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産業委員会(経済産業部関係)議事録(平成28年7月11日)

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○鈴木(智)委員
 ふじのくに県民クラブの鈴木智でございます。大きく3点について、一問一答方式で質問いたしますのでよろしくお願いいたします。
 資料に従って御質問します。まず委員会資料7ページ、先ほども御議論いただきましたマーケティング・ブランディング戦略と、それに関連してアンテナショップについて伺いたいと思います。
 先ほども議論がありましたが、要は簡単に言えばどのように静岡を売り込むかということだと思います。私、実は妻がシンガポール人ということもございまして、シンガポールにもよく行きますし、海外の人とも若干交流がございます。皆さんも御存じかと思いますけれど、そのときに静岡と言ってもほとんどの方が知らないわけなんですね。ですから一番手っ取り早いのは、静岡って何だというときは富士山だということで、マーケティングの素人ながらの考えですけれど、富士山と静岡をうまくくっつけることができれば、多分一番手っ取り早く売り込みができるのかなと思いますし、その意味で、川勝知事はふじのくにという言葉を使ってるんだと思いますし、そういった品物等々もあるかと思うんです。
 ですから、単純に考えてまず静岡と富士山を結びつけるのが一番手っ取り早いという言い方がいいのかわかりませんけれど、ブランド戦略としてはあるのかなと。もしかしてそういった話も7月7日のマーケティング戦略本部会議でされたのかもしれませんが、その点についてまずお伺いしたいと思います。

○杉本マーケティング課長
 ブランディングということで、先般開かれましたマーケティング戦略本部会議における内容を御報告いたします。
 確かに10番委員御指摘のとおり、富士山とかでブランディングということでPRしていく必要があるとの意見が出たところでございます。その中におきまして、県は今まで食セレクションとか新商品セレクションでブランディングということで、食の都というキーワードを使いまして、これは主に国内を目安に県内から国内に広めるということでやってまいりましたが、海外に向けてのブランドイメージをつくるというところには今まで着手してございませんでした。
 そのような背景がございました中で、今回の戦略の中で、やはり海外向けの静岡県のシンボリックなイメージをつくっていこうという議論がなされまして、10番委員御指摘のとおり、やはり富士山が1つのキーワードとして出ておりまして、そのほかにも例えば太陽とか海、そういったイメージをつくりながら、静岡県をうまく世界に広めることができるような、認知できるような形という意見が出ました。
 これらにつきましては、早速部内においてプロジェクトチームを立ち上げまして、どういうふうに募集をしていくのか、どういう審査方法がいいのかというところを早急に詰めてまいりまして、特に若い方のセンスをその中に盛り込む形で、これからイメージづくりといったものに着手してまいりたいと考えております。

○鈴木(智)委員
 関連してお茶の話もしたいと思います。
 御案内のとおり、静岡はお茶どころとして国内では有名ですが、ただ静岡茶というのはブランドのようでブランドではないですよね。生産農家からしてみれば、俺たちのは静岡茶じゃないと。本山茶だったり、川根茶だったり、島田茶だったり、いろいろありますよね。特に海外に行きますと静岡を知りませんから、静岡茶と言ってもわからないわけですね。多分ジャパニーズティーとか、グリーンティーで終わっちゃうと思うんです。
 お茶についても、静岡茶というやり方もあるかもしれませんけれど、やっぱり新たなブランディングみたいなのが、特に海外に売り込む場合、あるいは国内でもお茶に詳しい方は本山茶とか川根茶とかわかるかもしれませんけれど、多分知らない方は静岡茶だねっていうふうになっちゃうと思うんですね。国内外に静岡のお茶をさらに売り込むには、新たなブランディングみたいなものが必要だと思うんですけれど、その点は何かございますでしょうか。

