったとしても、何で1体残っているんだと、おかしいじゃないかと当然質問はしていただろうと思いますよ。私もそういった視点で前回質問をさせていただきました。ただこういった新聞記事が、しかもこんなでかく出てくるということは――済みません、私まだ、一応静岡生まれではありますが、静岡に来たのはことしになってからなもので、過去の状況についてよくわかりませんが――そもそも藤原原子力安全対策課長は、本当に知らなかったのか、あるいは小林危機管理監――以前、御前崎副助役をされていたというふうに伺っていますので、危機管理部が本当に把握されてなかったのか、知らなかったら、なぜ知らなかったのか。中部電力から本当にお知らせがなかったのか。または先ほど申しましたとおり、1体だけ残っているという事実があれば、当然おかしいんじゃないのと思うんですね。当然聞くと思うんですけど、その辺のところをまずは確認します。

 続きまして、この記事によれば1体残っている理由というのは、これは基本的には国の問題であると。具体的には、その損傷燃料を搬出したり、あるいはどこかに搬出処理したりするためのルールが決まってないからというふうに記事は書いておりました。8月に総務委員会で浜岡原発を視察しました。実は私、そのときどうしてものっぴきならない所用があり参加できなかったのですが、それをバックアップする意味も込めまして、9月1日に中部電力が浜岡原発で行った電源喪失を想定した防災訓練に、私は1人だけでしたが視察に行ってまいりました。その際、水谷浜岡原子力総合事務所長になんで1体だけ残っているんですかと改めて聞いてみましたら、これまではイギリスかフランスで再処理をお願いしてきたと。そのときには損傷燃料も引き取ってもらえたが、現在は国内で処理をしていると。ただその国内では先ほども申したとおり、具体的には損傷燃料を運ぶためのキャスクのルールですね、要は輸送容器のその基準ですとか、あるいは運び方等々がまだ全然国が決めてくれないから運べないんだという趣旨の説明でした。その点は当然ながら危機管理部のほうも承知されていると思うんですが、これまで県は国に対して早くしてくれよと対応をお願いしたのか、確認したいと思っております。

 いずれにせよ、先ほども申しましたとおり、さらに専門性を高める必要、これはもちろん不断の努力をしなくちゃいけないんですが、それで確認したいのが、現在、県のその原子力行政にかかわる職員の方の専門性ですね。例えば、原子力安全・保安院に出向していました、あるいは実は電力メーカーの出身です、電機のメーカーでその原発の設計に当たっていました等々あれば御説明していただきたいと思います。
 実は私、9月上旬に我が会派の有志とともに福井県に視察に行ってまいりました。ただ、ほかの県も視察する過密スケジュールだったものですから、実際には「もんじゅ」を見たわけではなくて、福井県庁におきまして原発等々の担当の方から――きのうも核燃料税の話がありましたが――そういった説明を伺ってきました。その際、説明していただいた方が、福井県の原子力安全対策課の岩永課長だったんですが、我々事前にある程度質問はしてきましたが、それ以外にもいろいろ素人な質問もさせていただきました。ただ、岩永課長は、もちろんわからないことはわかりません、知りませんとはっきりおっしゃっていましたが、わかることはつらつらつらつらと、もうそれこそよどみなく答弁をされていたんですね。この方はすごいなと思いまして、課長の経歴を伺いましたら、原子力安全・保安院に2年間出向されていたということでございます。詳しいのはたまたまその課長だけではなくて、福井県ではそういう専門性を高める努力を以前からしていると。だから、課長を含めさまざまな方の専門性がかなり高いという話をされていました。もちろん静岡県と福井県は状況が違います。福井県は13基の原子炉、あるいはこれも続けるかどうか今議論されていますが、いわゆる建設中の高速増殖炉「もんじゅ」、あるいは廃止措置中の「ふげん」等と静岡県とは内容が別のタイプの原子炉があるわけですから、福井県と同様にしろといってもそれは無理な話でそこまでする必要はないのかもしれません。ただ御案内のとおり当時の菅総理が原子炉をとめて、それが再稼働をするかどうかによっては今後の原子力行政や国の政策にも大きくかかわっているわけですから、やはり静岡県におかれましてもさらに専門性を高める必要があると思います。

 それに関連して、きのう適正な人員について質問をしました。危機管理部については川勝知事が就任して以来、危機政策課で1名、危機対策課で1名、計2名、もちろん部の再編があったわけですけども、純増で2名の増員がされていると改めて人事の方から伺いました。今回、その後地震を受けてこのような状況になっているわけですから、大変厳しい状況でましてや平成25年度までに100人県の職員を減らさなくちゃいけないという話をきのうさせていただきましたが、そういった厳しい状況の中にあってもやはり命を守る根幹の部分は危機管理部でございますので、もちろんそれは経営管理部がだめというかもしれませんが、危機管理部のほうで今後増員をお願いする予定があるのかどうか確認をしたいと思っております。

 次に、防災のための情報収集提供システムにつきまして幾つか質問したいと思います。
 まず、いわゆるGISの情報閲覧ページについてでございます。これにつきましては、前回の委員会で質問させていただいて、私はこれを1回使ってみたところ、これはカラーでのプリントアウトしかできないんですけど、カラーのプリンターを持っている方が必ずしもいるわけじゃありませんし、カラーのインクジェットでやったらかなりお金もかかりますので、白黒でプリントしても見やすいようにお願いしましたし、あるいは私のコンピューターが遅かったかもしれませんが、ふつうのコンピューターで早く出るようにお願いをして、その際近藤危機情報課長から改善の約束をいただきました。ただその後、何度も何度も見ていますが――実はこれを私もあちこちに今宣伝をしているものですから、例えば私のブログにも実はリンクを張っているんです。時々見るんですけど一向に改善された形跡がございません。ですから、改善をどういう頻度で行っているのかまず1点伺いたいと思います。

