先日、4月21日に清水マリンパークで開催された、連合静岡・静岡地域協議会主催のメーデーに出席しました。
※「2019連合静岡地協メーデー」の様子
清水の会場だけでも約5千名もの労働組合員やそのご家族の皆さんが集まるメーデーは、働く人たちの味方である労働組合、連合の年間行事・イベントの中で最も大きなものです。連合静岡から推薦されている地方議員としての出席は(暫くの間は!)今回が最後となるということで、今年は特に感慨深いものがありました。
また、改めて考えたのは、労働組合(運動)の意義や役割が、今まさに、一層重要になってきているということです。
その理由については、2017年9月17日の中日新聞に掲載された、浜矩子・同志社大教授のコラムに明解に書かれています。私も、ここ最近、労働組合の会合でよく言わせて頂いたのは「人手不足とは、労働の価値が高くなっているということ。それにもかかわらず、賃金は十分に上がっていないし、労働環境の改善も余り進んでいない。そんな今こそ、労働組合の出番だ」ということです。
※2017年9月17日 中日新聞
また、昨年度は、重点的に取り組んだ課題の一つである「静岡県立大学における雇い止め問題」を通して、労働組合の重要性を再認識した年でした。
この雇い止め問題が大きく報道されたのは昨年3月。地元駿河区にある大学ということで、静岡県立大学の課題については、8年間の県議としての活動の中で、何度も本会議や委員会で取り上げていました。しかし、県立大での雇い止め問題の存在を知ったのは、恥ずかしながら、その報道を通じてでした。
当時、雇い止めされようとしていた有期雇用職員の方が、県立大との交渉に当たり頼りにしたのが同大の労働組合「静岡県公立大学教職員組合」です。同組合は連合静岡には加盟していないため、それまで私はお付き合いが全くありませんでした。そのため報道後、以前からお世話になっている県立大の先生から、同組合の委員長を紹介して頂き、状況を伺いました。そして、組合の先生方と何度も議論や情報交換等をしながら、昨年の6月議会や12月議会の本会議で、川勝知事らに雇い止め問題の早期解消を訴えました。
その結果、制度上は雇い止めは無くなり、無期転換制度が県立大でも導入されることとなりました。昨年、雇い止めされた前述の女性職員の方もこの4月から県立大に復職したということです。
しかし、心残りなのは、もっと早く雇い止め問題の存在が分かっていれば、あるいは、教職員組合の体制や活動がもっと強力なものであったなら、この女性職員はそもそも雇い止めされなくて済んだのでは、ということです。
実は、雇い止め問題が報道された昨年3月時点で、県立大の教職員組合に加入していた職員の組合員は、その女性職員だけだったのです。また、その女性職員が労働組合に加入したのも、良く知っていた県立大の教員の方が組合の幹部だったということからでした。昨年3月末で雇い止めされた職員は他にもいたのですが、組合員にはなっていませんでした。つまり、女性職員が組合に加入する前や雇い止めされた後は、職員の組合員は全くいない、教員の組合員だけの「教職員組合」だったのです。
職員が組合に加入することが当たり前の環境だったなら、もっと早い段階から雇い止めの問題について大学側と交渉ができたはずですし、私や他の県議会議員が雇い止め問題についてもっと以前から県議会で取り上げることも可能だったでしょう。
様々な県立大関係者から話を伺ううちに、およその事情がわかりました。昨年度時点で県立大の正規職員の4分の3を占めていたのが県庁からの派遣職員。派遣職員は約3年で県庁に戻るため、わざわざ教職員組合に加入する必要性を感じないようです。一方、残りの正規職員であるプロパー職員(まだ若手が中心)や全職員の過半数を占める非正規職員の方々は、組合に加入すると県からの派遣職員である上司や大学法人側から目を付けられ、昇進や契約更新の障害になることを心配して、組合には加入していないということのようでした。
幸いにも、現在では、複数の有期雇用職員の方が教職員組合に加入しているということです。県立大の教職員組合の体制や活動が今後強化されることを祈るばかりです。
また、この4月30日からは県議会議員ではなくなりますが、労働組合やその運動の発展のために、出来ることを続けていきたく思います。
お読み下さり、ありがとうございます。