○杉本マーケティング課長
 お茶についてでございます。
 今回のマーケティング戦略の中におきましては、ある程度主力の品目を定めて、それらの品目がどういったところにマーケットがあるかというところを見定めた上で戦略を練っていくことを考えております。
 お茶につきましてもこれから戦略をつくっていくわけなんですけれども、特に海外において、前回答弁でも申し上げたとおり、いろいろな企業等からいろいろな御意見を聞いているところです。そういった中でも、一部の輸出を手がけている企業においては、静岡県としてイメージが伝わるようなシンボリックなものがあるといいねという御意見も賜っているところでございますので、それを静岡茶というのがどうかというところにつきましては、また議論が必要だと思いますけれども、お茶の輸出等に関しましては、そういったシンボリックなものが必要だという現場の意見もありますものですから、その辺も踏まえまして、先ほどの富士山等のイメージをどのように伝えるのかわかりませんけれども、シンボリックなものに仕立てていきたいと考えております。

○鈴木(智)委員
 私は、マーケティング、ブランディングについて全くの素人でございますので、引き続き今後のマーケティング戦略本部等々の議論も見ながら、私もいろいろ考えたり、議論させていただければと思います。

 関連してアンテナショップについてでございます。
 実は私、去年は文化観光委員会に所属をしておったものですから、東京にある観光案内所等々につきまして議論をさせていただきました。同様の議論をここでもさせていただきたいと思うんですが、端的に言えば、文化・観光部ではグリーンティープラザをやられています。経済産業部におかれては「おいしず」をやられていますよね。
 去年も議論をされているようですけれども、私、どちらも中途半端だなと思っています。去年、ことしも所属されている鈴木利幸委員が言われていますが、やはりアンテナショップは、見て、触って、食べてくらいまでやっていただかないと効果が出ないのかなと思っていると言われていて、私も全く同感でございまして、この際、もう経済産業部が中心になって、グリーンティープラザも任せろとやるべきだと思うんです。その点については、去年も田口議員の質問に対して、物産と観光をセットにしてPRしていくのは非常にインパクトがあるものでございますと。私も見に行きました銀座NAGANO。あと三重のテラスですか。あちらは同じく一体化してやっているわけです。そういうのをこれからは経済産業部が中心になってやっていくべきだと思うんですけれど、その点について何かございますでしょうか。

○杉本マーケティング課長
 アンテナショップという御質問でございました。
 10番委員御指摘のとおり、経済産業部では、平成25年に「おいしず」をアンテナコーナーのような形で設置しまして、実績そのものは実際伸びているという認識でおります。一方、文化・観光部においても、観光の情報発信拠点ということで有楽町のグリーンティープラザを運営しております。
 まず、首都圏ということで考えましたときに、首都圏は非常に大きな市場であることは間違いないと思います。そういった中で、本県の情報発信をする拠点につきましては、非常に重要かなと考えています。特に我々経済産業部といたしましては、静岡県産品の多くを消費いただいている首都圏において、さらにもっと情報発信ができたらなと考えているところでございます。
 そういった視点も含めまして、先ほど申し上げた今回のマーケティング戦略本部会議におきまして、外部有識者等からそういったものが必要なのかどうかも含めまして、御検討をしてもらっているところでございます。これから議論する中で、費用対効果の問題であるとかを当然議論してまいらなければなりませんし、我々マーケティング課の職員が東京に行きまして、約30店舗ほど調査してまいりました。その辺も含めまして、そういったもののあり方そのものを検討してまいりたいと考えております。

○鈴木(智)委員
 このマーケティング戦略本部会議で議論されるということでございますし、また御案内のとおり2019年にラグビーワールドカップ、2020年にオリンピック・パラリンピックがあるものですから、それまでにぜひ形にしていただきたいと思うんですね。
 というのは、去年も文化観光委員会でさんざん議論をさせていただいたんですけれど、グリーンティープラザでは2万人弱しか年間来ておりません。それに対しまして、同じフロアにある富山県が約50万人、和歌山県が13万人ちょっとなんですね。御案内のとおり、同じ交通会館にある北海道のアンテナショップは200万人を超えていると。ですからスケール的にも全然見劣りするものですから、ぜひそこは結論を出していただいて、早目に形にしていただければと思います。