 それで、たまたま見ていて気づいたのですが、あのGISの情報閲覧ページ上では、駿河区における津波避難ビルは、まだ4カ所しかないことになっているんですね。ただ、静岡市ではどんどん随時、津波避難ビルを追加しております。私が調べましたら、9月12日現在で駿河区においては合計26カ所、つまり22カ所が駿河区においては抜けているんですね。全部でそれは百何カ所も既に静岡市で指定されています。恐らく似たような状況が清水区でもあるのだろうと思いますが、ですからその状況では、本来ハイテクで最先端の技術であるGISの情報がおくれている。ましてや更新されてないのは、全く意味がないというかしようがないなと思いますので。そもそもこのGISの情報のチェックですとか、更新、アップデートがどのような頻度で行われているのか。あるいは私が質問してから、これまで行われてきたのかどうか確認をお願いしたいと思います。

 続きまして、これも1つの情報システムでございます、サイポスレーダー――静岡県土木総合防災情報、これは多分基本的には交通基盤部の所管だと思いましたが、答えられる範囲で御回答お願いしたいんですが、忘れもしない招集日の9月21日に台風が来ましたので、私も歩いて帰ろうと思えば帰れるのですが、ちょうど質問の準備もありましたから、同じ会派の議員と一緒に5時過ぎまで県庁にこもりまして、それでたまたまいた先輩の櫻町議員とともにそのサイポスレーダー見ていました。ああ、これ便利だなと見ていたのですが、よく見ていると川の増水状況を見ることができる河川カメラがあるのですが、ただ残念ながら今朝も確認しましたが、それこそ櫻町議員の地元の富士土木事務所、しかもあと下田土木事務所、熱海土木事務所についても整備中で見られないことになっているのです。県のホームページを確認しその記述をみますと、本格的な雨季を前に6月1日から便利な機能として河川のリアルタイムの情報が見れるようにしたとあります。ただ残念ながらほぼ水害の時期、雨季はもう終わっているわけで、もちろん台風がこれから来るかもしれませんが、基本的には水害の季節というのは終わったのかなと。そういった段階において、ましてや便利な機能といっておきながら、富士土木事務所、下田土木事務所、熱海土木事務所は、もちろん予算のせいもあるかもしれませんが、何でその後されてないのか。当然これ交通基盤部の所管ですから、危機管理部の責任ではないのかもしれませんが、多分当然いろいろな警戒の際に使用されているかと思いますし、いろいろ避難情報、避難指示等を見て危機管理部でいろいろ対応をされたと思いますから、当然見たと思うんですね。ですから、そういうことに関して危機管理部としてはこの状況についてどう把握され、あるいはどう要請しているのか確認をお願いいたします。

 続きまして、被災者支援システム及び要援護者支援のための地域安心ネットワークシステムについてお尋ねしたいと思います。
 被災者支援システムにつきましては、前回髙田委員が質問されまして、私もそのとき余り深くは理解していなかったのですが、先ほど申しました9月の有志の議員との視察で、私も西宮市に行ってきまして、このシステムを開発された吉田さん――西宮市のCIO補佐官ということなんですが――から直接いろいろお話を伺いました。それで髙田委員も質問されていましたが、この被災者支援システムを確立していて、やはりすばらしいものでございますし、ぜひ各市町で既にそういうキーを持っているということなんです。これは実際には発災してから使うものということですから、実際にどれぐらい使われたというのはこれからやってみないとわからない部分もあろうかと思うんです。私それに加えてすばらしいなと思ったのは、要援護者支援のための地域安心ネットワークシステムでございます。これはどういうものかというと、あらかじめ避難するのに援護が必要な方がどこにいるのかという情報をいわゆるGISに落とし込むというものですね。ですからこれは当然地震だけでなくて、例えば今回の台風のような場合、ここは増水するから危険だ、避難させようといった場合に、いろいろクリックするとここの地域には要援護者がこれだけここにこんなにいる、特別にここにはこういう方がいらっしゃいますから、避難を助けてください。あるいはここはおひとり暮らしだけど、要援護の人じゃないかもしれませんが、高齢者のひとり暮らしだから防災無線が届かないかもしれない。ですからここにはピンポイントで避難指示をしようと、そういった地域の状況に応じた対応ができるというものなんです。この状況を調べてくださいと言いましたら、きのうも残念ながら各市町の状況はまだ調査中ということだったものです。これは今後、調べて教えていただきたいですが、要はGISのそういったシステムを県が推奨することも大事だと思うんですね。それでたまたま、どういうものか具体的に言おうと思いまして、たまたま静岡市の最新の広報しずおか「静岡気分」に10月17日から登録が始まる災害時要援護者避難支援制度がありまして、要はこれをデジタルに落として、しかもGIS情報としてつくったのがこの地域安心ネットワークだと理解しています。これも私はまだ不勉強なものですから、これは引き続き皆様といろいろと議論したいと思うんですが、これをぜひ県も私は推奨するべきだと思っております。それで、前回の髙田委員との質疑の中で、その被災者支援システムについては県も各市町の状況を把握しておくべきではある。県もだから情報を共有するべきだというふうな議論をされたと思うんですが、私も同感でございます。というのはやはり何が起こるかわからないですし、そういうものを想定しても想定外のことが起きる可能性があるわけでございます。ですから、もうその市町の役所機能が完全にダウンして、バックアップしてあった情報が万が一なくなった、あるいは担当の方が全員お亡くなりになってしまってどうしたらいいかわからないときに、県がつながっていれば、じゃあ県のほうでバックアップを取ってあってできるわけですから、その点この地域安心ネットワークシステムについてどう考えるか。あと前回髙田委員が質問された避難者支援システムについて、県とも共有すべき
、つなげるべきですし、国から逆にもっとしっかりせいとお願いをするべきだと思いますが、その点について御答弁をお願いしたいと思っております。

 4番目、津波監視体制についてでございます。
 これも前回質問させていただきまして、いろいろケーブルの話ですとか聞かせていただきました。それで、今回の東日本大震災を受けまして、国では要は東北沖にずらっとセンサーか何かわかりませんがポイントを置いて、今回のような地震が発生しても何とか津波をしっかり正確、迅速に観測できるシステムを構築する予算を計上する予定でいるように伺っておりますが、私はこれが東海沖も必要なんじゃないかと思っているわけですね。それはなぜかというと、もちろんこれも前回議論させていただきましたが、もちろん静岡の場合津波到着まで5分しかありませんから、とにかくそんな警報とかは無視して、とにかく大きな地震が起きたらもう逃げろというしかないと思うんですが、そうは言ってもやはり正確、迅速に観測する必要もございますし、あと私が今回強調したいのが、もうこれで来ないぞと、だから安心して避難もとから戻ると、そういった指示を出す必要があろうと思っているんですね。というのは、私の記憶がはっきりしませんが、前回の東日本大震災のときも東名高速道路がかなり長時間、1日でしたかね――ちょっと後で教えていただきたいんですが――警報が解除されなかったということで、道路がずっととまっていました。今回の場合は実際には静岡が津波に襲われたわけじゃないですが、それはよしとしても例えば実際に地震が起きて津波に襲われました。もちろん家族はいない、あるいは中部電力の関係でいえば、浜岡原発が水没した、だから何とか早く復旧工事をやりたい、あるいは家族の安否がわからない方については早く家に戻って確認したいといった場合に、いやまだ津波の可能性がありますから行かないでくださいと警報が残っていれば言うんですが、それは多分1日、2日も3日も残っていたら、もしかすると救えた人命あるいは最小限にとどまるはずの被害が拡大するおそれがあるわけですね。ですから、津波避難も今回強調したいのは、もうこれ以上津波は来ないぞと、だから安心して復旧ですとか、救助に当たってくださいと、そういった情報を迅速に提供するためにも私は監視網をこの東海沖においてもしっかりと整備する必要があろうと思います。だから、その点につきましてどうお考えかお尋ねしたいと思っております。

 それと、報道によりますと、気象庁がその津波の観測システムのその耐震性を把握してないということを会計検査院のほうで把握されて、これから気象庁のほうにちゃんとせいと指導するというようなことが載っておりました。これについて静岡県におきましてはどうなっているのか、気象庁に照会されたのかどうか確認をしたいと思っております。

 続きまして、地震予知につきまして御質問をしたいと思っております。
 これも私、実はつい最近知った話で今後引き続きしっかりと勉強をしていきたいと思うんですが、ことしの4月の「中央公論」に日本学士院会員、東京大学の上田名誉教授が「どうする!日本の地震予知」という論文を出されたそうであります。私も知ったのはつい10月で、余り私も大きな声じゃ言えないのですが。この「中央公論」が4月号ですから、発売日が3月10日だったんですね。要は大震災の起こる1日前ということになりますから非常に皮肉だと、私もそれはびっくりしまして、いろいろ読ませていただきました。
 簡単に言えば、この趣旨というのは、日本では地震予知の研究はかなりされているというようなイメージを私も実は恥ずかしながら持っていたのです。国会議員の秘書を10年以上やっていながらそう思っていたんですが、実はそうじゃないよというのがこの方のおっしゃる記事でございます。
 それで、じゃあ静岡県の地震予知はどうなっているのかなといろいろインターネットで調べましたら、たまたまこれは使えるなと思ったのが、実は小林危機管理監の東海地震予知一考(1)、(2)、これは去年の2月、10月ですから別に小林危機管理監の言動を一々全部確認しているわけじゃないんですが、たまたまあったものですからちょっと触れさせていただきます。
 これのまず10月12日ですね。「日本でいや世界で唯一科学的に予知できる可能性のある地震があることを県民の皆さんは御存じだろうか。そうほかならぬ我々が立ち向かわなければならない東海地震である」。その点については、この上田教授もおっしゃっています。日本で実際にはほとんど予知という予知は行われていません。ただ唯一、予知できるかもしれないというのが東海地震でございます。ただ小林危機管理監と上田教授が言っていることは若干違っておりまして、というのは、その後、ほかの地震は全然全く予知はできていないという話を小林危機管理監がされているんですが、実際には記事を読みますと、ギリシャのほうで例えば、
(発言する者あり)
ごめんなさい。予定の時間に。
 では、これまでこの論文を読まれたのかどうか御確認したいのと、あとこれは簡単に言えば実際地震予知のための予算というのは4億円程度、しかも本当に純粋に予知に使われているのは1千数百万円ということで、実際には予知とはいいながら、実際に使われる予算のほとんどはいわゆる地震の観測網ですね。その地震計だとかひずみ計だとか、実際には起きてから地震がどのような形で起こるのか、そういったのを観測する物の維持のために使われていて、例えば、その地磁気に変化が起きた、あるいは地下水の上下動があった、あるいはその中のイオンが――そういった事前に起きた現象についてほとんど研究はされていないということでございます。私はその話を聞きまして、じゃあ何でしないんだろうと言いましたら、先ほど言ったとおり観測の維持にほとんど予算が使われていることだったんです。小林危機管理監もおっしゃっています、実際にこの前兆現象をどのぐらいの確率でとることができるのか、技術はどのぐらいということなんですが、ならば一層のことほかの現象も調べれば、いくつかあれば1つは当たらないかもしれないけど、1つは当たるかもしれないという意味でいわゆるこの現象についても調べていただきたいというのが質問でございますが、その辺どう考えるのか。実はこの話を聞いたのが、東海大学海洋学部にある地震予知研究センターの長尾教授でございます。それこそ中澤委員の地元にそういった研究をされている方がいらっしゃるので、ぜひ。まずはその方の知見を聞いていただいて、答えをしていただきたいと思っております。