 次に移りまして、先ほど議論がありました最近の雇用情勢についてお伺いします。
 先ほど来、有効求人倍率がだんだん上昇しているという話がございました。ただこれは、きのうまでの参議院選挙でも議論になりましたけれど、有効求人倍率が高くなっているからといって、先ほども質の話がございましたが、本当にいいとばかり言えるのかというと、そうでもないという話がありますよね。実際に全国的には、もちろん正規雇用もふえているでしょうが、それ以上に非正規雇用がふえていると新聞記事等にも出ておりますので、その状況は静岡県も同様の部分があるのかなと思うんですが、その点についてお教えください。

○花井雇用推進課長
 静岡労働局が公表している正社員の有効求人倍率がございます。そちらを見ますと、平成28年5月の数字が0.82倍となっておりまして、全体の1.35倍とは0.5くらい開きがございます。こちらにつきましては、10番委員御指摘のとおり、必ずしも1.35倍だからといって全ての皆さんが正社員ではないということで課題があると認識しております。この問題といたしましては、パートや短期の就労を望む人もいらっしゃいまして、全ての人が正社員を望むということではないと考えております。
 しかし一方で、正社員を希望しても派遣、あるいは契約社員となる方に関しましては、正社員となることができるよう、積極的に支援していく必要があると考えております。
 こうしたことから、県といたしましては、就職面接会、あるいは就職情報誌に掲載する企業につきましては、正社員の求人がある企業に限っております。それからしずおかジョブステーションでは、正規社員になれるカウンセリングやセミナーを実施しているところでございます。

○鈴木(智)委員
 先ほど資料をいただいたんですけれど、ここ最近5カ月の数字を見ますと、こちらの委員会資料ですと平成28年1月が静岡県1.24倍、それから5月が1.35倍ということで、0.11倍上がっていますけれども、それに対しまして、正社員の有効求人倍率は、今年1月が0.86倍、5月としては0.82倍で若干下がっております。
 ですので、ぱっと見ますと有効求人倍率は上がっていますけれども、この5カ月間においては、むしろ非正規者のほうがふえているような感じになっておりますので、ここを何とかしなくちゃいけない。特に6月20日の静岡新聞に出ていましたけれど、国認定ユースエール企業、つまり働く若者に優しい企業を認定する制度があるということなんですが、県内申請がゼロということで、特に子育て、これから結婚したいという若者にとりまして、こういった状況は非常によろしくないと思いますので、何とか有効求人倍率だけではなくて、正規社員をふやす努力をしていかないといけないと思うんですけれど、端的で結構ですので、どのような取り組みをこれからしていくおつもりなのかお答えください。

○花井雇用推進課長
 正社員の方をふやしていくことは、静岡労働局とも相談をしておりまして、県も求人開拓ということで、企業に求人はありませんかということをやっております。そういったときに、できるだけ正社員の求人をとることを努力しております。

○鈴木(智)委員
 なかなかすぐにできる話じゃないと思いますが、ぜひとも正規社員がふえる取り組みをさらに進めていただきたいと思います。

 最後に、お茶の振興に関して幾つかお尋ねしたいと思います。
 今本会議でも知事が答弁の中で言われていますし、5月の臨時議会でも説明の中で言われました。
 特に、給食においてお茶の消費を促進するための条例をつくりたいという話を言われているようなんですけれど、いつごろどのような形でつくるおつもりなのか御説明ください。