○宮沢委員長
 ここでしばらく休憩をします。
 再開は1時15分としたいと思います。よろしくお願いします
( 休 憩 )
○宮沢委員長
 休憩前に引き続いて委員会を再開します。
 質疑等を継続します。
 それでは、8番鈴木委員。質問を続けてください。

○鈴木(智)委員
 午前中に引き続き、なるべく簡潔に質問したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 あと、3つの項目があるわけですが、これ自体は先ほどに比べれば随分簡単な質問でございます。ただ、これちょっと他の部局の質問なんですが、やはり危機管理部の観点から質問して答弁していただきたいということで後残り3つお願いいたします。
 まず3つ目は、学校における防災教育について、これはもちろん教育委員会の所管だというのは重々承知しておりますが、危機管理部の観点からお尋ねしたいと思います。
 もう既にあちらこちらで議論されていますとおり、全校生徒の7割近くが亡くなった大川小学校の例がある一方で、釜石の奇跡と言われるその釜石市の小学生、あれは中学生も入っているんですかね、ほとんどが助かった例もあるわけでございます。もちろんこれは教育だけの理由ではないのかもしれませんが、やはりああいった両極端の例を見まして、学校における防災教育のあり方がまた問われているわけでございます。ただ、現場で聞きますと、先生方はとにかく忙しいという一方で特に保護者の方からすれば、とりわけ下校時に起きたときってだれが責任を持ってやるのか。学校の先生方は下校時までとても面倒を見れませんという話になりますし、ただ親御さんにしてみればどちらか片方は仕事をされていますし、場合によっては共働きの場合もあるわけでございます。ただ、やはりだれかが責任を持ってやらなくちゃいけないのだろうという視点から、1点御提案をしたいのですが、以前、こちらもちろん教育委員会のほうでわんぱくサバイバルというものが行われておりました。これはボーイスカウトの協力を得て6年間やっていたようでございます。例えば、72時間生き延びるためにというようなテーマでやっていたらしいんですが、今こそこれを復活させるべきではないかと。もちろんこれは学校教育の教育委員会の所管だとは重々承知していますが、だからこそ危機管理部のほうから御提言していただきたいということで、その点につきまして所感を伺います。

 次に、災害拠点病院につきまして、これも危機管理の所管じゃないというのは重々承知をしておりますが、これまでに何度か質問させていただいておるものですから、その延長線ということで質問したいと思います。
 6月に私が質問した際に、池田危機政策課長が長田地区にも病院があるわけですけれども、へリポートの設置等云々とお話がありました。これはあくまで個人的プラス地元の方の一部の意見なんですが、長田地区に静岡徳洲会病院という割と新しい病院がございます。あの病院は、もう本当に海の近くではありますが、ただ新しい病院ですから耐震性というのはもちろんですし、ある程度津波に襲われることを想定してつくられている病院だと伺っております。しかも、いわゆる津波避難ビルになっている病院でございます。ですから、個人的、あと一部の住民の方からも御意見をいただいたので質問したいのですが、静岡徳洲会病院が災害拠点病院になるにはどのような条件が必要なのか。例えばそのヘリポート云々ということを前回池田危機政策課長が説明されておるんですが、それがもし静岡徳洲会病院のことを念頭に置いていただいているのであれば伺いたいと思いますので、また御答弁のほうをよろしくお願いいたします。
 それと加えまして、先日、厚生労働省のほうで災害医療等のあり方に関する検討会の3回目が開かれまして、災害拠点病院の耐震化、一部ではなくて全部の建物をするだとか、あるいは燃料ですとか、食糧等の備蓄をもっと強化せいみたいな意見をまとめられたということで、これは9月30日ですから、つい最近の話で見直しはこれからということだと思うんですが、もし危機管理部のほうで何かこれからの動きについて把握しておればお尋ねしたいと思います。

 最後に、これから整備する道路等についてでございます。これはもちろん交通基盤部だというのは重々承知をしておりますが、あえてこの総務委員会でも質問をしたいと思います。先日の本会議で我が会派の三ッ谷議員のほうから、河床を掘削したときの土砂等を使ってその地域に盛り土といいますか、公園みたいなものをつくるべきじゃないかというお話がございました。それと同様の意見なんですが、例えば、これから手入れする道路がいっぱいございます。実際、先日各地域を回りまして、各市町の要望を伺った際に、例えば吉田町のほうから、これからまだ国道150号をどんどん伸ばして拡幅するわけでございますが、どうせつくるのであればそういった津波対策になる、あるいは避難所になるようにつくってほしいという要望がございました。ですから、やり方としてはただ平らに走るんじゃなくして、盛り土をしてその上を走るようにするだとか、あるいはそれが難しいのであれば、高架化してそこに避難できるように階段をつけるだとか、あるいはもう1つ、被災地を見た方から伺ったんですが、意外と歩道橋が津波に耐えたというお話を伺いました。ですから、道路の規格を変えるのはこれから大変だと思うんですが、歩道橋をかけるのであればそんなに難しい話ではないのかなと。ですから、歩道橋といいますと、最低限人がすれ違うぐらいの幅でつくるんでしょうが、これをあえていざとなれば4人でも5人ぐらいも通り抜けできるような形で、歩道橋をつくるというのは、後からでも可能なのではないかと、そういった点について既にこの津波対策検討会議等々で検討されているのかどうか。あるいはされてないのであれば、そういった点から危機管理部のほうからお願いしていただきたいんですが、その点につきまして御所見をお願いします。

○藤原原子力安全対策課長
 浜岡原子力発電所の関係の御質問について御説明いたします。
 初めに浜岡原発1号機の使用済み燃料プールに残されております1体の燃料の件でございます。これが漏えい燃料であるということを私自身が知ったのは、実は委員から御指摘のありましたあの静岡新聞での報道でございまして、この報道に接しまして直ちに中部電力のほうに確認したところ、報道のとおりそれは漏えい燃料であったということでございました。
 それについて、既に公表している事実であるかどうかについても確認したところ、それは御質問があればそのようにお答えしてきたことだということで、この点につきましては私の不勉強だったということで反省しています。申しわけございませんでした。

 それから、今後のその1体の輸送の件でございます。現状の中部電力の計画としましては、平成24年度中に5号機の使用済み燃料プールのほうに移動し、その後、六ヶ所村の再処理施設のほうで受け入れが可能な状態になれば六ヶ所村に動かしたいと。
 その1号機から5号機に移動するに当たっては、漏えい燃料ということもありまして、専用の輸送容器が必要となるということでございます。その専用の輸送容器で輸送するに当たっては国の許認可事項として少なくとも2つ、場合によっては3つの手続が必要になると聞いております。
 現状は、その第一段目の専用容器の設計の承認、この取得の手続をしているところであると。容器の設計内容が適正であるかどうかというチェックを受けている段階ということで聞いております。
 さらにその次の段階としましては、その専用容器が承認された設計どおりに製作されているかどうかのチェックを受ける。容器承認という手続が必要になると。さらにこれは場合によってということで聞いておりますが、その専用容器を発電所で使用することについての工事計画の認可が必要になる場合があるということで、現状は第一段階の設計承認の段階であると伺っております。

 3点目の原子力安全対策課の職員の専門性の状況ということでございます。
 現在、課には私以下7人の職員が勤務しております。さらにこれに追加して、原子力安全・保安院のほうに昨年度から1人専門性の養成ということで出向して研修を受けさせております。
 現状、原子力安全対策課に勤めております7人のうち、いわゆる専門的な人材がいるかということでございますが、県の職員になる前に原子炉メーカーの技術的な分野に従事していたもの、あるいは特殊法人で原子力関係の研究開発に従事していたもの2名の職員――現状はいわゆる事務職ではございますが――県の職員になる前にそういう専門的な素養を習得している職員がございます。
 今後の体制の強化でございますが、原子力安全・保安院等は、来年の4月になりますと国の体制が変わるかもしれませんけれども、引き続き国へ研修派遣に出したり、あるいは県の職員の中には職員になる前の大学で専門的な勉強をしてきたとか、あるいは民間での経験があるという人事異動上の配置、配慮でしたり、場合によってはちょっと定員管理でハードルが高いかもしれませんけれども、職員を増強する等の対応を原子力安全対策課として要求をしていきたいなと考えております。
 浜岡原子力発電所は、現在停止をしておりますけれども、今後、安全の検証等で停止しているとはいえ原子力安全対策課としての業務は山積する状況が続くと思いますので、専門性を高めるとともに、それを強化できるように努力していきたいと考えております。

○岩田危機報道監
 答弁が前後するかもわかりませんけれども、何点か私のほうからお答えさせていただきます。
 まず、3点目に御質問がありましたサイポスレーダーの監視カメラの件でございます。それは交通基盤部であるということでございますけれども、ことしの6月に監視カメラのインターネット公開を開始しております。3つの土木事務所、今後、順次2カ年、あと平成24年度、平成25年度の計画で今進めております。考え方としましては、もう整備が済んだものからどんどん公開しながら実際の役に立てていこうということで、完了するまで待つのではなくて、済んだものからどんどん使っていこうという発想でやっております。我々としてもなるべく早く完了するように後押しをしていきたいというふうに考えております。

 それから、少し飛びまして、津波の監視体制でございますけども、東北の三陸沿岸は今後の監視強化ということで国のほうでも海底ケーブル網を整備ということで打ち出しております。実は、東海・東南海・南海につきましては、以前からこの議論がございまして、東海地震につきましては前回御答弁させていただいているとおり、御前崎からの海底ケーブル、それから豊橋からの海底ケーブル、合計5カ所に津波の監視網が常に遠州灘に展開されております。ことしの8月でございますけども、熊野灘に合計20カ所、地震計とそれから傾斜計、そして津波計がいわゆる格子状になった状態で熊野灘の海域に独立行政法人海洋研究開発機構が国の委託を受けて整備を行いました。試験運用を8月から開始しておりまして、これが本格的に運用されますと、いわゆる三重県の沖合の熊野灘も沖合の監視網が完了することになります。それ以外には、潮岬からの海底ケーブルの計画が現在進んでいるということで聞いておりまして、我々もこれまでも国にいろいろ働きかけてきておりますけども、むしろ東海のほうは海底の津波の監視網を先行して、三陸を待つことなく整備が進められている。これについてはもっと早く実用化するように、やっぱりその後気象庁等に働きかけてまいります。