○望月お茶振興課長
 条例につきましては、県内の小中学校において児童生徒がお茶に親しみ、あるいはお茶を飲んでもらうためにはどういう条例が効果的かという観点から、現在教育委員会と調整中であります。条例の骨格案がまとまった段階で、県議の皆さんにもお示しして御意見を伺いたいと考えております。
 制定時期につきましては、法務担当部局と調整もありますし、パブリックコメント等もございますので、関係者等との手続を踏まえますと6カ月くらいではないかという助言をいただいております。できるだけ早く制定できるよう努めてまいりたいと思います。

○鈴木(智)委員
 実は、皆さんも――特にお茶の担当の方は、御存じだと思うんですが、我が会派では昨年の県議選に当たりまして、仮称ではありますけれど、茶の都静岡づくり推進条例をつくろうというのを掲げておりますし、今、会派の中でもプロジェクトチームを立ち上げております。
 そういうこともありまして、去年、異動されちゃいましたけれども岡茶業農産課長等々と意見交換をさせていただきまして、今、制定の準備を進めております。その中での御提案というか、御提言でございますので、条例をつくること自体は大歓迎をしますが、中身については給食だけに絞るのがいいかどうかっていうのは議論の余地があると思いますし、我々はもう少しさまざまな内容を加えるべきだと考えております。
 ですので、もう原案ができてからこれでどうですかではなく、その前に一度、もちろん我々の会派だけでなく、たしか自民改革会議も条例をつくりたいという話が報道であったように記憶しておりますし、ほかの議員の中でもやっぱりお茶にかかわっている方がたくさんいらっしゃいますので、ぜひ一度どういう形がいいのかわかりませんが、我々の意見を踏まえた上で御提案いただくような形にしていただきたいと思いますけれど、その点はいかがでしょうか。

○望月お茶振興課長
 その点につきましては、今詳細なことは言えませんが、上司と相談しましてできるだけ早く、相談できるようにしたいと思います。

○鈴木(智)委員
 ぜひ上司の方と相談していただいた上で、これ以上は変えられませんということがない、我々の意見がちゃんと十分反映できた段階で御提案いただければと思います。

 お茶の関連でこれを最後にしますけれども、委員会資料38ページ、静岡抹茶の生産拡大でございます。
 これは私も非常に可能性が高いと思っていまして、この3月にシンガポールへ行ったときも、抹茶専門のお店がございまして、そこでいただきましたけれど、抹茶ですから簡単に輸出もできると思いますし、保存もできると思います。あと抹茶ですから、アイスクリームだとかケーキだとか、さまざまな分野に使えると思うんです。ですから、世界の市場は非常に可能性があると思うんですけれど、これくらい売れるんじゃないかとか、これくらい規模があるんじゃないかとか、そういう試算みたいなものはございますでしょうか。

○望月お茶振興課長
 日本全体では、平成27年に2,256トンの抹茶の原料のてん茶が生産されておりますが、そのうち本県は424トンつくっておりまして、全国第3位の産地でございます。2,256トンのうち、380トンが輸出されております。
 それで現在、一部の茶商で、もう輸出に取り組んでいる方がいらっしゃいますが、その方たちの話では、海外での商談の問い合わせは、煎茶よりも抹茶だということを伺っております。ただし、定量的にこのマーケットでこのくらいの量を欲しいという話はちょっと把握しておりません。どこの海外に行っても、特に有機栽培の抹茶を欲しがっているという情報は入ってございます。
 そういう情報もございますので、県としましては生産体制をつくりまして、あとロンドンとロサンゼルスにサポートセンターを設置しておりますので、その方たちを通じて、県内生産者とのマッチングを図ることでマーケットを開拓していきたいと考えております。

○鈴木(智)委員
 詳しくは承知しませんけれど、抹茶ですからそのまま体の中に入るわけですから、お茶を飲むよりは体にもいいのかなと。抹茶ですから色もいいし味もいいし、プラスそういった健康にもいいというところを抹茶においても進めることができれば、非常に幅広く海外でも売れるのかなと思いますので、ぜひそういった取り組みを進めていただくことをお願いしまして質問を終わります。ありがとうございました。

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