 それから、地震予知の関係でございます。残念ながら申し分けないのですが、「中央公論」の上田誠也さんの論文は私ちょっと読んでおりませんけれども、東海大学の地震予知研究センター長をされていた当時から、いろいろ地震予知については議論をさせていただきました。私どもとしては、東海地震は、予知の可能性がある限りはやはり国として徹底的にその監視体制を強化してもらいたい。それから、今現在はひずみ計だけに頼る監視を気象庁としては行っておりますけども、それ以外にも例えば電磁気、地電流とか、以前もやっておりましたけれども、地下から放出されるラドンガスであるとか、いろいろな過去の事例で言いますといろんな前兆と言われたものが観測されたケースが多々ございます。そういったものをあきらめないで、ぜひ最新の科学技術でとらえる努力をしていただきたいということは常日ごろから気象庁だけではなくて、全体を所管しております文部科学省の地震調査研究推進本部にも参加させていただきながら御意見を伝えております。そういった中でぜひ今阪神の震災の後、地震予知については非常に国全体としてもできるできないの議論から、もうむしろできないのではないかという議論に進もうとしておりますけれども、私ども東海地震を抱える静岡県としてはやはり可能性があるのであれば徹底的にその監視体制に研究を進めていただきたいとお願いしているところでございます。

 それから、一番最後に御質問ありましたいわゆる防潮堤的な道路への考え方ということにつきましては、今回の東日本の震災でも仙台平野でこういったいわゆる盛り土の道路が津波の防波的な役割を果たしたと、こういったケースもあって、ふじのくに津波対策アクションプログラムの今回お示ししました短期対策編の中で、東海の被害想定、もしくは安政東海地震の痕跡等を基に津波対策を構築しております。今後、国のほうは三連動の地震、もしくはそれ以上のものということを今議論されているようでありますので、私どももその国から示されたモデルに基づいて被害想定をし、その結果を中長期の今度の津波対策アクションプランに反映して前へ進んでおります。そういった中で引き続き現在のふじのくに津波対策アクションプログラムは、今年度中、それから来年度にかけて固定ではなくて随時検討を進めてまいりますので、そういった中でハード対策部会のほうとも議論をさせていただきたいというふうに思います。ぜひそういった実現可能性があることについては、少しでもより安全な施設として人命を守るような形で整備が進むように私どもも働きかけていきたいというふうに考えております。

○近藤危機情報課長
 ホームページにおきますGISの表示、それを印刷する際の改善点ということについてお答えいたします。
 いろいろ検討をいたしまして調整をしておりますが、グレー印刷というので出しますと印刷ができるということでございます。ただ、これをカラーでもグレー印刷でもない、もうちょっと精度の低いもので印刷をするということになりますと、かなり大幅な色の模様がえということで、残念ながら現在の予算の中では難しいというのが検討結果でございます。

 次に、気象庁の潮位観測場の強度、耐震性につきまして気象台のほうに照会をいたしましたところ、現在、会計検査院と気象庁との間で確認作業をしているということで、最終的なお答えはできないということでございました。

○池田危機政策課長
 西宮市の被災者支援システムについてお答えいたします。
 西宮市の被災者支援システムでございますが、インターネット上から無料でダウンロードできるという手軽さもありまして、本県の35市町のうち、既に32の市町でパスワードが発行されているということでございます。これは全体の91.4%に当たりまして、全国では38.3%ということですから、全国に比べて非常に高いパスワードの発行率ということになるかと思います。
 有効性につきましては、先ほども委員も言われたように、被災してみなければ使われないものですから、そこら辺についてはまだわからない点もございますが、これだけの市町がダウンロードしたということで非常に有効なものではないかとちょっと考えておりますが、実際に1回見ていきたいと考えております。
 それともう1点、委員のほうから御紹介がありました地域安心ネットワークサービスというものでございますが、これは身体障害者の方であるとか、あるいは精神障害者の手帳を持っておられる方、こういった方を事前に登録して、救急車であるとか民生委員が急遽マップを見て駆けつけられるようになっているというシステムでございます。これにつきましては御紹介を受けてからインターネットでちょっと調べまして、詳しいところはまだわかっておりませんけれども、本県でも災害時の要援護者避難支援計画というものを市町に策定に当たるように健康福祉部とともに進めておりまして、今まさに静岡市も策定中ということで、災害時要援護者の登録を進めているところでございます。そういったものにこういったネットワークシステムというのが資するのかどうかにつきましても1回実物を見まして検討していきたいと考えております。

 それからもう1点、災害拠点病院の件についてでございますが、前回6月に私が長田地区の災害拠点病院についてお答えしたそのヘリポートというのは、災害拠点病院の指定について、基準が非常に厳しいということの一つとして言ったものでございます。特に病院の運営に当たりましては24時間救急対応をし、災害発生時には傷病者の受け入れ、搬出を行うことが可能な体制であること。それから、先ほど言いましたようにヘリコプターによるピストン輸送が行える機能を有しているとか、あるいは施設でありますと、災害時に患者の多数発生時に多様なスペース、あるいは簡易ベッドの備蓄がされていること。あるいは水、電気のライフラインの維持機能があること等々、非常に厳しい基準がございます。それに加えまして、先ほど委員からお話がありましたように9月30日、厚生労働省のほうで災害医療等のあり方に関する検討会というのがありまして、そこで今回の東日本大震災を踏まえてさらにちょっと厳しい要件が加える方向で見直しが行われているという発表がございました。これは何かというと3日分の水や食糧、医薬品の備蓄、あるいは通常の6割程度の発電が可能な自家発電機の保有、それから通信環境の整備、あるいは診療を維持できる容量の貯水槽、井戸の整備をするというようなことで、さらにちょっとハードルが高くなってしまったということになります。
 それで、お尋ねの徳洲会病院についてでございますが、やはり委員のほうからお話がありましたように安政東海地震の浸水域であるということがちょっと1つ問題ではあるかなと思いますが、それ以上にその災害医療病院としての救急の体制が人数的に整っていない可能性が非常に高いということが考えられます。

○近藤危機情報課長
 GIS上におきます津波避難ビルの表示の更新についてお答えいたします。
 静岡市初め各市町に対して津波避難ビルについては、その更新について最新の情報をくださいと。その結果、県のほうで入力いたしますということで申し上げております。静岡市につきましては、まだ増加の情報が入っておりませんが、沿岸、ほかの市町につきましてもお願いをしてございますので、それらを経費の件もありますのでまとめて県のほうでまずは入力をすると。今年度の末になりましたら、これは市町自身が自分で入力をできるということが可能になります。そのシステムの開発をやっております。

 もう1点、子供に対する防災教育につきまして、わんぱくサバイバルによるキャンプが行われたということで、実は本日の資料の16ページにございますけれども、強化月間の関連事業といたしまして、グランシップにて親子で楽しみながら防災について学ぶという企画をしております。また危機管理部のほうでは教育委員会と協力をしまして、ジュニア防災士の養成講座、これを小中高校生につきまして連携して実施をしております。ジュニア防災士についてはこの計画において、家庭、学校地域での推進役という期待をしております。
 このようなさまざまな試み、実施によりまして、教育委員会の行う防災教育と連携を密にして、特に地域の危機管理局には学校の教員から危機管理部に出向した職員もおりますので、学校と連携を密にしまして子供に対する防災教育をさらに推進してまいります。

○鈴木(智)委員
 御答弁ありがとうございました。
 幾つか再確認を含めまして、御質問させていただきたいんですが、まず先ほどの1号機の1体使用済み燃料の話につきましては、藤原原子力安全対策課長がたまたま知らなかったということで、別に個人攻撃をするつもりは全くございませんし、もちろんたまたま知らないことは私もありますので、それについて別に個人攻撃をする意図で言ったつもりではないんですが、ただ逆に言えば、じゃあ危機管理部内では当然把握されていたということだろうと思うんですが、できれば7月5日の質疑の際に追加でこうこうこういう事情ですというふうに説明していただければ、私も誤解する必要がなかったわけなんで、ほかの方はどこまで把握されていたのか、なぜそのときに訂正というか追加で修正していただけなかったのかお尋ねをしたいと思います。

 2番目に、キャスクの話が出てまいりました。先ほどの答弁ですと、平成24年度中にキャスク等ができれば、1号機から5号機に移せるということですが、まだそのキャスクの設計すらできていないということだと思うんですが、平成24年度中ですから1年半ぐらい、日程的に間に合うのかどうか。逆に間に合わなければ、国に当然責任があるわけですから要求するべきだと思いますし、あともう1点確認したいのは、平成24年度中に1号機から5号機に移すというのは、浜岡原子力発電所が全面停止する前の話だったのか後だったのか、後からそういう計画を確認したのか。というのは、もし今回、全面停止あるいは東日本大震災の前の計画であれば、なおさら今浜岡原発に対する危機感が高まっていると、そういう認識があるわけですから、東日本大震災の前にそういった計画が立てられていたのであれば、当然それは国の責任として早める必要があるのかと思うんですが、その先ほどの平成24年度中に移すという計画はいつ立てられたのか確認をさせていただきたいと思います。

 あと、先ほど岩田危機報道監のほうから地震予知の話がございました。これは基本的には国の責任だとは思いますが、岩田危機報道監のほうも文部科学省のほうには常々言っておるということでございますが、これは今、地方主権の時代でございますから、県でやれるべきところはやるべきではないのかなと。特に先ほど申しましたとおり、予知の予算、本当に予知自体に使われているのは1千数百万円でございます。先ほどの論文、私もついこの間読んだばかりですので大きなことは言えませんので、逆に言えば皆様方にこれから読んで一緒に研究してまいりたいと思うんですが、この上田教授がおっしゃるのは、1年間に1億円でもいいというようなこと。ただ、そのかわり1年こっきりじゃなくて、やっぱり時間がかかる話ですから、1年間1億円を10年間ぐらい続けてくれるとありがたいというような話をされておりますので、そんなに大きな額ではないと思うんですね。
 例えば、今回の補正予算でも地震対策調査事業費2600万円に比べれば大きな額ではございますが、ただ、もしこの予知が成功すれば何千人あるいは何万人という命、もちろん不動産はなかなか予知できたとしても守ることは難しいかもしれませんが、少なくとも動産については予知が当たれば守れるわけですから、その可能性が少しでも高まるのでしょうから、そのいろんな現象を調べていけば、先ほど岩田危機報道監がおっしゃったとおり、1つの現象だけではなくて、そのラドンガスだとか地下水だとかいろいろ電磁気だとか、いろんなところをつかむと、もしかするとひとつぐらいは正確な前兆現象をつかめるかもしれないですし、それをつかむことができればかなりの生命と財産が守れるわけですから、それだけやる価値はあると思うんですね。
 ですから例えば、今回の補正予算には間に合いませんでしたが、例えば次回、こういった地震対策調査事業費――これどちらかと言うと現在の状況を調べたり、ボーリングしたりとかっていうことだったんですが、こういった形で予知について研究することは可能かどうなのか確認をしたいと思います。

 あと、先ほどの地域安心ネットワークについては、ぜひ研究していただいて、またこれからも議論をしていきたいと思いますので、これは要望としてお願いいたします。

 また、GISにつきましても、これからだんだんシステムがバージョンアップするということでございますが、それこそいつ地震が起こるかわからないわけですから、それも早急にやっていただきたい。これも要望にしたいと思います。以上でございます。

○小林危機管理監兼危機管理部長
 浜岡の原発1号機の燃料棒が1体あった理由です。これについてなぜかということですけれども、私が聞いている範囲では、1本その燃料棒に穴があいて欠損状態になってしまったので、それを動かしても処分の方法がまだ決まっていないと。最終的には先ほど課長が言ったように、私も最終的には六ヶ所村へ持って行って処分してもらうしかない。だから、1体ぐらいだからしばらく動かさないで置いておいたと、そういう状況にあるということは私も承知していました。
 ですから、我々が説明を受けていたのはその程度です。

○岩田危機報道監
 地震予知について、私どもも本当にあらゆる可能性をぜひ開拓していただきたいということで、東海大学地震予知研究センターの長尾センター長も同じ思いではあります。
 ただ、きちんと解析するといいますか、基礎研究をちゃんとやっておかないと、ただやみくもに観測をしただけでは地震予知につながらないということも上田教授、それから長尾センター長も同じでありまして、そこのところをちゃんとやっていこうということで、いろいろ関係機関、それから関係者の連携を図っているところです。
 特に今、県とそれから県内6つの大学で、しずおか防災コンソーシアム――防災を学術的に、それから我々行政、それから報道各機関がいろいろ連携をしながら取り組もうという組織――を数年前に立ち上げました。その中で大学間の研究も交流が始まっておりまして、ほぼ月に1回は地震防災センターでそれぞれのコンソーシアムの成果、研究の発表もしております。
 9月の発表では、東海大学の教授から、いわゆる地球電磁気学の研究成果の現状についてお話をいただきました。ただ、まだ地震予知に直接つなげれるようなレベルではなくて、例えば研究者のネットワークを組む段階だということで、今そういった日本全国のいろんな事例をきちんと定量的に分析をする団体だということで、フィールドそのものはいろいろお探しになっていると。そういった意味で、私どももそのフィールドの確保のための協力でありますとか、それから大学間の研究者のネットワークといったところにお手伝いをさせていただいているところで、なかなか私どもも直接そのハウツーに手間をかけるとか、その経費を出すというところまではたどり着いておりません。いずれにしてもそういう最終的には地震予知を業務として掲げて基礎研究のところをきちんとやっていこうということで、今、事業を進めさせていただいているところでございます。

○藤原原子力安全対策課長
 浜岡原発1号機の燃料の輸送の件でございます。廃止措置計画を、まずどの時点で平成24年度中に移すかという計画が決まっているかということでございますが、平成21年11月に1、2号機の廃止措置計画が認可されておりますが、その認可の当初から1号機の燃料については、平成24年度中に4号機ないし5号機のプールのほうに移しますという計画でございました。したがいまして政府要請による全面停止とは関係なく事前に計画されていたものでございます。
 今後、専用の輸送容器の許認可手続を経て製造して、それで実際に移送を行うということになりますが、平成24年度中の完了は現状では大丈夫というふうには聞いておりますが、もしおくれるような状況が出てくれば、ここを注意深く見守りながら、もし県として国に何か働きかけたほうがいいんだという状況が出てくれば、必要に応じて検討して対応していきたいということで考えています。

○鈴木(智)委員
 ありがとうございます。
 2点だけ確認をしたいのですが、先ほども今の使用済み燃料の移動ということで、廃炉手続の当初に計画をされたと。ただ御案内のとおり、当時の認識から比べれば、浜岡原発はより危険だというふうになったわけです。今、浜岡原発がとまっているわけですから、当時に比べれば危険だという認識が高まった以上、それは早くするように要請するのが当然かなと思います。それはもちろん民主党政権でもございますので我々県議会議員としてやるべきことは当然やっていくべきですし、ただ、実際に間に合うかどうかはともかくとして、とりあえずより危険だというふうな認識になっているわけですから、平成24年度中じゃなくてむしろ早めろと言うべきだと思いますので、そこは要望ということでよろしくお願いいたします。

 それと、地震予知の件でございますが、もちろんこれはまだいわゆる日本地震学会のところでまだ意見が分かれるところでございますので、この論文をそのままうのみにしろとかいうつもりも全くありません。ですからこれから一緒に研究をさせていただきたいと思うんですが、もちろん基礎研究が大事だというのは重々わかります。ただ、基礎研究をやっている間にもし来てしまったら、それこそもう何千人の命というものが失われる可能性が出てくるわけですね。もちろん、やたらめったらにやって当たるとは言いませんが、ただ可能性があるのであれば、その可能性を追求するのは当然なのかなと思いますので、これにつきましては、私も12月に一般質問をする予定でございます。そこにおきまして一緒に研究していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。要望ということでお願いします。

○小林危機管理監兼危機管理部長
 1号機の要望でしたけども、1点だけ、皆さんにぜひわかっておいていただきたいのは、もうその欠損された燃料体は、十分崩壊熱が低くなっておりますので、とにかく水さえ確保できていれば決して危険な状態にはなりません。その点だけ承知しておいていただきたい。だから1本だけ残念ながらあの中に残ってしまっていますが、そういった危険性の面という点でいけば、非常に崩壊熱ももう小さくなっているし、そういった意味ではある程度の安全性というのは十分保たれているということで御認識いただけるとありがたいと思います。
 いずれにしても、1、2号機はやはり耐震性に劣るということは事実ですので、そういった処置が図られるように我々としても中部電力と一緒にやってまいりたいと思います。

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